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自衛隊ニュース   1001号 (2019年4月15日発行)
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教育訓練研究本部セミナー
初開催に850名が参加
 3月14日、埼玉県和光市のサンゼリアで、教育訓練研究本部セミナーが開催された。教育訓練研究本部(本部長・岩谷要陸将=目黒)からの情報発信を主体としたセミナーは初めての試みで、部内外機関等との間で意見交換を行い、教育、研究開発、教訓・訓練評価に係る検討に資するとともに、部内外機関等との連携強化を図ることを目的としている。
 陸幕副長・小野塚貴之陸将、防衛部長・森下泰臣陸将補、人事教育部長・富樫勇一陸将補、運支・訓部長・末吉洋明陸将補、防衛装備庁からはプロジェクト管理総括官・鵜居正行陸将補などを来賓とし、陸海空の学校や研究所、大学やシンクタンクなどの団体が参加、参加人数は約850名を数えた。
 岩谷本部長は「陸上自衛隊のシンクタンクとして誕生した教育訓練研究本部には、『改革のエンジン』としての役割が期待されているものと認識しています」などと挨拶した。教育訓練研究本部としては、セミナー等今後もこのような形での情報発信と、これを受けて後日行う参加者等からの提案受けの形などの実施をしていきたいとしている。

緊急登庁支援への協力に関する協定締結、同施設開設・運営訓練
<朝霞駐屯地業務隊>

保育士協力の有効性検証

 朝霞駐屯地業務隊は3月18日に業務隊長室において、庁内託児所「Jキッズガーデン朝霞」を今年度から委託運営している「社会福祉法人桑の実会(理事長・桑原哲也氏)(以下、「桑の実会」という。)」と、緊急登庁支援への協力に関する協定を締結した。
 この協定は、大規模災害時の緊急登庁支援として業務隊、中央音楽隊及び東部方面音楽隊で開設・運営する「子供の面倒を見る施設」に、保育のプロである桑の実会から無償で保育士が派遣され、より安全確実な運営を行うことを目的としているもので、東部方面隊管内では初の試みとなる。
 また、協定締結に先立ち、3月13日に、子供の面倒を見る施設開設訓練を、14日に同運営訓練を実施し、業務隊、中央音楽隊及び東部方面音楽隊合同の支援要員22名により15名の子供を実際に預かり実行力向上を図るとともに、桑の実会から保育士4名の派遣協力を得て協定内容の検証を行った。
 運営訓練では、まず桑の実会から施設の安全管理及び面倒見のコツに関して、「広い視野で子供を見守る」、「テレビは、暴れだした時の最終兵器として温存しておく」等、保育の現場に根付いた貴重なアドバイスがおくられた。
 その後、子供の受入を開始したが、慣れない場所というのもあるのか、親と離れたくないと大泣きする子供もおり、当初、支援隊員は苦慮していた。
 しかし、桑の実会の保育士が遊具でなだめると、みるみるうちに泣き止み楽しそうに遊びはじめ、さすがのプロのテクニックに隊員からは感嘆の声が漏れた。
 訓練の途中では、朝霞駐屯地司令の視察を受け、興味を持った子供が司令に駆け寄り、笑顔につつまれる一幕もあった。
 また子供を登録している隊員等に対して説明会及び訓練状況の見学会を実施し、施策の理解促進を図った。
 見学会では、親を見つけた子供が手を振ったり駆け寄ったりするなど和やかな雰囲気となった。
 最後に、親による引き取りを実施し、子供は支援隊員に手を振りながら施設を後にし、無事に運営訓練は終了した。
 本訓練を通じて、支援隊員の練成及びプロの保育士による協力の有効性が検証できたとともに、子供からは「音楽隊の人が歌を歌ってくれて楽しかった」、「お兄さんが遊んでくれて楽しかった」、預けた隊員からは「安心して預けることが出来ると感じた」等の感想が聞かれ、非常に実りある訓練となった。
 担任した朝霞駐屯地業務隊厚生科長は、「現在、子供を預かる所要が約180名あり、そのうちの約30名が1〜2歳児のため、保育士による協力を得られることは何よりも心強く感じている。今後は、本協定を有効活用し、更なる施策の充実発展を図るとともに、定期的に訓練を実施し、更なる強固な支援態勢を確立していきたい」と述べた。


船社等3機関と「相互協力に関する覚書」締結
<15旅団>

 3月8日、陸上自衛隊第15旅団(旅団長・原田智総陸将補=那覇)は、沖縄旅客船協会、南西海運株式会社及び崎原海運有限会社と「相互協力に関する覚書」を締結した。
 本覚書の締結に至った背景として、沖縄県内で災害を含む緊急事態が発生した場合においては、第15旅団は諸活動のために部隊展開等をする。しかし、沖縄本島以外の離島に展開する場合には、その輸送手段は第15旅団が保有するヘリコプターに限定されるため、迅速、かつ、円滑な部隊展開に支障をきたすおそれがあるとの問題認識から、その改善を図るために、船社等の3機関から理解を受け、本覚書を締結した。
 具体的な船社等3機関からの協力内容としては、「第15旅団への定期的な輸送情報の提供」及び「第15旅団の展開等に対する優先的な輸送力の提供」である。
 同年3月8日の締結式においては、第15旅団長からは「沖縄県には47の有人離島があり、災害派遣等の緊急事態において、迅速なアクセスは極めて重要である。4者間で情報の共有を行うとともに、相互に協力できることは、県民の安心安全を守るためにも非常に重要である」と述べ、覚書締結の意義を強調した。
 また、沖縄旅客船協会の会長は「第15旅団が実施する災害派遣活動等に対して、最大限協力することが結果的に県民の生命と財産を守ると認識している。今後は、沖縄県内における災害等で任務を遂行する第15旅団の活動を支えられるよう、より一層の努力をしていく所存である」とのコメントをした。
 今後は、本覚書に基づく訓練等を通じて、災害等の各種事態発生時における対処能力等の更なる向上を図る所存である。

※役職・階級等は実施当時のものです


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