防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース 防衛ホーム新聞社 防衛ホーム新聞社
   2007年6月1日号
1-2面 3面 5面 6面 7面 8面 9面 10面 12面

企業2社、32名が体験入隊
「挑戦・誠実・献身と団結」図る
《東方衛生隊》
 東部方面衛生隊(隊長・久保田孝雄1陸佐)は、4月11日から13日までの3日間にわたって朝霞駐屯地で、「誇り高き陸上自衛官のキーワードである挑戦・誠実・献身と団結」を要望事項として、これらは社会人にも共通するとの信念の下に隊内生活体験を協力支援した。また、この折りテレビ朝日「スーパーモーニング」の2泊3日にわたる全国放送密着取材に協力した。
 訓練には、企業2社(三菱マテリアルテクノ(株)、(株)ニップラ)から併せて32名(うち女性3)の新社会人が参加した。
 この訓練は、新社会人たちの宿泊場所となる天幕展張から始まり、基本教練、体力測定、障害走コースでの模擬患者の担架搬送及び夜間訓練でAEDを含む心肺蘇生法や止血法などの救急法教育にメンタルヘルス教育も織り交ぜて実施した。訓練での集大成ともいえる障壁・塹壕・鉄条網などの障害走レースを使った模擬患者の担架搬送では、衛生科部隊の気力と体力の一部を伝授された新社会人たちは、「挑戦・誠実・献身と団結」の信念のもと見事なチームワークで困難を乗り越え患者を搬送した。
 なお、今回の取材内容の一部は5月8日のテレビ朝日「スーパーモーニング」内で全国に放送され、「短期間の自衛隊体験入隊で教えられた気概を忘れずに新社会人として活躍していきます」と、力強い決意が紹介された。

8特連でも
 第8特科連隊(連隊長・納冨中1陸佐)は4月24日から27日までの間、「熊本県球磨郡町村会新規採用職員」の隊内生活体験入隊を支援した。この体験入隊は、球磨郡各町村役場の新規採用職員が社会人として必要な規律心、協調性、責任感やリーダーシップを身につけることを目的としており、18歳から26歳までの男性9名、女性5名、計14名が参加した。
 戦闘服に身を包んだ参加者は、基本教練、徒歩行進(背のう装着約9km)、体力測定に加えリペリングを体験するとともに、イラク復興支援活動の体験談を交じえた精神教育を通じて、公的組織の一員としての心構えや今後求められる指導力について学んだ。
 着隊時は緊張により不安げであった参加者も、2大隊隊員による親切かつメリハリのある指導により、訓練が進むにつれ動作にも自信と余裕が感じられるようになった。
 参加者は4日間の隊内生活体験を終え、「働く職場は異なるが、国民、住民に奉仕する等共通点も多く、今後の仕事への良い刺激となった」「自衛隊についての理解や親近感が深まり、これからも関係を維持、強化していきたい」などのコメントを残し駐屯地を後にした。

《論陣》
テレビマンガと子供言葉
問われる制作者倫理
 テレビの影響は圧倒的である。新聞のそれを凌駕している。大学生でも新聞を読んでいないので、彼らは世の中の動きをしっかりと理解していない。一般論として、たとえば集団的自衛権とは何かを問いかけてまともに答えられる学生はほとんどいない。知らないのだ。無論、家庭の主婦にも同じことがいえる。会社員も、だ。多くの世論調査には、本人の全く知らない問題に回答を求めている例も珍しくない。憲法もしかりである。
 だが、大きな事件・事故を人々はテレビでよく見ている。それはそれでいいのだが、子供にはマンガ・動画である。判断能力がないのによく見る。これの影響はただ事ではない。
 先日、小学生になったばかりの孫が遊びに来た。ちょっと見ないうちに子供の成長は早い。驚きのひとつだが、そればかりではない。小さな口から乱暴な言葉が連発してきたのである。これにはうんざりしてしまった。まことにかわいい女の子であるが、生意気な言葉を発する孫に愛情が薄れてしまいそうなのである。原因は家庭なのか。保育園・幼稚園それとも小学校なのか。ずばりテレビである。まだゲーム機をいじる年代ではないのだから、犯人は民放のテレビマンガと断定できる。マンガ・動画を制作している大人に問題があるのである。それら問題の作品を受け入れている民放だ。言論のはき違いを容認する当局と天下り役人にも問題がある。視聴率重視とべらぼうな広告代(CM)との因果関係にも問題があろう。
 最近、テレビマンガを見ることはないのだが、土曜日の昼前のテレビ朝日ニュースを見ようとすると、へんてこな容姿をしたマンガが映る。上品とは裏腹で、生意気な言葉が最初から最後まで使われている。これでは子供言葉に狂いが出て当然だろう。
 日本PTA全国協議会が実施した小学校5年生と中学2年生の保護者らを対象にした「子供とメディアに関する意識調査」によると、見せたくないテレビ番組は「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)、「14歳の母」(日本テレビ系)、「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日系)などだという。筆者には見当がつかないが、おそらく子供に悪影響を与えている悪質番組なのだろう。
 放送は公器である。いい意味で、国民に奉仕するものでなければならない。NHKに限らない。確かに言論の自由を憲法は保障している。民主主義の大原則である。それでも「公共の福祉」に反してはならない。制作者には厳しいモラル・倫理が要求されている。
 判断能力のあるはずの大人たちであれば、つまらない番組と思えばチャンネルを回せば済む。民放のほとんどがつまらない番組だらけだから、過去に「一億総白痴化」と評した評論家がいたが、今はもっとひどい。
 放送は公共物である。国民のものである。こうした当たり前すぎる認識が関係者にないのだろう。捏造事件が関西で発生して国民を驚かせたが、氷山の一角でしかない。他方で政治家に媚する番組が、それこそ全ての放送局に言える。うさんくさい元代議士を登場させている民放も存在する。お上の介入を自ら求めているようなものだ。覚醒せよ、と強くいいたい。

5面へ
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2008 Boueihome Shinbun Inc