保育士協力の有効性検証
朝霞駐屯地業務隊は3月18日に業務隊長室において、庁内託児所「Jキッズガーデン朝霞」を今年度から委託運営している「社会福祉法人桑の実会(理事長・桑原哲也氏)(以下、「桑の実会」という。)」と、緊急登庁支援への協力に関する協定を締結した。
この協定は、大規模災害時の緊急登庁支援として業務隊、中央音楽隊及び東部方面音楽隊で開設・運営する「子供の面倒を見る施設」に、保育のプロである桑の実会から無償で保育士が派遣され、より安全確実な運営を行うことを目的としているもので、東部方面隊管内では初の試みとなる。
また、協定締結に先立ち、3月13日に、子供の面倒を見る施設開設訓練を、14日に同運営訓練を実施し、業務隊、中央音楽隊及び東部方面音楽隊合同の支援要員22名により15名の子供を実際に預かり実行力向上を図るとともに、桑の実会から保育士4名の派遣協力を得て協定内容の検証を行った。
運営訓練では、まず桑の実会から施設の安全管理及び面倒見のコツに関して、「広い視野で子供を見守る」、「テレビは、暴れだした時の最終兵器として温存しておく」等、保育の現場に根付いた貴重なアドバイスがおくられた。
その後、子供の受入を開始したが、慣れない場所というのもあるのか、親と離れたくないと大泣きする子供もおり、当初、支援隊員は苦慮していた。
しかし、桑の実会の保育士が遊具でなだめると、みるみるうちに泣き止み楽しそうに遊びはじめ、さすがのプロのテクニックに隊員からは感嘆の声が漏れた。
訓練の途中では、朝霞駐屯地司令の視察を受け、興味を持った子供が司令に駆け寄り、笑顔につつまれる一幕もあった。
また子供を登録している隊員等に対して説明会及び訓練状況の見学会を実施し、施策の理解促進を図った。
見学会では、親を見つけた子供が手を振ったり駆け寄ったりするなど和やかな雰囲気となった。
最後に、親による引き取りを実施し、子供は支援隊員に手を振りながら施設を後にし、無事に運営訓練は終了した。
本訓練を通じて、支援隊員の練成及びプロの保育士による協力の有効性が検証できたとともに、子供からは「音楽隊の人が歌を歌ってくれて楽しかった」、「お兄さんが遊んでくれて楽しかった」、預けた隊員からは「安心して預けることが出来ると感じた」等の感想が聞かれ、非常に実りある訓練となった。
担任した朝霞駐屯地業務隊厚生科長は、「現在、子供を預かる所要が約180名あり、そのうちの約30名が1〜2歳児のため、保育士による協力を得られることは何よりも心強く感じている。今後は、本協定を有効活用し、更なる施策の充実発展を図るとともに、定期的に訓練を実施し、更なる強固な支援態勢を確立していきたい」と述べた。 |