戦後75年を迎えた8月15日の政府主催「全国戦没者追悼式」。天皇陛下は皇后さまと共にご出席になられました。
しかし、現下の新型コロナウイルス感染拡大のため、参列者は例年(約6000名)の1割以下の約540名、参列遺族は過去最少の約190名に留まりました。
こうした中、常に国民に寄り添おうとされている天皇陛下は、コロナ禍の真っ只中に在る私たち国民に寄せる思いを、自らの「おことば」で語ってくださいました。(筆者抜粋)
「終戦以来七十五年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。」
全国戦没者追悼式での「おことば」の中に、現在の問題を盛り込まれたのは初めてのことです。戸惑いを感じられた方もいるかもしれません。
しかし、いま私たちが直面している新型コロナウイルスによる危機は、先の大戦以来の最大の新しい苦難です。「おことば」は、国民と一緒に共有し、みんなが互いに力を合わせ、心を一つにして戦って行けば、絶対この病に屈することは無い!必ず乗り越えることが出来る!との国民に寄り添う心からの願いと激励が込められていると思います。
今後とも、天皇皇后両陛下が、折に触れ自らのおことばで私たち国民を激励してくださり、語りかけてくださることは、どんなにか嬉しいことでしょう。元気が湧いて参ります。
イギリスでは、エリザベス女王も自らのおことばで国民に語っています。
「これからもっと耐え忍ばなければならないことがあるとしても、より良い日が戻ってくることを、心の支えにしましょう。
お友達にも、また会えます。ご家族にも、また会えます。私たちは、また会えるのです。」(2020年4月5日)
「私たちの町は空っぽではなく、お互いに対する愛情と思いやりに溢れています。決してあきらめないで。決して絶望しないで。」(2020年5月8日第2次大戦欧州戦勝記念日)
いまだ先が見えないコロナ疲れ。連日の炎暑による熱中症の恐怖。まだまだ続きます。
全ての隊員の皆さん、ご家族そして読者の皆さんには、くれぐれも用心に用心を重ね、頑張って参りましょう!
8月15日付け本紙の一番最後のページ。
「オッ」と多くの読者の皆さんが釘付けになったのではないででしょうか。「雪月花」。そうです、本紙の看板コーナーが元気に帰って来たのです。やはりビシッと引き締まります。
コーナー名は、唐の詩人白居易の「雪月花時最憶君」(雪月花の時、最も君を憶う)に由来し、筆者の所谷尚武氏が思いを込めて命名された経緯があります。
生涯物書き&どこまでもペンと共に生きる人間ジャーナリスト所谷尚武氏。
四季折々に発する同氏のことばは、多くの読者の皆さんの心を揺さぶり琴線に触れることでしょう。
北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事 |