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令和2年度感染症患者受入訓練
新型コロナ流行下を想定 <中央病院> |
11月21日、自衛隊中央病院(上部泰秀病院長=三宿)は、「令和2年度感染症患者受入訓練」を実施した。
本訓練は、新型コロナウイルス感染症流行下における新型インフルエンザに感染した患者の受入れ要領を演練するもので、まさにこれから実際に起こり得る事態を想定したもの。訓練は(1)「患者受入要領」と(2)「各駐屯地業務隊との連携要領」の確立を目的として行われた。特に今回は、新型コロナウイルス感染症流行下で、いかに感染防護を徹底できるかに留意した訓練となり、検査・診察・搬送・治療・看護のあらゆる場面で徹底した感染対策を取った。
患者を収容した感染症病棟は陰圧のため、ウイルスが外部に漏出しない構造になっている。また、病棟へ収容された患者の内、呼吸状態の悪化した患者には、非侵襲的陽圧換気(NPPV)という器具を装着し、呼吸管理の処置がとられた=写真。
上部病院長は訓練終了式で「本訓練を通じ、自衛隊中央病院の感染症対処能力向上のみでなく、三宿駐屯地との連携強化を図る事ができた。防衛医科大学校病院、東京都をはじめとする多数の部内外機関の方々に当院の能力及び取り組みを理解して頂くこともでき、十分な成果を収めたと考える」と総括した。
周知のとおり、自衛隊中央病院は、新型コロナウイルス感染症患者の受入れにおいて医療従事者から一人の感染者も出していない。これは今回のような訓練はもちろん、日頃の防護服着脱訓練のような地道な練成の成果に他ならない。多忙な通常業務の中、参加した全ての人が真摯に訓練に取組む姿勢を見てそう感ぜざるを得なかった。 |
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雪月花 |
またまたトルコ共和国で地震が発生した。10月30日マグニチュード7・4。観光地としても知られているイズミール地方では建物の倒壊も激しく、さらに津波も発生し多くの死者が数えられた。日本や中南米と並び地震多発国のトルコ。1999年には北西部を中心に1万7千人が死亡するという大地震があった。この時には世界各国から救援隊が駆けつけた。日本からも国際緊急援助活動の一環として海上自衛隊が派遣された。任務は、1995年に起きた神戸淡路大地震で使用した仮設住宅が兵庫県では保管されており、まだ数年しかたってなく新品に近かった、さらにその中から傷みの少ない500戸を取り出しこれをトルコの被災地に届けることだった。トルコと日本の親密度は他国とのそれとは比較にならないほどの深さである。1890年9月に起きたトルコ軍艦エルトゥールル号の和歌山県串本沖での沈没事故、艦長以下587人が殉職したが69人は地元の人たちの必死の努力で救助された。さらにこの69人を帝国海軍の艦でトルコに送り届けた。これ以来両国の絆は強いものになり現在も続いている。99年、当時の内閣総理大臣小淵恵三さんは「現地が厳しい冬を迎える前に住居を失った被災者のために仮設住宅を届けること」にした。掃海艦「ぶんご」給油艦「ときわ」輸送艦「おおすみ」が準備命令から6日目にはトルコに向かった。神戸を出港した26日後、イスタンブールのハイデルバシャ港の岸壁には両国の国旗を力いっぱい振り一行を歓迎する小学生の姿に涙ぐむ隊員もいた。取材に同行した筆者の胸も熱くなった。イスタンブールの街では日本からの輸送隊のことは誰もが知っておりどこへ行っても大歓迎、タクシー料金も要らないと言われた隊員は何人もいたほどだった。町で入ったカフェではオーナーが筆者にトルコ紅茶のチャイを賭けて腕相撲を申し込んできた。こちらの3倍もある腕に勝てるわけはないが熱戦?の末筆者が勝った。彼はにこにこしながら喜んでチャイを持ってきてくれ、片八百長であることを承知で取り囲んだ店の従業員たちも拍手をしてくれた。輸送部隊への感謝の気持ちだったようだ。あれから20年になるが仮設住宅を運び込んだアダバザール市の状況は?人の良い陽気な彼らは?トルコのニュースに触れるたびに気掛かりになる。(所谷) |
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コカ・コーラボトラーズジャパン(株)との
大規模災害時における協定締結
<補給統制本部> |
陸上自衛隊補給統制本部(本部長・大塚裕治陸将=十条)は11月19日、「大規模災害時における物資の供給要請に関する協定」を飲料メーカー「コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社」(本社‥東京都港区代表取締役社長‥カリン・ドラガン)と締結した。
「大規模災害時における物資の供給要請に関する協定」は、東日本大震災の災害派遣において、災害派遣部隊への物資の補給にあたり、発災直後の調達上の教訓から、平成24年度以降、派遣部隊等の活動基盤を整えるため、補給統制本部需品部は大手小売企業など17社と締結している。
陸上自衛隊補給統制本部需品部は、今回新たにコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社と協定を結ぶことにより、全国のコカ・コーラボトラー各社に対しても物資の供給協力を要請できるようになる。
今後は訓練等を通じ、締結の内容の実行性を向上させるとともに品目、締結企業数及び対象事態の拡大を図っていく。 |
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防衛基盤整備協会賞贈呈式 |
11月25日、防衛省隣のホテルグランドヒル市ヶ谷で「防衛基盤整備協会賞贈呈式」が今年も開催された。
同賞は、昭和54年より公益財団法人防衛基盤整備協会(理事長・鎌田昭良)が設けており今回で42回目となる。防衛装備品の生産および調達に関連し自主的に民間で行われた研究開発・生産技術の向上などで特に優れた業績を挙げた技術者等を表彰、その努力を賞揚し研究開発等の活動を奨励することを目的とし、今回は(1)「護衛艦用LEDユニットおよび各種LED照明機器の開発」の4社4名、(2)「世界初のリチウムイオン電池システムを搭載した潜水艦の実現」に2社6名、(3)「航空機データバスライン連接技術の開発」に1社3名が表彰された。
贈呈式には武田博史防衛施設庁長官・三島防衛技監をはじめ統幕首席後方補給官、各幕装備計画部長、関係団体及び受賞企業代表者などが出席し厳かに行われた。続く祝賀会では、例年と違い、参加者を減らし密にならないように細やかな気を使いながら行われた。昨年は10件の応募があったが、今年の応募は6件と、ここにもコロナ禍の影響が現れていた。
受賞者は左記の通り
ジャパンマリンユナイテッド株式会社・森尾電機株式会社・株式会社高工社・大石電機工業株式会社 (2)株式会社ジーエス・ユアサ テクノロジー・三菱重工業株式会社 (3)日本飛行機株式会社 |
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岸大臣、仏海軍参謀長と会談
仏国防大臣とはVTCを予定 |
11月30日、岸信夫防衛大臣は、フランス海軍参謀長のピエール・ヴァンディエ海軍大将の表敬を受けた。
会談では、岸大臣がフランスを「『自由で開かれたインド太平洋』というビジョンを共有できる大変特別なパートナーである」と歓迎。近々フロランス・パリル仏国防大臣とVTC(テレビ会談)を行う意向も示した。一方ヴァンディエ大将は、日本側の歓迎に対して謝意を示し、「両国による、インド太平洋地域での協力が前進していることを本日確認できる」と会談への期待感を示した。 |
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防衛ホーム新聞社社員一同 |
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