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自衛隊ニュース   958号 (2017年7月1日発行)
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南西レスキュー29に参加
<43普連>
 第43普通科連隊(連隊長・廣田耕士郎1陸佐=都城)は6月20日から21日、都城駐屯地において第8師団が企画した南海トラフ巨大地震に備えた訓練に参加した。
 和歌山県沖にマグニチュード8の地震が起こり、宮崎県は最大で震度6強、津波は5〜8mを想定し、発災後は直ちに連絡幹部等(LO)を県庁及び隊区内市町村に前進させるとともに、初動対処部隊は出発準備を完了させた。
 また、上級部隊から提供された被害状況に基づき、派遣部隊の運用を検討し連隊主力の派遣活動態勢を確立させた。
 また都城駐屯地体育館においては、第8師団が同時に訓練を行い、宮崎県内の関係自治体・関係機関が参加して、連携の強化及び意思の疎通が図られた。
 連隊は、本訓練で得た教訓を元に南海トラフ巨大地震対処計画の進化と実効性(災害対処能力)の向上を図り、本訓練を終了した。

レスリング男子3階級で勝利
<自衛隊体育学校>
 6月16日から6月18日までの間、国立代々木競技場第2体育館で行われた全日本選抜レスリング選手権大会(兼2017年世界選手権大会[8月・パリ]日本代表選考会)に体育学校から26名の選手が出場し、3階級で優勝、世界選手権代表に3名が決定した。
 大会初日、フリー86kg級に出場した松坂誠應2陸曹は、順当に勝ち進み迎えた決勝で昨年の全日本選手権大会と同じ白井勝太選手(日大)と対戦。見事勝利し、全日本に続く連覇を達成、世界選手権代表の座を手にした。松坂2陸曹は、「自衛官として最初の大会で優勝できたことにほっとしている。今後は積極的な試合展開で勝利できるように頑張る」と世界選手権に向け闘志を見せた。
 また、フリー125kg級に出場した田中哲矢2陸曹は、見事初優勝を飾りプレーオフに進出するも、昨年の全日本選手権覇者・山本泰輝選手(拓殖大)に惜敗した。「自分の課題が明らかになった。まずは今年12月に実施される全日本選手権大会優勝を目標に実力をつけ、世界で戦える選手になりたい」と今後の抱負を熱く語った。
 大会2日目、フリー65kg級に出場した鴨居正和3陸尉は、5月のアジア選手権大会銅メダル獲得の勢いそのままに、昨年の全日本選抜からの連覇を飾った。鴨居3陸尉は、「ここ半年間にわたってスランプに陥っていたが、決勝では相手の動きを制し自分のペースで試合ができた。外国人選手に力負けしない体作りをし、世界選手権に向けしっかり練習に励んでいく」と決意を語った。
【世界選手権代表3名(松坂・鴨居・赤熊)決定】
 本大会フリー97kg級第3位の赤熊猶弥3陸尉(12月全日本覇者)が、今大会優勝の山本康稀(GENスポーツアカデミー)選手とプレーオフを行い、スコア[8-0]で快勝。世界選手権代表の座を勝ち取った。

ビッグレスキューあづま2017
防災能力を総合的に演練
<東部方面隊>
 東部方面隊は、6月12日及び20日から26日まで、森山尚直総監を担任官として東部方面隊災害対処演習「ビッグレスキューあづま2017」を実施した。
 本演習は、昨年同様、南海トラフ地震及びこれに伴う大規模津波を想定。自治体、防災関係機関及び米軍等と協力して南海トラフ地震対処計画の実行性を検証するとともに、方面隊の災害対処能力の向上を図ることを目的として実施された。
 東部方面隊を基幹とする陸上自衛隊からは人員約2000名、車両約250両、航空機7機、在日米陸軍からは人員約40名、艦艇(揚陸艇)1隻、車両4両、東部方面区の11都県9市町村27機関等が参加した。
■机上演習(TTX)
 12日は朝霞駐屯地で、震災対処及び家族支援机上演習(TTX)が実施された。関係機関や家族会及び隊友会と、大規模震災対応における具体的な連携事項について意見交換等が行われた。震災対処TTXにおいて森山総監は「より実行性のある計画は、皆様方の知恵の結集として出来上がるものですので、様々な意見を提示して頂きたい」と挨拶を述べた。
(航空搬送拠点臨時医療施設(SCU)設置訓練)
 同日、自衛隊とDMAT(災害派遣医療チーム)とが連携した航空搬送拠点臨時医療施設(SCU)設置訓練が公開された。本施設は、被災患者を航空搬送する前に、症状を安定化させる救護所として航空搬送拠点に設置されるもの。実際に拠点として指定されている静岡空港を想定し、本部とエアドーム2つ(トリアージ・処置と患者収容)が設置され、患者受入れから治療・収容、搬送準備まで一連の流れが速やかに実施された。
■指揮所訓練(CPX)
 20日から23日に実施された指揮所訓練(CPX)は、自衛隊統合防災演習(JXR)に参加し、東部方面総監が統合任務部隊(JTF南海)指揮官兼陸自東方部隊(陸災東方)指揮官となり、南海トラフ地震対処における指揮幕僚活動能力を演練・検証した。
 21日、「第3回防衛省災害対策本部会議」が、発災後24時間が経過したという想定のもと、高級幹部が一堂に会して防衛省で行われた。稲田大臣は「行政機能が低下している自治体への支援の他、時間の経過とともに物資輸送や生活支援等様々な活動が自衛隊に求められることになります。これらの活動についても早急に準備をし、被災された方々の要望に応えていくことが必要です」と述べた。
■実働訓練(FTX)
 孤立地域災害等対処訓練(25日、26日)では日米が連携し、海路において米軍揚陸艇(LCU)を使用した人員や物資の揚陸訓練(横浜ノースドッグ-沼津海兵訓練場間)及び、空路においてCH-47を使用した救援物資輸送訓練(伊豆半島等)が実施された。また駒門駐屯地、滝ヶ原駐屯地、及び浜松基地等では兵站施設開設訓練が実施された。

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