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ブルーインパルス in 彦根城築城410年祭 |
「創造への挑戦」を合言葉に、航空自衛隊の航空祭や国民的な大きな行事で華麗な展示飛行を行う「ブルーインパルス」。正式名称は、第4航空団(宮城県松島基地)所属の第11飛行隊という。
今年度は、20回の展示飛行を予定しているが、そのうち8回は航空祭でなく、地域の大きな行事での展示飛行を予定している。「ブルーインパルスが来る」となると、そのイベントに訪れる人の数も変わって来る。航空自衛隊の存在を多くの人に知ってもらおうと活動をしている「ブルインパルス」だが、地域の活性化にも寄与している。 |
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「初心」をモットーに!
〜初の女性飛行点検操縦士として〜
飛行点検隊 3空佐 逢坂 麗 |
このたび、飛行点検操縦士講習を修了し「飛行点検操縦士」としての第一歩を踏み出すことができました。私が飛行点検隊の所属となったのは、昨年4月に発生したU-125航空大事故の直後でした。飛行点検隊は、大切な仲間を失い、航空機を失い深い悲しみの中にありました。一時も早く戦力になり部隊に貢献したいという意気込みで着任しましたが、飛行点検について何も知らない自分に何ができるのか、という不安でいっぱいでした。約1年を経て、ここに飛行点検操縦士の資格を付与され、飛行点検任務に携わることができる名誉と責任を自覚し、改めて、任務遂行に貢献できることに感謝するとともに、飛行点検ができる防衛省唯一の部隊としての矜持を持ってフライトに取り組む所存です。
さて、「飛行点検」は、何をしているかご存知でしょうか?飛行機がある飛行場からある飛行場へ向かうとき、そこには目には見えない電波の道があります。その道は、雲中であろうと雨が降ろうと、飛行機の計器上に正確に指し示し、その道を通って行けば目的地に到着することができるという道です。飛行点検隊は、その電波の道が正確に示されているかどうか点検しています。その他にも、飛行機は離着陸時、低い高度を飛行する必要がありますが、飛行場周辺に高い建物やアンテナなどが建設されると、電波干渉の原因や障害物として安全飛行に影響する可能性が出てきます。それらを確認し、飛行場周辺に不安全要素がないかを点検するのも飛行点検隊の任務の一つです。
私は、飛行点検隊への配置と本講習に臨むにあたり、「初心」という言葉をモットーにして取り組んでまいりました。フライト毎にこの思いは強くなっています。
同じ飛行場へ何度も、そして同じ飛行点検を何度繰り返していても、その飛行環境や各種状況は前とまったく同じということはないからです。飛行点検結果についても、同じデータが出てくることはほとんど皆無です。
フライトでの慢心や不注意からくる状況認識の不良は、判断ミスを招き、結果として大きな事故に至る可能性が高まることは言うまでもありません。よって、飛行点検操縦士は、常に「初心」をもって点検任務に臨み、電波が正確であること、飛行場周辺に不安全要素がないことを点検し、「いつもと同じに異常がないこと」=「安全に飛行できる」ことを運航者に提供する責務があります。
「初心、忘るべからず」という約600年前に能を大成した世阿弥が唱えた言葉は大変有名ですが、世阿弥の執筆した様々な伝書の中の「花鏡」において、初心の3箇条を示しています。
一、是非の初心、忘るべからず
一、時々の初心、忘るべからず
一、老後の初心、忘るべからず
「是非の」初心とは、若いときの成功や失敗、悔しい思いを忘れてはいけないという意味です。2つめの「時々の」初心とは、日々心新たに初心を刻み続けなさい、ということ。3つめの「老後の」初心とは、年をとったからといって老け込むことなく、老後は老後なりに新しいことに挑戦し続ける気概が必要だということだそうです。
自分自身の立場と職責において、「初心」を問い、日々前進することでご支援いただいた方々への恩返しと、志半ばで逝ってしまった亡き仲間の分も任務にまい進しなければならないと改めて心に刻んでいます。
飛行点検隊は、なお試練の中にあると思います。私たちは、今の試練の時をどうやって乗り越えていったか、という経験を忘れずに着実に前に進んでいきたいと思います。日々の任務遂行に加えて、劇的に変化する航空交通環境と次期飛行点検機の導入に応じ、備え、鍛え、そして、自らの職責の完遂に努めるため「初心」をもって取り組み、日々の安全に寄与することを誓います。 |
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日米共同
Big Band Concert
〜日米の絆、平和のハーモニー〜 |
6月7日、防衛省A棟2階講堂において日米音楽隊のピックアップメンバーによるビッグバンドジャズコンサートが開催された。メンバーは「海上自衛隊東京音楽隊 "SEA LEGS" 」「航空自衛隊航空中央音楽隊 "Silver Wings" 」「在日米陸軍軍楽隊」「米空軍太平洋音楽隊 "パシフィック・ショーケース" 」「米海軍第7艦隊音楽隊」の各音楽隊から選抜された自衛官12名、米軍隊員9名で編成された。ビッグバンドジャズの名曲を中心にアンコールを含め全7曲が披露され、軽快なリズムに誘われるように会場からは自然に手拍子がわき起こった。
日本とアメリカの絆がさらに深まることを願い、一青窈の「ハナミズキ」のジャズアレンジを米空軍太平洋音楽隊アリシア・キャンセル上級空兵が心を込めて歌い上げた。ハナミズキの花言葉は「返礼」。100年ほど前に日本から米国へ桜が寄贈され、その返礼としてハナミズキが日本に送られたことに由来し、以来、ハナミズキは日米親善の象徴の花となっている。約40分の演奏が終了した後、客席からのアンコールに応え、最後は「聖者の行進」で締めくくり、客席からの手拍子の中、メンバー全員が立ち上がり昼休みの熱いひとときを終えた。
このメンバーは、本コンサート終了後、山形に向かい庄内町と酒田市で2回コンサートを行う予定だ。最終日には地元の中学生・高校生を対象に学校コンサートを行い、その後に学生に対し演奏指導も行う。メンバーは「地元の子供たちが、生で米軍の隊員と音楽を通じてコミュニケーションをとることで、日米の絆、平和のハーモニーを感じてもらえればと思う」と今後に向けた熱い思いを語った。 |
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平成29年度航空自衛隊連合准曹会優秀若年隊員顕彰 |
6月8日、航空自衛隊連合准曹会(会長・杉本孝哉准空尉)は、第25回評議委員会を開催し、全国から約100名が集まった。
杉山良行航空幕僚長の訓話や功労者への表彰式などが行われ、「一生の思い出」をそれぞれ持ち帰った。
受賞者は以下のとおり
菊地良3空曹(2空団・基地防空操作員)、菊地寿美子3空曹(三沢気象隊・気象観測員)、冨菜政次2空曹(気象群・補給員)、塚田 由衣空士長(偵空隊・火器管制装置整備員)、原幸利2空曹(2補・エンジン整備員)、前公将2空曹(12教団・燃料員)、小森田裕空士長(2高群・補給員)、北島亮2空曹(5高群・電気員)、太田充謙2空曹(西警団・土木建築員)、親川由依空士長(5高群・補給員) |
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F-35A戦闘機(国内生産初号機)御披露目式を開催 |
6月5日、愛知県にある三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場で、国内外の来賓を招き「F-35A戦闘機(国内生産初号機)御披露目式」が盛大に開催された。若宮健嗣防衛副大臣は「卓越した能力を持つF-35を自衛隊が持つ事は重要な意義がある」などと挨拶した。
レーダーに映りにくいステルス機能を備えたF-35A戦闘機はF-4戦闘機の後継機として平成24年度より42機調達することとした。平成24年度取得分の4機は完成品を直輸入し空自のパイロットは、すでに米国で訓練を始めている。平成25年度以降は国内企業が製造に参画した上で機体を取得することとなっている。国内企業が機体の製造及び維持・管理に参画することにより、(1)同機の修理が国内で可能となり、戦闘機の可動率が上がる(2)我が国の航空機産業全般の維持・育成・高度化にも資する(3)日米装備・技術協力が促進され、また日米の機体を共通して整備できる体制を整えることで相互運用性が向上するなどのメリットがある。航空自衛隊には28年11月12月及び29年1月2月に既に完成機4機が納入されており、最終組立を国内で行ったFACO初号機1機を29年9月に納入予定。また、FACO2号機(通算6機目)が29年度中に、既に航空自衛隊に納入されている完成機4機とFACO初号機の5機は30年度に三沢に配備される。
6月26日現在、政府はF-35に「空対地ミサイル」導入の検討に入っている。
【F-35A戦闘機諸元】
製造‥米ロッキード・マーチン社、最終組立(FACO)等‥三菱重工
機体全長約16m・全幅約11m・全高約4m
型式‥単座(1名)、推力43000lbs×1発、速度最大M1・6・航続距離約2200km、戦闘行動半径約1093km |
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