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自衛隊ニュース   2013年6月15日号
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我ら ここに励みて 國安らかなり
陸上自衛隊第7師団
敵警戒部隊の射撃を受け、我の戦車小隊が反撃!

(1面から続き)
 観閲行進が終わると、第7音楽隊による音楽演奏が行われ、その演奏に観客は聞き入っていた。
 そして、訓練展示。対抗部隊の90式戦車2両と89式装甲戦闘車1両から先遣部隊に対しての射撃から始まった。先遣部隊戦車小隊の徹甲行進射(空包射撃)に協力するAH—1ヘリの射撃。そのさ中、1両の90式戦車が対抗部隊の地雷原に触雷し行動不能となったことを示す、赤い旗をたてる。
 陸上からの偵察に先立ち、OH—6とOH—1観測ヘリを投入して上空から偵察。敵の陣地に接近する様子をデモ飛行し、OH—1の高い機動能力を見せつけた。縦横無尽に飛行するOH—1に観客の目は釘付けに。更に敵情を解明するため偵察小隊を投入。偵察警戒車の掩護のもとオートバイは敵中に突入。その間、行動不能となっている(赤い旗を立てた)90式戦車を回収するため、90式戦車回収車を始めとする特殊車両が投入された。回収作業を行っている間も戦闘は続いているため、敵の射撃を妨害する特科中隊の99式自走りゅう弾砲が射撃を実施。大きな空包の音に観客は「おぉ〜」と耳を塞いでいた。直後、進入して来た敵ヘリコプターに対する高射特科小隊の87式自走高射機関砲の射撃により、敵ヘリコプターは離脱した。そして、敵の障害を処理するため施設小隊の92式地雷原処理車がロケット弾を発射。

滑走路を埋め尽くす車両 上空を埋め尽くすヘリ

 90式戦車の回収作業が終わると本格的に敵陣地に対する攻撃が始まった。99式自走りゅう弾砲4両・90式戦車8両・74式戦車4両が射撃を行い、92式地雷原処理車が処理した経路を使い敵陣地に突入していく。車両の多さと射撃の音に圧倒される観客たち。続いて敵陣地一帯を確保するため、普通科部隊を投入。AH—1による掩護射撃のもと、UH—1によるヘリボン攻撃を実施、UH—1からレンジャー隊員が降下して、89式装甲戦闘車からは普通科隊員が下車し、敵陣地を確保。引き続き、攻撃を続行し戦果を拡張した。滑走路を埋め尽くした車両と上空を埋め尽くしたヘリはとても美しかった。
 「こんなに多くの動く戦車を見られるなんて」「いつもこんなにヘリ多かった?」「総火演とどっちが凄いかな」等々、状況終了のラッパと同時に全車が停止したが、観客の興奮は冷めやらなかった。

陸上自衛隊第7師団概要

北海道の北部方面隊隷下で別表の部隊で編成されている。表になく観閲行進に参加した第1高射特科群(第1高射特科団隷下)・第101高射直接支援大隊・第1電子隊・北部方面混成団は、北部方面隊の直轄部隊で第7師団隷下部隊ではない。一般的な師団は複数個の普通科連隊と1個の戦車大隊(連隊)を持つが、第7師団は1個普通科連隊と3個戦車連隊を持っている。また、日本唯一の機甲師団とあって、第7師団の第11普通科連隊は完全に装甲車化され、機械化連隊とよばれている。師団は、侵略部隊を撃破するとともに、他方面隊への増援が任務であり、陸上自衛隊唯一の機動打撃師団である。

陸上自衛隊第7師団編成部隊

( )内は駐屯地名
第7師団司令部(東千歳)
第7師団司令部付隊(東千歳)
第71戦車連隊(北千歳)
第72戦車連隊(北恵庭)
第73戦車連隊(南恵庭)
第11普通科連隊(東千歳)
第7偵察隊(東千歳)
第7特科連隊(東千歳)
第7高射特科連隊(静内及び東千歳)
第7飛行隊(丘珠)
第7施設大隊(東千歳)
第7後方支援連隊(東千歳)
第7通信大隊(東千歳)
第7化学防護隊(東千歳)
第7音楽隊(東千歳)


雪月花

 TUNAMI(津波)、KAIZEN(改善)は外国でも通用する言葉といわれる。最近、日本でも復活した感のある『MOTTAINAI』も世界的に使われ始めたという。2004年ケニアのワンガリ・マータイさんがもったない運動を提唱しノーベル平和賞を受賞した頃から広がったようだ。嬉しい事に『もったいない』は日本古来の美徳の王座を今もまもりつづけている。2009年、同女史が来日した時には日本からも旭日大受賞が贈られた。おそらく日本に生まれたすべての人は茶碗に残った米粒は一つ残さず食べさされたはずだ。筆者も子供のころ祖父に「米」という字を書かされて、八十八と書いているようにお米がたべられるようになるまでには88回も人の手が入っている、深い皺と節くれ立った指で説明してくれたものだった。米に限らず畑で作ったものは残らず食べた。高校のとき同級生の漁師さんの子供の弁当、魚は大きな骨をのぞいてまことに見事に食べる、魚にはすてるところは何もないのだと彼が言っていたことを今でも覚えている。消費大国といわれるアメリカでも近頃は店の方で発泡スチロールの容器を準備し食べ残したものは持って帰るようだ。以前はドギーバッグと言い犬に食べさせると言い訳にしていたらしいが今は誰はばかることなくテイクホームバッグ。堂々と持ち帰っている。資源に限界があることに気がついた人類、今からでも遅くはない。


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