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宮崎県総合防災訓練に参加 |
《 43普連》 |
83機関、2600人が連携図る |
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第43普通科連隊(連隊長・普家俊哉1佐=都城)は5月26、27の両日、県北部の延岡市・日向市・門川町の三つの自治体で同時並行的に実施された宮崎県総合防災訓練に参加した。
この訓練は、警察、消防等を含む83機関、地域住民約2600人が参加。第43普通科連隊は、人員100人、オートバイ、軽装甲車、94式除染車等が参加した。また航空自衛隊と海上自衛隊も参加し、統合運用の実効性を検証した。
延岡会場では、総雨量500ミリの雨の中、震度6強の地震が発生し大津波警報が発令、また、日向会場では、林野火災と並行して不審船から上陸した工作員が薬物を散布したとの想定で訓練が実施された。
第43普通科連隊は、災害発生と共に陸自ヘリと空自戦闘機による空中からの情報収集活動、地上からオートバイによる偵察活動を行い、引き続き空自救難ヘリによる水難者救出訓練と並行して、海自のホバークラフト(LCAC)と陸自の協同による孤立住民への物資輸送と救出活動を行い、統合運用を演練した。
一方、国民保護法に基づく訓練では、上陸した武装工作員により薬物が散布されたとの状況で、除染班による検知・除染活動を実施した。
また、初日の26日、門川町では、軽装甲機動車及び人命救助システム器材の展示並びに駐屯地音楽部による音楽演奏を実施した。
今年から宮崎県防災対策推進条例に基づき5月第4日曜日を「宮崎県防災の日」として制定したことに伴い、今回の訓練は例年の防災訓練と国民保護計画による陸・海・空3自衛隊と各自治体・警察・消防との連携訓練の重要性を再認識し、県民の防災・国防意識の向上に意義のある訓練となった。 |
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《論陣》 |
年金格差と5000万件不払い事件 |
あまりにずさんな社保庁 |
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生保や損保の保険金不払い件数が100万件と聞いて仰天した国民は多かったろう。そこへと今度は5000万件という雲をつかむような事件である。
社会保険庁が管理している年金保険料の支払い記録のうち、誰のものか不明な「宙に浮いた年金」が5000万件と政府が公表したものだから、間違いなく事実なのであろう。驚くべき真実だ。
それというのも、いかなる世論調査でも国民が政府に求めている深刻な問題は、何を差し置いても年金である。年金・福祉なのだ。将来に対する不安は、これに尽きるからである。だからこそ日本国民は給与の一部を年金の積み立てを義務として受け止めて、それを果たしてきた。だが、当の役人たちは徹底的に欺いてきたのである。これほどの罪作りな行政など過去に存在しなかったろう。
「解体せよ」は天の声といっていい。だが、名称や組織が変わっても同じ人物が担当するということだと、国民は安心して任せられないだろう。
随分と昔の話だが、大蔵省出身の大平正芳首相が「日本の役人は優秀だよ」と言ったことが思い出される。当時は、素直にうなずいたものであるが、現在の国民は正反対の認識をしている。
問題は他にもある。年金の格差問題である。これも深刻きわまりない。自ら年金生活者となって知るようになったのだが、友人の元公務員はちょくちょく海外旅行を楽しんでいる。むろん、本人の自由であるが、しかしながら理由は公務員年金、すなわち共済年金がべらぼうに高額だからである。
以前、元防衛庁長官の加藤紘一氏が「年金の格差が問題になる」といっていたことが、友人の証言で「なるほど」とうなずいてしまった。加藤氏は外務省出身だから理解していたのだろう。それに国会議員年金というおまけもある。「おかしい」と正直に発言したのだ。国・地方の借金が1000兆円の日本である。借金の割合は、驚くなかれ敗戦時の1945年並みなのだ。
国民年金はというと、これが月4万円とか5万円という。これでは生活保護以下である。厚生年金も大したことはない。筆者などはとても20万円に届かない。かの友人は軽く30万円を超えている。10年ほど前だが、北海道を講演旅行したとき、地元自民党支部役員は「この辺の金持ちは夫婦で教員をしていた家庭だ」といったがピンとこなかった。今は理解できる。
しかし、上には上があるものだ。知り合いの弁護士がすごい事実を打ち明けてくれた。彼の友人は厚生年金と企業年金、早期退職して4年ほど公立大学で勤めた。共済年金が加わった。そうすると、なんと毎月70万円が遊んでいて転がりこんでくる。
高級官僚の天下りや国会議員はどうなのか。これが偽らざる年金格差問題である。格差社会は現役世代だけではないのである。
戦後日本のよさは貧富の差が少なかったことである。そのことで国民は安心と安全を享受できたのである。これは得がたい日本の貴重な財産だろう。犯罪の少ない社会であった。今それに変化が起きている。これは是正すべきではないのか。
日本丸は夕張市以上の深刻な状況下にあることを考慮にいれれば、ここは一つ日本人の智恵でもって格差をなくす必要があろう。それこそが誇れる日本なのだ。 |
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