1011号 (2019年9月15日発行)

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令和元年8月の前線に伴う大雨に係る災害派遣 佐賀県大町町が冠水被害　生活支援継続中 油流出対応10日に終了

8月28日、活発な前線の影響により九州北部は記録的な大雨に見舞われた。とりわけ佐賀県大町町では、有明海に注ぐ一級河川の六角川が氾濫、田畑や家屋が浸水する等甚大な被害をもたらした。加えて「佐賀鉄工所大町工場」から流出したとされる大量の工業用油が復旧を困難なものとした。 　8月28日午前8時4分、陸上自衛隊西部方面混成団長は、佐賀県知事より航空機による情報収集及び人命救助等に係る災害派遣要請を受け、昼夜問わず懸命な活動を行った。9月13日現在も入浴支援、給食支援等の生活支援と情報収集は継続中だ。油流出対応は、航空自衛隊美保基地のC-2輸送機や車両等が運んだ油吸着マット(約28万枚)の設置と回収、オイルフェンスの設置等を行った。10日の最終確認を経て、応急対策としての油除去作業を終了した。 【活動内容(9月12日現在)】 ■鉄工所の油流出対応(8月28日〜9月10日)。 ■生活支援(8月30日〜) ・入浴支援約2000名 ・給食支援約3200食 ・給水支援約120リットル(8月29日) ■廃棄物の集積支援(8月30日〜9月6日、8日) ■防疫支援(9月3日〜6日)。幹線道路等約30kmにわたり実施。 ■物資輸送(8月28日、9月2日、9日)食料・水、エアコン、介護用ベッド等を輸送 ■病院支援(8月28日〜30日)大町町の病院周辺に土壌を設置。スタッフや食料等を輸送。 ■人命救助(8月28日、29日)孤立者約150名を救助。 ■音楽隊による演奏(9月5日、6日、9日)避難所にて慰問演奏。 【活動部隊】 ●陸上自衛隊 西部方面特科連隊第4大隊(久留米)、第4通信大隊(福岡)、第4偵察戦闘大隊(福岡)、第4高射特科大隊(久留米)、第4後方支援連隊(福岡)、西部方面混成団(久留米)、第4飛行隊(目達原)、九州補給処(目達原)、第4師団司令部(福岡)、第16普通科連隊(大村)、第41普通科連隊(別府)、西部方面ヘリコプター隊(目達原)、西部方面システム通信群(健軍)、西部方面後方支援隊(目達原)、第4施設大隊(大村)、第8後方支援連隊(北熊本)、第4特殊武器防護隊(福岡)、第8特殊武器防護隊(北熊本)、第4音楽隊(福岡)、東部方面後方支援隊(朝霞)、第1後方支援連隊(練馬)、第13後方支援隊(海田市)、第14後方支援隊(善通寺)、自衛隊長崎地方協力本部、自衛隊佐賀地方協力本部 ●海上自衛隊 佐世保地方総監部(佐世保)、佐世保基地業務隊(佐世保)、佐世保警備隊(佐世保)、佐世保造修補給所(佐世保)、佐世保弾薬整備補給所(佐世保)、佐世保音楽隊(佐世保)、佐世保教育隊(佐世保) ●航空自衛隊 新田原救難隊(新田原)、西部航空方面隊司令部(春日)、第5航空団(新田原)、第8航空団(築城)、第2高射群(春日、高良台、芦屋、築城)、航空支援集団司令部(府中)、第1輸送航空隊(小牧)、第2輸送航空隊(入間)、第3輸送航空隊(美保)、航空総隊司令部(横田)、西部航空警戒管制団(春日)、西部航空音楽隊(春日)、西部航空方面隊司令部支援飛行隊(春日)、西部航空施設隊(芦屋)、中部航空警戒管制団(入間)、第2補給処(岐阜)

RDEC帰国報告 ウガンダ軍工兵に重機操作訓練

9月4日、国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト(アフリカ)=RDEC=の一環としてケニア共和国に派遣されていた教官団が、湯浅悟郎陸上幕僚長に帰国報告を実施した。 　教官団は団長の宮本健2陸佐以下、第9施設群(小郡)を基幹とした23名の陸上自衛官とPKO事務局の1名。6月3日から8月23日の間、ケニア共和国において、ウガンダ国軍の工兵要員35名に対する中型ドーザーなど5種の重機操作訓練を実施した。 　教官団とウガンダ工兵は良好な関係を築いた。互いに日本語とスワヒリ語を自主的に覚えたという。訓練の合間には文化交流も行った。「ティータイム」には学生たちに日本の味噌汁を食してもらった。2カ月半の訓練は知識・技術の習得だけではなく「友情」を芽生えさせ、閉講式には互いに涙を流した。 　湯浅陸幕長は教官団に労いの言葉をかけるとともに「教官団の活躍が国連の中枢部に情報として入り、日本の評価を高めている。素晴らしい活動をしてくれている」と賛辞を贈った。 　国連PKOに参加予定の各国工兵要員が、早期に展開できるように事前に訓練を行うこの活動も今回で9回目(試行訓練、アジア含む)。現在も第12施設群(岩見沢)を基幹とする教官団23名(PKO事務局1名含む)が、ウガンダ共和国において同様の活動を実施中だ。活動期間は8月26日から11月15日まで。

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