下関基地隊(司令・原田哲郎1佐)では5月18日、吉見地区遺族会(会長・福島敏行氏=会員数150人)主催の吉見地区戦没者慰霊祭に参列した。 これは昭和21年4月、下関市吉見地区の有志が発起して戊辰戦争、西南の役、日露戦争、第一次大戦、第二次大戦で亡くなられた軍人・軍属の御霊安らかにとの願いから遺家族援護会が組織され毎年執行されているもので、戦没者を祭る招魂場は吉見を一望出来る近隣公園の頂にあり、197柱の霊御と「ふる里の山河美しきこの丘に御霊鎮めて安かれと祈る」との歌碑が建立されている。 戦没者慰霊祭は来賓に藤村紀久正・下関連合遺族会副会長(会長代理)、守永賢治・下関市役所総務部次長(市長代理)、原田哲郎・下関基地隊司令、永尾遜・吉見地区自治連合会会長ら23人と遺族66人が参列してしめやかに営まれた。 式場の下関市役所吉見支所内公民館講堂正面には祭壇と殉國英霊位が掲げられ、午前11時、日本尺八連盟吉見支部会員5人による鎮魂曲「青葉」演奏の中、遺族代表2名による献花がおこなわれた。続いて福島会長が「国家の干城として勲功を立て、国に殉じられた郷土出身の御霊の慰霊祭を執り行うにあたり、謹んで感謝を捧げ追悼の辞を申し上げます。光陰まさに矢の如しとか、あの悪夢のような悲惨な終戦から早くも63年の歳月が過ぎ去りました。一家の支柱を失った遺族にとりましては大変長い苦難の道程でありました。我が国におきましても幾多の困難はありましたが、ひたすら再建と発展に励み、平和と繁栄を築き上げ、今では民主的国家となり発展してまいりました。私たちが受けておりますこの平和と繁栄は、戦いで尊い命を国家に捧げられた英霊の皆様の礎によって築かれたものであり、私たちは英霊の御意思に報いるためにも、恒久平和を祈り一層の努力をしなければならないと堅く誓うものであります」と追悼の言葉を述べた。来賓として下関市長代理の守永賢治・下関市役所総務部次長が「慰霊祭にあたり戦争の悲惨さと平和の尊さを後世に伝え、真に平和な世界の実現のため一層努力してまいりますとともに謹んで哀悼の意を捧げます」との江島潔・下関市長の追悼の辞を代読した。また、植田秀明・下関連合遺族会会長からも追悼の辞が述べられた。その後、読経の中、来賓として出席した基地隊司令、副長、先任伍長が焼香を行った。 清掃支援に感謝 最後に福島会長から慰霊祭参列に対する謝辞に続いて、長年にわたり下関基地隊が実施している招魂場周辺の環境整備に対する感謝の言葉が述べられた。これは慰霊祭に先立ち毎年実施しているもので、今年は5月21日、基地隊先任伍長以下11名の隊員が、招魂場周辺の清掃作業を実施した。薫風の中での作業であったが、隊員たちは額に汗しながらも、爽やかな気持ちで、樹木の剪定やあたり一面を覆っていた雑草や枯葉を取り除いた。全員で参拝し、御霊の安らかな冥福を祈って帰路についた。