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自衛隊ニュース   985号 (2018年8月15日発行)
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ノーサイド
北原巖男
猛烈な暑さの中で

 燃えるような暑さ。地球温暖化とはこういうことなのでしょうか。日本列島は、まさに灼熱地獄。私が3年間暮らした南緯8度の熱帯に位置する東ティモールでも、35度を超えたり体温を超えるなどといったことはありません。熱帯もびっくりの暑さなのです。
 自分は暑さに強く熱中症にかかることはまずない、と思っている方もいるでしょうが、私たちは熱帯以上に熱帯の暑さの中にいるのです。真剣に気を付けなければなりません。
 思えば「夏に鍛える」とよく言われて来ました。でも、今や凄まじい暑さの炎天下での力いっぱいの運動や試合等は、当事者のみならずスタッフや応援する人たちの命に関わってくると言わざるを得ません。周到な暑さ対策や思い切った見直しが欠かせない状況になっています。
 「平成30年7月西日本豪雨」 住民の皆さんが普段親しみを寄せていたに違いない身近な河川が氾濫し、堤防は決壊、大洪水に。道路上を泥水が猛烈な速さで流れ下り、ありとあらゆるものに容赦なく襲いかかりました。裏山では至る所で土砂崩れが発生、家々を無残に押しつぶしました。
 気象庁から「生命に重大な危険が差し迫った異常事態にある」として大雨特別警報が出され、自治体からは避難勧告や避難指示が発令されました。しかし、自然の猛威・破壊力は、住民の皆さんはじめ私たち国民の想像や思い込みをはるかに絶する凄まじいものでした。人々の平穏な日常生活の営みは、あっという間に粉砕し尽くされました。
 消防・警察・自衛隊の皆さんは、何としても住民の皆さんの命を守るんだ、救うんだと、全力で救出活動等に頑張ってくれました。住民同士の助け合いや水上バイクで浸水家屋から多くの皆さんを救った民間人の活躍なども報じられています。…残念ながら、幼い子供たちや老若男女の皆さんそして誘導に当たっていた若い警察官の皆さんはじめ、200名を超える沢山の皆さんの大切な命が奪われてしまいました。いまだ安否不明の方々もいます。
 不便な被災生活を余儀なくされている中、被災された人々は立ち上がっています。消防・警察・自衛隊の皆さん、自治体の皆さん、地域の皆さんそして全国から駆け付けたボランティアの皆さんの応援を受けながら、汗だくになって本格的な復旧作業等に取り組んでいます。
 このボランティアの中には、自衛隊のOBからなる公益社団法人隊友会の各県隊友会のオールドソルジャーの面々もいます。
 例えば広島県隊友会の熊野支部長以下7名。7月8日から防災協定に基づき熊野町役場の災害活動支援を開始。町長の状況判断の助言や役場と自衛隊の調整の仲介、避難者の誘導・受付、避難状況の確認及び未退避者の説得、自衛隊入浴施設への送迎ドライバー支援など、少ない町役場職員の補完勢力として献身的に活動して来ています。隊友会が目指す「現役時代の絆を退職後も活かそう!国民と自衛隊のかけ橋」の典型的な活動の一例です。これから本格的な復旧活動に入る熊野町役場を、引き続き支援していくとしています。
 こうした活動の中で、オールドソルジャーの皆さんは、現職の自衛隊員の皆さんを目の当たりにしています。曰く「自衛隊員の積極的かつ沈着冷静な行動に頭が下がる思いだ。頼もしく誇らしく思う」
 特に今回のような厳しい環境下でのボランティア活動は、誰にでも出来るわけではありません。でも私たちには、被災者の皆さんに対する声援の気持ちを、例えばささやかな義援金に託すことは出来ます。
 猛烈な暑さです。被災地の復旧に取り組んでいる皆さん、熱中症にはくれぐれも注意してください。

北原 巖男(きたはらいわお)
中央大学。70歳。長野県伊那市高遠町出身。元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長


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