防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   1004号 (2019年6月1日発行)
-
1面 3面 4面 5面 7面

ノーサイド
北原巖男
たかがコーヒー されどコーヒー

 朝のコーヒータイム。
 部屋は、あの温かくふくらみを持った甘い香りに包まれています。まさに至福のとき。
 このままではもったいない。玄関からそっと外に出て朝の空気をめいっぱい吸い込む。再び部屋に飛び込む。全身が抱擁され、身体じゅうに溶け込まれるようなこの魅惑の香り。何たる幸せ!
 「防衛ホーム」の読者の皆さんの中にも、「このひとときがたまらん」、そんな方が多いのではないでしょうか。さらに「コーヒーについては、私はチョットうるさいですよ」という御仁も。
 そんなコーヒーは、これまでもガンになるとか頭が悪くなるぞなど、悪者扱いされて来ました。反対に、実は健康にとても良い飲み物であることが最近の調査で分かった、飲まない人に比べてこれだけの違いがあるなど、勝手なことがいろいろ言われて来ています。
飲み過ぎが胃を重くすることだけは実体験から認めますが、あとは馬耳東風に徹すべし。
 コーヒーに限らず、それぞれの嗜好品に理屈はありません。好きなものは好きでいいんじゃないでしょうか。大いに楽しみましょう。
 コーヒー好きの人を強引に大別すると、飲むのが好きな人と、どちらかと言えば淹れる方が好きな人に分けられると思います。後者は、自分が淹れたコーヒーに対する相手の反応如何によっては、その日の自信・活力にも少なからぬ影響を受けかねません。
 例えば、一口も口にすることなしに、コーヒーがサーブされるや否や、加減するそぶりなくミルクをドバーッと大量に入れる。そんな光景を目の当たりにすることがあります。
 美味しいコーヒーを淹れるべく沢山の本を読み漁り、ミル等の使用器材に拘り、更に拘りのコーヒーカップを温め、淹れ方に拘る。丁寧に丁寧にプロセスを踏み、精神を集中し手を抜くなどもっての外。そんな身には、まことに残酷な仕打ちです。濃さもそれなりに微調整していることは言うまでもありません。
 「…傷つくなぁ」
 「私の胃の方が傷つく」
 コーヒー淹れのキャリアから言えば、半世紀超えの大ベテラン。が、「コーヒー道」は本当に道は深く遠い。胸を張れる美味しいコーヒーを、前回と同じように今回も淹れることが出来るかと言えば、そのようなことは未だかつてありません。まさに一期一会の世界。
 「プロとの違いよ」と、いとも簡単に片づけられてしまいますが、プロと言えども道を極めることは至難の業、常に行きつ戻りつなのではないでしょうか。
 「今日のコーヒーはどう?」
 「……」
 「美味しい?」
 「人の意見ばかり聞くんだから…。自分はどうなのよ?大事なのは自分がどう思うかでしょ。それにしても今日のコーヒーは薄すぎるんじゃない?」
 「やっぱりそうか。僕もそう思った」
 「いつも意見を聞くばかりで、それが次に活かされて来ていないのよね。…ずっと」
 私が関わっている東ティモールは、コーヒーが唯一の輸出産品。その生産量は少なく、名前もまだこれからです。かつてPKOや能力構築支援活動で同国に派遣された自衛隊員の皆さんの中には、爾来、東ティモールコーヒーのフアンになった方もおられるに違いありません。
 現地で、17年以上コーヒー生産一筋に頑張って来ている日本女性がいます。彼女はいつも語っています。
 「美味しい!と言ってくれることが、現地の生産者たちにとって一番嬉しく、何よりの励みになるんです」
 美味しいコーヒーを美味しく淹れたい、そんな夢を追いかける取り組みは明日も続きます。

北原 巖男
(きたはらいわお)
元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


「全自美術展」内閣総理大臣賞(書道)受賞者と懇談
<原田副大臣>
 5月8日、原田憲治防衛副大臣は、「平成30年度全自衛隊美術展」書道の部で、内閣総理大臣賞を受賞した習志野駐屯地業務隊・磯谷真美事務官と懇談をした。
 磯谷事務官の作品「蜀素帖」は、写真・絵画の部の優秀作品とともに室内に飾られており、2人は作品の前で記念撮影をする等終始和やかなムードで懇談が行われた。
 磯谷事務官は小学1年生の頃から書道を始め、高校生の時は書道部に在籍していたそうだ。原田副大臣も書道には縁があり、父は元防衛大臣・中谷衆議院議員の師匠から指導を受け、師範の資格を取得したという。
 「原本は横長の巻物で、それをあえて縦の掛軸に書いて非常に成功した(講評)」という見事な作品に原田副大臣は興味津々で、磯谷事務官を質問攻めにした。作品は、平日帰宅後に制作にとりかかり4日間かけて完成した。「これまでに大きな賞を頂いたことがなかったので、まさか自分が…」と受賞に驚いた磯谷事務官。原田大臣に対しては「とても緊張しましたが、とても話しやすい方でした」と笑顔で答えてくれた。

シンガポール、カタールと防衛相会談
防衛協力・交流の更なる深化へ

シンガポール
 5月22日、岩屋毅防衛大臣は、シンガポールのウン・エンヘン国防大臣と防衛省で会談を行った。両国による防衛相会談は、昨年10月にシンガポールで開催された拡大ASEAN防衛相会議(ADMMプラス)で行って以来7カ月振り。
 岩屋大臣は来日を歓迎するとともにADMMプラスで議長国を担ったシンガポールの功績に敬意を表した。また、両国間で交わした「防衛交流覚書」の署名が今年で10周年を迎えるにあたり両国間の交流が「特に寄港等の分野で着実に深化している」とし、インド太平洋方面派遣訓練中の護衛艦「いずも」「むらさめ」が5月12日にシンガポールチャンギ港に寄港した際の協力に謝辞を述べた。続けて「日本はASEAN諸国との協力を重視しており、新しい防衛大綱のもと両国の防衛協力をさらに深化させたい」と述べた。
 これに対し、ウン大臣は「日本がADMMプラスに果たす役割は大きい」、「自衛隊の艦船がより我が国に寄港してくれることを願う」等と述べ、「2人の任期中にもっと2国間および多国間の演習をADMMプラスの枠組みの中で行っていきたい」と期待感を示した。
 両大臣は日本の防衛大綱や「自由で開かれたインド太平洋」について認識を共有した他、ADMMプラスの機会を含めて、多国間協力及び日ASEAN協力を進めていくことで一致。北朝鮮問題に関しても「瀬取り」対処を含め引き続き連携していくことで一致した。

カタール
 翌23日、岩屋大臣は防衛省でカタールのハーリド・ビン・ムハンマド・アル・アティーヤ副首相兼防衛担当国務大臣と会談を行った。
 アティーヤ大臣は叙勲授与式のために来日。岩屋大臣はお祝いの言葉を述べると共に、2011年の「東日本大震災」におけるカタールからの多大な支援に感謝の意を伝えた。両国関係は、2013年に安倍首相がカタール訪問の際に出された共同声明、2015年に署名された「防衛交流覚書」に基づき進展しており、岩屋大臣は「将来を見据えた持続的な防衛協力・交流が続いており、大変嬉しい」と述べた。アティーヤ大臣は「エネルギー・投資・経済分野のみならず、防衛分野・教育・保険といった分野において更なる協力を推進していきたい」と期待を述べ、両大臣はより広い分野での交流を今後も行っていくことで一致した。
 地域情勢においては、岩屋大臣から北朝鮮問題が、アティーヤ大臣からは中東情勢について説明があった。両大臣は地域の平和と安定のため、関係国の信頼醸成が重要であるとの認識で一致した。


NEXT →
(ヘルプ)
shop
-
日本の機甲100年
通販部
10
Copyright (C) 2001-2019 Boueihome Shinbun Inc