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   2007年10月1日号
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ヘリコプター搭載DDH
『ひゅうが』進水
 8月23日、I・H・Iマリンユナイテッド横浜工場で、護衛艦第2319号艦の自衛艦命名進水式が挙行された。
 命名進水式では横須賀音楽隊の演奏による国歌斉唱後「ひゅうが」と命名された。防衛省を代表して木村防衛副大臣が支綱切断すると、大きな拍手が沸き起こった。「軍艦行進曲」が演奏される中、隊員や関係者に見守られ「ひゅうが」は無事進水した(写真)。約4千人の一般観覧者は普段馴染みのない護衛艦を目前にして、その壮大さや進水式の演出に、大いに感動した様子だった。
 「ひゅうが」は哨戒ヘリコプター搭載護衛艦として、現在海上自衛隊が保有するヘリコプター搭載型護衛艦「はるな」の後継として、平成21年3月に就役予定である。4機の哨戒機が同時発着可能な広い甲板を持ち、最大で11機を格納できる。高度な情報通信機能を備えており、輸送ヘリの発着も可能で大規模災害や海外任務の活躍が期待される。今後、就役までに対空ミサイルや高性能20ミリ機関砲などの武器を装備する予定。
 【主要項目】全長197m、最大幅33m、深さ22m、喫水7m、速力約30ノット、乗員数約340名。

海自東京音楽隊が群馬県で演奏披露
 東京音楽隊(隊長・熊崎博幸2佐)は、群馬県みどり市の主催で開催された「みどり市合併一周年記念海上自衛隊東京音楽隊演奏会」で演奏した。当日は好天に恵まれ、開場時間前から多くの市民が詰めかけ関係者を喜ばせた。
 演奏会は、内堀豊3佐指揮により、行進曲「軍艦」で幕を開けた。第1部では、「祭り」にちなんだ名曲を演奏。スパーク作曲「カーニヴァル」では、宮越総己曹長のアルトサックスの透き通った音色が、爽やかな曲調と相まって爽快感溢れる好演となった。第1部最後は、伊藤康英作曲「吹奏楽のための抒情的『祭』」を演奏した。津軽三味線を模倣した力強いリズム、素朴ながら美しい民謡調の旋律、弘前ねぷた祭の熱狂的なクライマックスのコントラストを見事に描き出した好演だった。
 第2部では、人気映画の名曲を演奏した。中でも、「アニメ・メドレー久石譲作品集」では、どこか懐かしい旋律に聴衆は心酔し、目を閉じて郷愁に浸る姿も見られた。プログラム最後は、名作「ベン・ハー」からハイライトシーンの音楽をメドレーで演奏し、重厚で圧倒的な吹奏楽の響きに客席からは盛大な拍手が贈られた。
 万雷の拍手に応えて、ご当地群馬県の民謡「八木節」、そしてスーザ作曲「星条旗よ永遠なれ」をアンコールとして演奏し、満場の客席からの鳴り止まない拍手の中、終演を迎えた。

《論陣》
福田内閣で変わる日本政治
注目は日朝などアジア外交
 安倍内閣を継承した福田新内閣で、日本政治は一皮剥けて変わることになろう。忘れられていた自民党再生のための振り子の原理が、ようやく作動したものである。過去に岸内閣から池田内閣、佐藤内閣から田中内閣、田中内閣から三木内閣などが振り子の原理を用いた典型だが、そうして自民党は、危機を乗り越えて政権党足りえてきた。
 それが森―小泉―安倍と3代続けて同一派閥、同一思想による政権交代のもとで、遂に国民の支持を失ってしまった。7月の参院選挙がその明白な証拠といっていい。参院は野党に握られたわけだから、もはや従来のやりたい放題の政権運営は不可能となった。それでも安倍内閣は突っ走ろうとして失速、退陣した。民意には逆らえなかったのである。
 そこで福田内閣の登場である。実を言うと、福田氏が出馬を決断した時点で総理・総裁は決まっていた。総裁選はいわば自民党人気浮揚作戦のためだったともいわれる。そのはずで、森―小泉両氏とも福田氏の実父・赳夫氏のお陰で今日がある。NOとは断じていえない。しかも、福田擁立を水面下で古賀・谷垣両派と津島派の大半が進めていた。晴れて9月26日、福田内閣の発足になったのだが、選挙管理内閣という役割を担っていて前途は厳しい。
 確かに福田氏もまた同一派閥だが、政治スタンスは大きく異なる。どちらかというと、古賀・谷垣両派に近い。
 以前、福田氏は小泉内閣官房長官に就任すると、かつて古賀・谷垣・麻生の3派閥を率いた宮澤喜一元首相に師事した。特に安全保障と経済政策について元首相の意見を参考にしてきている。これには、さらなる伏線もあった。実父・赳夫氏もまた、大蔵省の後輩である宮澤氏の才能に全幅の信頼を寄せており、政権担当時に要職に就けている。親子2代にわたって福田家は宮澤氏と深い関係にあった。さればこそ宮澤後継の加藤紘一、谷垣禎一、古賀誠の各氏らが、福田決起を促していたようだ。
 理由は福田氏のリベラル・自由主義への共感である。福田政治というと、自立と共生である。本人の弁を引用すると「将来の道筋は、日本だけでなく、世界がどうなるかも考えなければならない。たとえば環境問題だ。これは日本だけの問題ではない。世界とは協調していかねばならない」「これからは資源の争奪戦争を起こすことがないように、環境の悪化を食い止めることが政策の大前提である」ということになる。「今までのような大量生産、大量消費の悪循環は、環境破壊につながる。この連鎖を断ち切る。これが改革なのだ」とも指摘している。
 ここでいう環境問題とは、日本だけではない。アメリカ・中国・インドなどを指している。
 共生の中には、拉致問題で緊張が続く日朝関係もはいる。「この問題は私がやる」と公約もしている。これは大変な自信である。小泉―安倍ラインの圧力外交と決別、話し合いを重視することでの決着をめざす、というのだ。インド洋での給油活動についても、だ。参院事情を考えれば、もはや対決型政治は通用しない。
 アジア重視の福田外交である。実父・赳夫氏は全方位外交を主唱して当時、懸案だった日中平和友好条約に調印するという実績を上げている。党内の左右両翼を束ねられるというのが、福田政治の特徴といえよう。このことは民主党にとって、いやな政権の誕生といえるかもしれない。確か、実父の座右の銘は「信無くんば立たず」であったが、息子が見事実践して見せた。この人の退陣時期を就任早々に云々するのは失礼な話だが、間違いなく鮮やかなものになるだろう。

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