高等工科学校(学校長・菊池哲也陸将補)は3月21日、陸上幕僚副長・番匠幸一郎陸将立ち会いの下、学生化生徒初の卒業式を講堂において行った。
2月26日に落成式を迎えたばかりの講堂は、天に伸びゆく生徒の姿をモチーフとする独創的な形の延べ床面積約3200u、2階建ての建物である。内装には木材をふんだんに取り入れ温かみのある空間を演出している。約1200名の人員を収容できる講堂内の座席シートカラーは、スクールカラーのエンジ色を取り入れた。多目的行事を行える講堂の他に資料室やブリーフィングルーム、来賓室も備えている。
式は小泉進次郎衆議院議員をはじめとする部内外多数の来賓が臨席し、全国各地から駆けつけた卒業生の家族が見守るなか、厳かな雰囲気の中で執り行われた。学校長が卒業生一人一人に卒業証書を手渡し、式辞では、今年度制定した学校規範の1つ「負けるな、やり遂げよ」を餞の言葉として送った。
また、陸上幕僚副長は、「本物で一流の軍事のプロフェッショナルとなれ」「自ら進んで先頭に立ち、困難に立ち向かえ」「高等工科学校の良き伝統後継者たれ」と訓示を述べた。
在校生の送辞、一言一言をかみ締めながらの卒業生の答辞と続き、「仰げば尊し」「高等工科学校 校歌」を声高らかに斉唱した。
引き続き、学校グラウンドにおいて、恒例の在校生による送別パレード・ドリル演技及び本校出身者が操縦するヘリコプターによる祝賀飛行が行われ、晴れの門出に花を添えた。
エンジ色で縁取りされたチャコールグレーの制服を身に付けた296名の学生化生徒初の卒業生は、午餐会の後、家族・在校生・学校職員に見送られた。拍手で送られる卒業生は、3年間共に過ごしてきた同期との別れの寂しさと、新たな出発への決意を胸に堂々と行進した。
なお、卒業生は、一部生徒が防衛大学校・海自及び空自の航空学生に進む他、ほとんどの者が平成25年度から新たに試行される生徒陸曹候補生課程(各陸曹教育隊)に進む。 |