派遣期間:5月22日〜10月30日(162日)
訪問国:18か国(19寄港地)
航程:約30000NM(海里)=約55000km
派遣部隊:人員約730名
「かしま」艦長・大野敏弘1佐
「しらゆき」艦長・川内健治2佐
「いそゆき」艦長・青木操2佐
今年のコースは、ハワイを経て太平洋を横断、パナマ運河を通り、大西洋を横断し欧州に至り、スエズ運河及びインド洋を経て東アジアに至る18ヶ国19寄港地を訪問するものであり、162日間の長途となる。
諸君は、それぞれの国が有する歴史や文化、国情に直接触れることにより、我が国との関係の重要性について認識を新たにすることと思うが、外交・防衛の分野にとどまることなく、自らの体験をもって幅広く柔軟な思考力を涵養し更に視野を広げてもらいたい。そして、遠洋練習航海部隊の隊員一人ひとりが日本国の代表であるという自覚を持ち、諸君が寄港地で発信する有形無形のメッセージが、各訪問国との今後一層の関係強化につながるということをしっかりと心に留めるとともに、各地における研修やレセプション等の機会を通じた各国軍人等との交流により、海軍の役割というものについて認識を深めてきてもらいたい。
諸君が航行する海域は、全世界の経済を結ぶ三大洋の海の道、シーレーンであるとともに、帝国海軍が日英同盟の下、盟友のために第一次世界大戦の地中海においてドイツ海軍と戦い、先の大戦においては、米・英海軍と激戦を繰り広げた海域でもある。諸官は、先人が祖国のために尽くした貢献に思いを巡らすとともに、尊い犠牲を偲びつつ、この航海を海上武人としての素養を高める良き機会として研鑚に励んでもらいたい。 |