防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1024号 (2020年4月1日発行)
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全国の基地から
航空自衛隊
(司令名等は当時のものです)

真冬の重い波を想定 冬季水上保命訓練
千歳
 3月12日、第2航空団(司令・徳重広為智空将補)と千歳救難隊(隊長・西村直樹2空佐)は、千歳川において操縦者冬季水上保命訓練を行った。
 この訓練は、毎年、夏は支笏湖、冬は千歳川で実施しており、冬季訓練は今年で41回目。操縦者(戦闘機パイロット)に対し漂流訓練を体験させることで、水上保命能力の向上を図っている。
 例年、真冬の海への不時着水を想定して行い、操縦者15名と指導する救難隊員などの支援部隊を合わせ約60名が参加。雪解け水の影響で水温は4度と厳しい環境下での訓練となった。
 訓練では、痺れるような冷水が激しく流れる中、操縦者に救難隊員3名が容赦なく川の水を浴びせ続け、やっと浮舟に乗り込み覆いを閉め、漂流を開始したのも束の間、浮舟を大きく揺らしたり転覆させたりと、起こりうる自然環境を現示。操縦者は保命の難しさと厳しさを思い知った。
 30分の漂流に耐えた操縦者は「生きて帰る気持ちを強く持つ大切さを実感した」と震える手を抑えながら話した。

監視対処班新設しPITS3運用
横田
 航空自衛隊作戦システム運用隊(隊司令・荒木俊一1空佐=横田)は、3月1日に通信電子隊に新たに監視対処班を新設し、作戦システムセキュリティ監視装置(以後、PITS3(Platform Information Technology Security Surveillance Systemの略。「ピッツ」と呼称)の運用を開始した。
 PITS3は、作戦系システムのセキュリティを監視するシステムであり、最新のサイバーセキュリティ動向を踏まえ、検知情報の高度な分析を実現する装置である。24時間態勢で通信ネットワークを監視することで、脅威が高まっているサイバー空間における監視対処能力の一層の向上が期待できる。PITS3火入れ式にあたり荒木司令は、「PITS3の導入に伴い、サイバー防護の最前線に立ったといえる。我々がやらねばならない。我々にしかできないと強固な自覚をもって、サイバー戦の識能の向上に努め運用に万全を期せ」と訓示した。また、来賓の航空総隊司令部防衛部通信電子課長(諏訪昇男1空佐)は「サイバー攻撃等に適切に対処し、作戦システムの安定運用を確保することは極めて重要である。PITS3運用のパイオニアであるとの自負をもってPITS3を育てよ」と式辞した。
 班の新設に対して班員からは、「サイバー攻撃はいつどこからどのような攻撃を受けるかわからないので、日頃から最新のトレンドを把握し、常に自学研鑽をした上で勤務する必要がある」と意気込みを語っていた。

市消防と火災対応の協定に調印
御前崎
 2月17日、御前崎市役所において御前崎分屯基地(司令・松本安弘2空佐)と市消防との火災対応に関する協定調印式が行われた。これにより基地近傍火災における出動範囲が明確化され、現場において迅速かつ円滑な消化活動が期待される。
 調印後、御前崎市長は今後、更なる地域及び行政との相互連携を密にした行動を期待する旨を述べ、式は終了した。

丹後こども園 基地見学
経ヶ岬
 1月29日、基地見学として、丹後こども園の園児と先生83名が来基し、隊員と相撲大会やパプリカダンス等を通じて楽しい交流を図った。
 隊員が、園児から元気をもらうとともに「育てる広報」として自衛隊をPRすることができた。
 交流した園児たちと、将来一緒に勤務できることが楽しみである。

ふれあいコンサートin神埼
背振山

 1月19日、佐賀県神埼市千代田町はんぎーホールにて「2020ふれあいコンサートin神埼」が行われた。コンサートは、神埼市防衛協会、吉野ヶ里町防衛協会及び背振山分屯基地が共催し、西部航空音楽隊と地元佐賀県立神埼高等学校吹奏楽部によるもので、約400名の多くの地域住民が来場し盛り上がった。
 コンサートは、音楽隊単独の第1部と、音楽隊と吹奏楽部の合同演奏の第2部で行われ、観客は、第1部では音楽隊の美しいハーモニーに魅了されるとともに、迫力ある演奏に酔いしれていた。第2部では、音楽隊と吹奏楽部の合同演奏による「ウィー・アー!」では、ステージと観客が一つになり、会場全体が大いに盛り上がった。最後は観客のアンコールに応え、「空の精鋭」を演奏し、拍手に包まれながら演奏会を締めくくった。

 「ふれあいコンサートin神埼」は来年度も計画されています。みなさんも是非一度足を運ばれ、素敵な演奏をご鑑賞ください。


航空管制、航空気象講座
浜松
 航空自衛隊浜松広報館は、2月23日に、「航空管制、航空気象講座」を実施した。午前の部・午後の部を実施し、事前予約を含め、当日はほぼ満席となり、大人から子どもまでの幅広い年代の方が受講した。
 両講座とも、わかりやすい説明で子どもも大人も説明に熱心に聞き入っていた。また、参加者からは事前質問も含め、いろいろな質問があり、説明隊員たちは丁寧に答えており好評のうちに終了した。
 当日は、講座にあわせて静岡地本からも募集ブースを設置して隊員募集を行いました。地本が用意したグッズなどが不足するほどの盛況で隊員募集の一助となった。
※なお、浜松広報館は、新型コロナウイルスの拡散防止のため、2月28日から3月31日まで閉館となっております。4月1日以降につきましては、別途お知らせいたします。

隊員紹介 松浦3空曹
松島
 松島救難隊(隊長・平山士2空佐)の松浦星良 3空曹を紹介します。
 松浦3空曹は、U-125A初の女性機上無線員として令和元年10月にORとなり、日夜飛行訓練等に励んでおります。
 通信員時代とは打って変わり、搭乗員としての各種業務に戸惑いを感じながらも日々成長し続け、レスキューファミリーの一員として重宝な存在になりつつあります。
 見た目は小柄で大人しい彼女ですが、好奇心が旺盛で活発な面もあり、特に小集団活動では、周囲からの誘いを一切断ることなく、駅伝、登山、太鼓、麻雀、県人会、キャンプ、ゲーム、サバゲーと積極的に参加し、今では紅一点的な存在となり、常に新しい風を吹き込もうとするマスコットガールになっています。
 そんな彼女に、今後益々の活躍を期待すると同時に、暖かく見守っていく所存です。救友読者の皆様も彼女を見かけた際は、お気軽にお声がけください。

地域との絆 基地内に松を植樹
芦屋
 「白砂青松」、芦屋基地(司令・加藤康博空将補)には日本海・響灘に沿った美しい松林がある。その歴史は古く、江戸時代初期にまでさかのぼる。1655年頃、筑前国を治めていた黒田長政の指示により約25年の歳月をかけ、農地保全のために植樹したものと言われる。岡垣町から芦屋町にかけて、長さが12kmに及ぶことから「三里松原」と称され地元の人々に愛されてきた。
 2月28日、芦屋基地は、その三里松原の景観維持と松枯れ対策に努めるとともに、長年、松を大切に保護してきた地元の方々の思いを隊員も共有するため、基地内において松の植樹を行った。
 本活動は、平成23年から毎年行われており、地元の人々に参加してもらい、隊員と共に植樹を行ってきたが、今回は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、隊員のみで植樹することとなった。
 約1週間前から植樹場所の準備を始め、天候に悩まされながらも、3術校業務部施設課の隊員を中心とした所在部隊隊員を含め延べ約200人の隊員が植樹場所の整備や土壌作りを行った。
 植樹当日には基地司令以下50名が参加し、約1500本の松を、松を愛する地元の人々の気持ちも込めて1本1本丁寧に植樹した。
 この松植樹を通じて芦屋基地は、今後も地元の人々に愛されている松の育成に努めることにより、地域との絆をより強めていくよう気持ちを新たにした。
 来年はまた地元の人々と共に松の植樹が行えるように願っている。

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