10月18日、自衛隊中央病院(病院長・上部泰秀防衛技官)は「平成30年度感染症患者受入訓練」を実施した。昨年4月に都内で4つ目の第一種感染症指定医療機関に指定されてから2回目の実施となる今回は、「新型インフルエンザ患者受入訓練」とエボラ出血熱疑いを想定した「一類感染症患者受入訓練」を実施。一類感染症患者マニュアルに基づいた院内連絡検証、院内運営変更に関する指揮幕僚活動、診察・検査・看護等を演練した。
訓練には中央病院から66人が参加、また会議室では東京都、関係省庁、医療機関、保険所等の職員ら約90名が、ライブ中継で訓練状況を視察した。
【新型インフルエンザ患者受入訓練】
想定では、新型インフルエンザ感染患者が発生との報道があるA国から帰国した発熱患者が、救急外来で来院。受付が患者を救急室へ誘導、診察室(陰圧室)での患者問診・診察・検査、車イスアイソレータでの感染症病床への移動・申送り、病床での処置等を演練した。
【一類感染症患者受入訓練】
世田谷保健所からの要請で、エボラ出血熱感染疑い患者(アイソレータ収容)の受入れ、ストレッチャーの移し替え、感染症病床への収容・申送り、バイタル・点滴等の処置、ポータブルレントゲン撮影等を演練した。
訓練では、感染疑い患者と他の患者が接触しない動線、外部への暴露を防止するためのソフトアイソレータ収容による移動、病室の陰圧式二重扉、医療装置の養生等、感染症対策ならではの細心の取組みを見ることができた。また、訓練中に実患者の搬送があったが、整斉と対処できていた。
事後の意見交換会で演習部隊長・阿部信次郎2陸佐(第1内科)は「概ねスムーズにできた。本番に向けて、詳細な部分も想定した訓練を何度も行うことが重要だ」と総括した。上部病院長は「情報共有の場としても非常に有効だった。今後も救急医療を通した地域医療、感染症対処および災害医療でしっかりと貢献していきたい」と述べた。
【訂正】第989号12面の高等工科学校の記事で誤りがありました。正しくは「創立63周年記念行事」です。お詫びして訂正させて頂きます。 |