4月9日、滝ヶ原駐屯地(司令・河合龍也1陸佐)は国会議員をはじめ駐屯地協力5団体長、歴代駐屯地司令、静岡県内各自治体及び関係機関等から多数の来賓を迎え、また駐屯地各協力団体からの支援・協賛を得て創立43周年記念行事を厳粛かつ盛大に挙行した。
当日は、期待していた桜の咲く春の陽気に包まれた記念日とはならず、まるで冬に戻ったような前日までの低気圧の影響で桜は蕾のまま、かつ小雨に加え霧で視界不良となる厳しい天候となり準備していたイベントの中止や内容の変更もあり、駐屯地は来場者の大幅な減少を予想したが2000人を超える来場者を迎えることができた。
記念式典に先立ち、駐屯地の発展に尽力された10名に駐屯地司令から感謝状が贈呈され、一人一人が紹介された。
引き続き総合グランドでは記念式典が行われ駐屯地司令は、駐屯地創設以来43年間に亘る歴史の中で、大切にしてきた3つの絆「地域との絆」、「日米の絆」、「隊員の絆」について言及し感謝を述べ、駐屯地はこの絆を更に強く確実なものにしていくとともに、あらゆる事態に即応できる実力を備えた部隊の育成、地域の皆様に愛され信頼される健全な部隊の育成を行うこと、そして、駐屯地の隊員には日々の訓練の労をねぎらい、また隊員一人一人が国防という崇高な任務と国民の期待の重みを深く認識し、厳正な規律を保持し、事に臨んでは危険を顧みず、一つ一つ着実に任務を遂行して行くことを改めて決意し、肝に銘ずる事を要望し式辞とした。続いて行われた来賓祝辞はさらに悪天候となり観閲台に横殴りの雨が降り込むという司会も肝を冷やす状況となったが細野豪志衆議院議員及び杉保聡正静岡県知事代理、そして若林洋平御殿場市長のこれをものとしない姿、そして祝辞の中で述べた隊員への熱い激励の数々は観閲部隊隊員を大いに感動させた。その後、部隊は観閲行進に移行し観閲部隊指揮官(副連隊長・井水貴之2陸佐)を先頭に普通科教導連隊、教育支援施設隊、評価支援隊(人員541名、車両90両)がそれぞれの装備をもって堂々の観閲行進を実施した。観閲行進終了後は、駐屯地のマスコットキャラクター「たきすけ」が紹介され、引き続き行われた訓練展示では、オートバイ、軽装甲機動車、96式装輪装甲車、中距離多目的誘導弾を装備する普通科教導連隊、74式戦車を装備する部隊訓練評価隊評価支援隊、92式地雷原処理車を装備する教育支援施設隊、155mm榴弾砲FH-70・99SPを装備する特科教導隊及び第1特科大隊、90式戦車回収車を装備する富士教育直接支援大隊による敵部隊を攻撃する場面が実戦さながらに公開された。
各イベント会場においては、評価支援隊による戦車及び装輪装甲車の体験搭乗(搭乗者680名)、16式機動戦闘車など最新装備が並んだ装備品展示の他、災害派遣訓練展示、格闘訓練展示、滝ヶ原駐屯地雲海太鼓及び松本駐屯地アルプス太鼓に今回、初参加となる航空自衛隊入間基地修武太鼓が加わった和太鼓の合同演奏、曹友会によるお汁粉1300食の配食、子供を対象にした遊具(エアースライダー)の提供等多彩な催物が行なわれ、特に隣接するキャンプ富士からAAV7(水陸両用車)、LAV25(軽装甲機動車)及びHMMWV(高機動多用途装輪車)が装備品展示に加わり来場者を楽しませた。
終日天候が回復することはなかったが各イベント会場では隊員と来場者の笑顔で溢れ、地域の市民と楽しい時間を過ごす大変有意義な1日となった。 |