防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1039号 (2020年11月15日発行)
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うちの子は自衛官
入間市自衛隊家族会会員
小澤 和仁
 私の息子は、都内の基地で働く航空自衛官(1尉)です。昨秋結婚しました。
 息子の嫁さんは、看護師として埼玉県内の大規模病院に勤めています。
 今年の夏にハワイで挙式をする予定で私たち夫婦も参加をとても楽しみにしていました。しかしながら運命は皮肉です。新型コロナ感染症拡大の影響で、ハワイでの挙式はキャンセルとなりました。
 この夏、息子は、ハワイでの挙式にかわり、アフリカのジブチ共和国で活動する海賊対処行動支援隊への人員・支援物資を空輸する任務に参加しました。空中給油・輸送機(KC-767)に同乗して、小牧基地から数か所の経由地を経てジブチ共和国までいってきたようです。現地滞在は短期間だったようですが、アフリカも新型コロナが蔓延しつつあり、感染予防対応のため、日本出発前に2週間の隔離、帰国後も相応の処置を受け、かなりの期間、拘束を余儀なくされたようです。
 一方、息子の嫁さんも、埼玉県内で重症のコロナ患者を受け入れている勤務先の病院で今まさに頑張って働いています。月替りでコロナ患者の診療を担当するということで、私がこの原稿を執筆している現在、病院内のコロナ病棟、すなわち対コロナ医療の最前線で新型コロナウイルスと闘ってくれています。今や、国民の誰もが医療従事者を頼りにしています。
 「頑張って欲しい」と思いますが、反面、決して無理をせず、感染しないよう、しっかりと「自分自身も守ってほしい」と、切に願っています。
 私は6年前に定年退官した元航空自衛官です。退職を機に、自衛隊家族会に入会しました。
 昨年、有志の一人として入間市自衛隊家族会の創設に関わりましたが、今年初頭からのコロナ禍の影響は大きく、現在に至るまで、自衛隊家族会としてのさしたる諸活動ができずに、その点で無力感を感じています。
 コロナ禍のなかにあって、「今、私ができること」は本当に微々たることしかありません。でも、そんな私でも頑張る人に、エールを送ることはできます。
 航空自衛官として、「今できること」を追求し職務に頑張っている息子、民間病院で「コロナ患者を救うため」に懸命に闘っている息子の嫁さん、この息子夫婦2人の今の努力を誇りに思い、彼らの親として、そして自衛隊家族会会員として、更には日本国民として、彼ら2人と、世界中・日本中で今まさに頑張って職責を果たしている、「自衛隊員」、「医療従事者」を、しっかり応援していこうと思います。

機甲科偵察部隊初の女性隊員として
機甲教導連隊偵察隊
2陸士 永島 萌
 昔から誰かのために役立てる職業に憧れていた私は、様々な方法で人助けができる自衛隊に志願しました。
 入隊してから初めの3カ月間は女性ばかりだったので、訓練も体力もそこまで差はありませんでした。しかし、後期教育で男性隊員とともに訓練をするようになると、自分の体力の無さを痛感し、苦労したことが多々ありました。どんなに鍛えても男性隊員には体力で追いつくことができませんでした。逆に足を引っ張ってしまう部分もありました。たとえば、男性隊員が一度で持てる荷物を、私は何回かに分けてしまうため、私の分まで手伝ってもらったり、掩体を掘る際に男性隊員とのスピードの差がついてしまい、私の陣地まで掘ってもらったりと、申し訳ない気持ちと悔しい気持ちでいっぱいになりました。
 何か一つでも勝ちたいと思い、得意の長距離をより頑張るなどと、努力を活かした部分もあります。結果、何人かの男性隊員に勝つことができました。
 機甲科偵察部隊初の女性隊員として、私たちが基準になるかもしれないので、多少のプレッシャーはありますが、後輩たちのために頑張れました。
 後期教育では素晴らしい同期と助教に出会えました。何かあったら相談に乗ってくれて、それをすぐ行動に移してくれる助教の方々、心優しい同期には感謝しています。素晴らしい指導と環境を与えてくれたおかげで、私がその立場になるという目標ができました。
 今後は、立派な女性自衛官になれるよう様々なことにチャレンジし、頑張っていきたいです。

知って得するお金の話
辻 章嗣
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「自分で作る年金iDeCoとは?」(その2)
今回は、「個人型確定拠出年金(通称「iDeCo」)」の利用法と活用例についいて解説します。

4. iDeCoに加入する方法
 iDeCoを利用するためには、加入手続きが必要です。
(1) 運用機関を選定
 運用機関は、証券会社、銀行、保険会社などがありますが、取り扱っている商品の種類、ホームページやコールセンターのサービス及び口座の管理手数料を比較して決めるとよいでしょう。
(2) 掛け金額を決定
 掛け金額は、拠出限度額の範囲内で決めることになりますが、途中で変更することもできますので、無理のない金額で始めるとよいでしょう。
(3) 運用する商品を選択
 運用する商品は、大きく分けて元本確保型の定期預金や保険商品と、投資信託に分類されます。税制優遇の観点からは、投資信託の方が有利ですが、商品の内容と信託報酬などを確認して自分自身の運用方針に合った商品を選ぶようにしてください。
 なお、NPO法人確定拠出年金教育協会がホームページで提供している「iDeCoナビ」を利用して運営機関や商品を比較検討して選ぶと良いでしょう。

5. 年金資産の受取り方
 積み上げた年金原資は、次の三通りの方法で受取ることができます。
(1) 年金として受取る
 60歳以降に5年から20年の確定年金として受取ることができます。この際、公的年金等控除を受けることができます。また、終身年金を取り扱っている運営管理機関もあります。
(2) 一括で受取る
 60歳以降、70歳になるまでに一括して受け取ることができます。この際、退職所得控除を受けることができます。
(3) 一括で受取る
 運営管理機関によっては、(1)と(2)を組み合わせて受け取る方法を選ぶことができます。
 なお、原則60歳から年金資産を受取ることができますが、iDeCoに加入していた期間が10年未満の場合は、受取開始が可能となる年齢が以下のとおり繰下げられますので注意しましょう。
加入期間10年以上 :受取り可能年齢60歳
加入期間8年以上10年未満 :受取り可能年齢61歳
加入期間6年以上8年未満 :受取り可能年齢62歳
加入期間4年以上6年未満 :受取り可能年齢63歳
加入期間2年以上4年未満 :受取り可能年齢64歳
加入期間1月以上2年未満 :受取り可能年齢65歳

6. iDeCoの活用例
 現行規定では、公務員の自衛隊員が積み立てることのできる掛金は月額12,000円ですので、仮に40歳から60歳までの20年間積み立てたとすると掛金の合計額は288万円となります。これが、20歳から60歳までの40年間となるとその倍の576万円となります。
 そして、20年間の掛金288万円が、仮に1%の利回りで運用できたとすると60歳の時点で約319万円の年金原資となります。これが、2%で運用できると約354万円になります。
 次に、20年間の平均年収が500万円であったとすると、所得控除による節税額の合計が約58万円となります。また、平均年収が700万円であったとすれば、その節税額の合計は約86万円となります。
 なお、自衛官が、60歳未満で退官した場合でもiDeCoを継続することができます。そして、2022年4月からは厚生年金の被保険者であることなどの条件を満たせば、加入期間を65歳まで延長することができるようになります。

 20歳以上60歳未満の全ての人が利用できるiDeCoは、税の優遇制度もさることながら、受け取り方法が年金と一時金で選択できるなど、老後資金の準備手段として優れていることを紹介しました。

辻 章嗣
ウィングFP相談室代表
元航空自衛隊パイロット、ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士


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