令和元年7月、第7航空団管理隊(百里)の警備犬キュー号(牡)が胃捻転のため死亡した。享年9歳(人間だと50歳相当)であった。
平成24年2月に中警団管理隊(入間)に配置されたキュー号は、ハンドラーと呼ばれる警備犬のトレーナーの隊員とともに厳しい訓練を重ね、難関の国際救助犬認定試験に3回目で合格、空自初の国際救助犬となり、後に続く後輩国際救助犬の先駆けとなった。
キュー号は、ハンドラーの異動に伴って、平成28年10月からは7空団管理隊に配置され、引き続き日々厳しい訓練を重ねていった。国際救助犬としての真価を発揮したのは、平成30年7月の西日本豪雨災害の現場において、空自の警備犬として初めて災害派遣活動に従事するとともに、同年9月の北海道胆振東部地震の現場においても昼夜問わず活動に従事した。キュー号は先天的に肌が弱い体質であったものの、過酷な環境下においても懸命に行方不明者捜索を行った。この活動によりキュー号には防衛大臣から褒賞状及びご褒美が授与された。その後も災害派遣が予期される大規模災害時においては、いつでも出動できる態勢を整えていた。
キュー号のハンドラーとして、苦楽をともにしてきた7空団管理隊の竹山空曹長は「手探り状態から初めて試験に臨み、訓練を重ねてようやく国際救助犬認定試験に合格したことも懐かしい思い出ですが、一番記憶に残っていることは、昨年の西日本豪雨災害の災害派遣活動に一緒に従事したことです。気温が35℃を超える厳しい環境の中でも諦めることなく、行方不明となった方々を懸命に捜索してくれたキュー号の姿に私自身が勇気づけられました。心から感謝しています」と述べた。
キュー号、本当にありがとう。安らかに。 |