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自衛隊ニュース   956号 (2017年6月1日発行)
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1面 2面 3面 4面 5面 6-7面(PDF) 9面 10面

大規模山林火災に災害派遣
岩手 福島
懸命な消火活動、市民から感謝の声

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過去最多の空中消火
 5月8日、平成に入ってから県内最大規模の山林火災が岩手県釜石市平田地区において発生し、駐屯地は5月8日12時58分、岩手県知事の災害派遣要請により初動部隊(Fast Force)を派遣、現地の状況を確認するとともに、高射特科大隊(大隊長・立川2陸佐)を主力とする災害派遣部隊を釜石市へ派遣し関係機関と連携して情報収集・調整等を開始した。
 火災現場は、人員や消防車が近づくことが困難な場所であり、延焼範囲が広範囲なため航空機による空中消火が頼みの綱となり、派遣された部隊は市との綿密な調整により火災の状況確認や現地へ飛来した航空機の統制を実施した。航空機は第9飛行隊のOH-6が航空偵察と空中統制を実施し、同飛行隊のUH-1や第1ヘリコプター団及び航空自衛隊三沢ヘリコプター空輸隊のCH-47等14機が県の防災ヘリ等と連携して懸命な消火活動を実施し、9日には山林火災災害派遣における1日の散水量としては過去に例がない527回(約2347t)の空中消火を実施した。延焼エリアが約400ヘクタールに及んだと見積もられる火災は1週間燃え続けたが、懸命な消火活動により15日13時に鎮圧が宣言され、平成最大の山林火災を鎮圧するとともに地域の安全を回復した。
 派遣部隊は、釜石市長から「自衛隊の力がなければ1週間で鎮圧には至らなかった。ありがとうございます」とお礼の言葉を頂くとともに、被害の大きかった尾崎白浜地区及び佐須地区の町内会長からは「早朝ヘリが消火活動に来た時はありがたかった」と温かい感謝の言葉を頂き派遣任務を終了した。
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延べ2900名を投入
 4月29日発生した福島県浪江町の帰還困難区域内の林野火災に対し県知事が災害派遣を要請、それを受け第44普通科連隊(連隊長・黒羽明1陸佐=福島)は、地上部隊を編成し約400名12日間で延べ2900名を投入した。
 部隊は、へリによる消火活動及び偵察を行い、その結果を元に上空部隊と連携し、地上部隊が前進した。
 隊員は、日頃の訓練で培った体力と団結力を遺憾なく発揮し、何度も山を越え一箇所一箇所確実にジェットシューターでの消火活動にあたった。
 また、消防のポンプやホースを山頂までの急斜面を運搬・連結の支援を実施するなど消防とも連携し、消火にあたった。発生から12日後の5月10日に鎮火し災害派遣が終了した。
 ▽隊員コメント
 自衛隊に入隊し初めての災害派遣に出動して、緊張もありましたが現場にいて水タンクを頂上まで運び消火活動を実施しました。体力的に大変なこともありましたが淡々と任務を遂行でき良かったです。(44普連1中隊・梶原捷陸士長)
 災害派遣に出動し、煙が立ち込める中ジェットシューターで消火活動を実施しました。延焼が広範囲になっていましたが一つ一つ確実に消火し、鎮火してよかったです。これからも有事等に対応できるように心身を鍛えて行きたいです。(44普連本管中隊・情野龍希3陸曹)

遠洋練習航海部隊出国
 初夏とは思えぬ日差しが降り注ぐ中、純白の制服の金ボタンが太陽の光でキラキラ輝いていた。5月22日、平成29年度遠洋練習航海部隊の出国行事が小林鷹之防衛大臣政務官、小田原潔外務大臣政務官、村川豊海上幕僚長ら多くの来賓をはじめ家族や関係者約700名を迎え、横須賀基地逸見岸壁で盛大に執り行われた。
 練習艦隊司令官の眞鍋浩司海将補を指揮官に、第67期一般幹部候補生課程修了者約200名を含む約600名の派遣部隊は、163日間で北米・南米大陸を中心とし米国・パールハーバーを皮切りに8ヶ国・13ヶ所に寄港する。
 式典で小林防衛政務官は「国際情勢が変化する中、海上自衛隊の活動への国民の期待が高まっている」と述べ、村川海幕長は「世界を巡り、一回り大きくなって帰国して欲しい」と訓示した。「行ってらっしゃぁ〜い」「頑張って来てね」家族らの声援に帽振れで応える隊員の意志を表すような強い日差しに照らされ、練習艦かしま(艦長・堀川雄司1海佐)と護衛艦はるさめ(艦長・樋ノ口和隆2海佐)は出港して行った。

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