防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1034号 (2020年9月1日発行)
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ノーサイド
北原巖男
ことばの力

 戦後75年を迎えた8月15日の政府主催「全国戦没者追悼式」。天皇陛下は皇后さまと共にご出席になられました。
 しかし、現下の新型コロナウイルス感染拡大のため、参列者は例年(約6000名)の1割以下の約540名、参列遺族は過去最少の約190名に留まりました。
 こうした中、常に国民に寄り添おうとされている天皇陛下は、コロナ禍の真っ只中に在る私たち国民に寄せる思いを、自らの「おことば」で語ってくださいました。(筆者抜粋)
 「終戦以来七十五年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
 私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。」
 全国戦没者追悼式での「おことば」の中に、現在の問題を盛り込まれたのは初めてのことです。戸惑いを感じられた方もいるかもしれません。
 しかし、いま私たちが直面している新型コロナウイルスによる危機は、先の大戦以来の最大の新しい苦難です。「おことば」は、国民と一緒に共有し、みんなが互いに力を合わせ、心を一つにして戦って行けば、絶対この病に屈することは無い!必ず乗り越えることが出来る!との国民に寄り添う心からの願いと激励が込められていると思います。
 今後とも、天皇皇后両陛下が、折に触れ自らのおことばで私たち国民を激励してくださり、語りかけてくださることは、どんなにか嬉しいことでしょう。元気が湧いて参ります。
 イギリスでは、エリザベス女王も自らのおことばで国民に語っています。
 「これからもっと耐え忍ばなければならないことがあるとしても、より良い日が戻ってくることを、心の支えにしましょう。
 お友達にも、また会えます。ご家族にも、また会えます。私たちは、また会えるのです。」(2020年4月5日)
 「私たちの町は空っぽではなく、お互いに対する愛情と思いやりに溢れています。決してあきらめないで。決して絶望しないで。」(2020年5月8日第2次大戦欧州戦勝記念日)
 いまだ先が見えないコロナ疲れ。連日の炎暑による熱中症の恐怖。まだまだ続きます。
 全ての隊員の皆さん、ご家族そして読者の皆さんには、くれぐれも用心に用心を重ね、頑張って参りましょう!
 8月15日付け本紙の一番最後のページ。
 「オッ」と多くの読者の皆さんが釘付けになったのではないででしょうか。「雪月花」。そうです、本紙の看板コーナーが元気に帰って来たのです。やはりビシッと引き締まります。
 コーナー名は、唐の詩人白居易の「雪月花時最憶君」(雪月花の時、最も君を憶う)に由来し、筆者の所谷尚武氏が思いを込めて命名された経緯があります。
 生涯物書き&どこまでもペンと共に生きる人間ジャーナリスト所谷尚武氏。
 四季折々に発する同氏のことばは、多くの読者の皆さんの心を揺さぶり琴線に触れることでしょう。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


音楽で繋がろう

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陸上自衛隊中央音楽隊
米海兵隊軍楽隊とリモート演奏
 この度、米海兵隊軍楽隊と陸上自衛隊中央音楽隊との「リモート演奏」が実現した。全世界に猛威を振るっている新型コロナウイルスに対して、人々に立ち向かう元気や勇気を音楽で与えるのが狙い。共演する米海兵隊軍楽隊は、220年の歴史と伝統を誇る多数の米海兵隊軍楽隊の中でも大統領直属の特別な軍楽隊で「ザ・プレジデンツ・オウン」とも呼ばれる。昨年初来日して大いに話題を呼んだ。
 演奏曲目はアメリカの誇る世界のマーチ王J.Pスーサ作曲の「海を越える握手」。この曲は、国際的な友情を称えた行進曲として海外親善の場面でしばしば演奏されるもの。
 収録は5月8日から中央音楽隊の隊舎内で行われた。あらかじめ送られてきた海兵隊のサンプル音源に合わせ奏者一人ずつ収録していった。個別に収録したデータは米海兵隊によって編集され、8月4日、YouTubeで全世界に向け配信された。
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ニコニコネット超会議2020夏に参加
 陸上自衛隊中央音楽隊は「ニコニコネット超会議2020夏」に出演し青少年に対する広報活動を実施した。
 平成27、28年、30年のニコニコ超会議に引き続き今回で通算4回目の参加となる。
 今回は新型コロナウイルスの影響により、中央音楽隊大演奏室及び音楽広場にて事前に収録したものを、8月12日に配信することとなった。
 事前収録ではフェイスガードの使用やアクリル板の設置等の感染予防策を講じ、丸1日の収録とした。特に音楽広場での収録は気温30度を超える炎天下の中でダンスを含む撮影となったが体調不良者を出すことなく無事に撮影を終了。
 8月12日の配信当日は中央音楽隊長樋口孝博1等陸佐、「みのりん」の愛称で親しまれる永嶋美礼3等陸曹、中央音楽隊ボーカリストの松永美智子3等陸曹の3名が番組に生出演し、司会の星野卓也氏と軽快なトークを交えつつ進行、演奏が放送されると配信画面には多数のコメントが寄せられ大いに盛り上がりを見せた。
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航空中央音楽隊
 航空中央音楽隊(隊長・松井徹生2空佐=立川)は、8月6日から動画サイトYouTubeで「リモート木管5重奏アンサンブル演奏 マイナスワン動画〜木管5重奏編」を公開している。この動画は、5重奏からあえてひとりを抜いた演奏を公開することで、視聴者が5人目の奏者となって木管5重奏アンサンブルが疑似体験できるという航空中央音楽隊オリジナル企画だ。
 演奏曲はJ・ハイドン作曲の「ディヴェルティメントより第1楽章」。約22分の動画の中で、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのうちひとつを抜いた演奏が行われる。隊員による演奏ポイントのアドバイス付きだ。また演奏中は音楽隊の活動記録がスライドで流れるので、楽器を演奏しない人も楽しめる。航空中央音楽隊ホームページでは楽譜も公開中だ。
 オーボエ奏者の長谷川3空曹は、新型コロナウイルスの影響によりコンサートができな状況を踏まえ「こんな時だからこそみなさんと一緒に音楽をする機会がつくれないかと思い木管5重奏の動画を作成いたしました」と動画冒頭で挨拶している。実際に音楽隊と触れ合う機会が難しい今、音楽隊と市民・志願者を繋ぐ動画をぜひご覧頂きたい。
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陸上自衛隊西部方面音楽隊
 陸上自衛隊西部方面音楽隊(隊長・志賀亨2陸佐=健軍)は、7月30日、熊本県球磨郡山江村役場において、令和2年7月豪雨に伴う災害派遣に係る慰問演奏を実施した。
 本慰問演奏は、平成3年風倒木被害に係る災害派遣、平成28年熊本地震に係る災害派遣に続き3回目の慰問演奏であり、「パプリカ」、「美空ひばりメドレー」のほか6曲の演奏を実施し、新型コロナウイルス感染拡大防止の処置(フェイスガードの装着、三密の防止等)を図りつつ、被災された方々を元気にする演奏の実施に努めた。
 西部方面音楽隊長の志賀2陸佐は、「今後、山江村において二度と災害が発生しないことを祈念するとともに、慰問演奏を通じて被災された方々の心に響く演奏を心掛けたい」と述べた。

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