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   2005年6月15日号
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<地連 東西南北>
"祭"
<寄稿> 伝統文化を守る
彦根募集事務所長山下圭1海尉
“秀吉”から400余年続く「長浜曳山祭」
厳しい子供稽古
国の無形文化財に選定
今津駐屯地隊員の支援風景
山車の上で行われる「子ども歌舞伎」
 長浜曳山祭は、長浜市宮前町に鎮座する長浜八幡宮の祭礼として、例年4月13日から16日を中心に行なわれ、豪華な曳山の巡行と曳山の舞台で演じられる子ども狂言(歌舞伎)をはじめ、のぼり山、夕渡りなど多彩な行事がくりひろげられます。曳山祭は400余年続いており、織田信長から浅井氏の旧領を与えられた羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の今浜築城の頃に始まるといわれています。
 八幡宮の祭礼の由来書によると、長浜城主の秀吉が、八幡太郎義家(源義家)の後三年の合戦での凱旋の様子にちなんだ「太刀渡り(たちわたり)」を町年寄十人衆(のち長刀組が行なう)に行なわせたことに始まったといい、その後、秀吉が男子誕生の祝いとして長浜の町人に金子を与え、町人達は、その金子を基に曳山を造営し、八幡宮の祭礼に曳いたのが曳山祭のはじまりだと伝えられています。その後、長浜町人が現在に伝わる曳山祭へと発展させていったと言われています。
 曳山には飾り山形式の山車"長刀山"をはじめとして、子ども歌舞伎が行なわれる芸屋台形式の山車12基から構成され、毎年、"長刀山"と12基の山車のうち、4基の山車で祭を彩ります。
 また、この歌舞伎が行なわれる山車に乗り込み見事な狂言を演じる子どもたちは、6〜12歳の子どもたちが中心で、春休みに合わせて3月20日頃から厳しい稽古に入ります。そして、台詞の読み習い、節まわし、立稽古と順を追って習得しています。この稽古は期間中、1日のほとんどを費やすほど厳しいもので、涙を流しながら稽古する姿も日常的だそうです。このような目に見えない努力に基づいて曳山祭は成り立っており、この子ども歌舞伎は国の選択無形文化財に選定されているほどです。
 そして、陰ながら曳山祭を支えているのが自衛隊で、滋賀県高島市に所在する今津駐屯地の隊員約40名が毎年参加し支援しています。山車が町を練り回る際の引き役として一役買っている訳ですが、この引き役も現在では中々見つからず、アルバイトを募っているような状況であり、自衛隊の力が祭の存続に大きく貢献しています。
 私達、滋賀地連(部長・岩渕隆男事務官)彦根事務所でも部隊と曳山役員との調整、及び舞鶴地方総監部募集支援班の協力を得て、14、15日の祭当日に広報を実施しています。今では地元に溶け込み、広報店も盛況で数多くの人が足を止めてくれるようになりました。リピーターも多くなり、「今年はどんな催物をするのですか?」と聞かれる程である。
 これも、その土地の歴史を知り、伝統を守るという一つの行事に関わりを持ち続けたことが、自衛隊を理解してくれる礎になったのだと思います。これからも、この素晴らしい伝統文化を守るために、少しでも役に立てるように協力していき、と同時に自衛隊を多くの方に理解してもらえるように頑張っていきたいと思います。

山梨初の“陸・海合同”広報
玉穂町れんげまつり
 山梨地連(部長・竜嵜哲事務官)は、4月29日「みどりの日」に陸自第1特科隊(隊長・児嶋幹司1陸佐)、海自横須賀地方総監部募集支援班(総監・吉川榮治海将)の支援を得て、玉穂町れんげまつり(山梨県玉穂町)で山梨地連初の「陸・海合同」広報を実施した。
 当日県内は最高気温32、5度と今年初の夏日を記録したが、会場はその暑さに負けないほどの盛況さで、約3万5千人が来場した。自衛隊の展示場所は会場入口からメインステージへ向かう通路を特科隊車輌と募集支援班のブースで挟むように設置し、会場を訪れた人たちの注目を引く絶好の配置となった。現場では第1特科隊車輌2台(指揮通信車・高機動車)と募集支援班のピクルス&パセリのコラボレーションも実現した。
 会場を訪れた人たちは、あまり目にすることのない車輌が間近に見られるとあって興味津々。「中を見られるのですか?」「乗れるのですか?」との問い合わせに答えるべく、車輌を開放すると、たちまちのうちに長蛇の列ができ、隊員は猛暑の中、汗だくになりながらも次々と子供たちを車輌内に担ぎ入れてくれた。また、上部ハッチから体を出して外を眺める子供たちの目の輝きにも負けないほどに親の眼差しが輝いていたのが印象的であった。更に隣にある募集支援班によるKIDS用制服の写真撮影では、わが子の制服姿に「格好いい」「可愛い」などの声が飛び交い、自衛隊の車輌と撮影もできるとの相乗効果もあり、こちらも大人気長蛇の列となった。

「館林まち祭」に高機動車が登場
<群馬>
 群馬地連(部長・大家洋介1陸佐)は、5月22日館林市商工会青年会主催の「館林まち祭」に参加した。
 まつり会場は、市の若い青年会が中心となり企画したもので、会場で一際賑わいを見せたのが、自衛隊をはじめとした警察、消防のコーナー。高機動車の展示では子供たちはもちろん、大人にも大好評。
 また、歓声を上げてちびっ子がピクルス君とパセリちゃんの可愛いキャラクターを興味津々不思議そうに見上げていた。

東音が説明会
<愛知地連>
 愛知地連(部長・土谷貴史1陸佐)は5月10日、地連本部及び愛知県内の大学において海上自衛隊東京音楽隊による説明会を実施した。
 当日、前段は地連本部、後段は愛知県内の大学において受験希望者及び、聴講を希望する学生等が参加し、海上自衛隊東京音楽隊の隊員による音楽隊の活動及び音楽要員の採用についての説明が行われ、参加者は熱心に聞き入っていた。説明に引き続き懇談が行われたが、受験希望者や広報官からも多くの質問があり、東京音楽隊の隊員も質問に対して、ていねいにアドバイスをしていた。
 16年度は愛知県内から海上自衛隊音楽隊への入隊者があり、関心がますます高まるなか、今回の説明会を通じて音楽隊への理解も更に深まり、他の採用種目に比べ採用人数も少なく狭き門ではあるが、17年度採用においても多くの受験者が出ることを期待している。

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