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自衛隊ニュース   1108号 (2023年10月1日発行)
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木原防衛大臣 地元等へ視察
いかなる時も共にある

 「いかなるときも隊員と共にある」ーー。木原稔防衛大臣が9月14日、防衛省で着任式に臨み、25万人の隊員・職員と一丸なって国防の任に当たる決意を述べた。同23、24日には地元熊本県の部隊などを初度視察した。また、宮澤博行防衛副大臣、三宅伸吾政務官、松本尚政務官も就任し、新たな体制がスタートした。

 木原稔防衛大臣
 昭和44年8月熊本県出身。衆議院熊本1区選出、当選5回。早大卒。日本航空を経て防衛大臣政務官、財務副大臣、内閣総理大臣補佐官などを歴任。

防衛力を抜本強化
 木原大臣は防衛省A棟前儀仗広場で特別儀仗隊の栄誉礼を受けた後、講堂の着任式に臨み、幹部自衛官・職員に訓示を述べた。
 冒頭大臣は、「ここ市ヶ谷をはじめ、日本全国、さらにはソマリア沖アデン湾、ジブチ、南スーダン、シナイ半島など世界各国で国を守る、という共通の使命をもってそれぞれの任務に従事されている25万人の防衛省・自衛隊の諸君と共に、額に汗し、我が国の平和と独立、国民の生命と財産、安心と安全を断固として守るため、このたび防衛大臣として勤務できることを大変光栄に感じるとともに、改めてその重責に身が引き締まる」と述べた。
 また、岸田首相からの指示について触れ、「新たな3文書等に基づき2027年度までの5年間で防衛力を抜本的に強化する。この際、スタンドオフ防衛能力や、統合防空ミサイル防衛能力等を重視する。日米共同の抑止力、対処力を一層強化するとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、2国間、多国間の防衛協力・交流を推進する。在日米軍再編を進める中で、抑止力の維持を図るとともに、沖縄をはじめとする地元の負担軽減を実現する。警戒監視について、情報収集および事態に応じた対処を行うとともに、自衛隊の任務の着実な遂行に万全を期す」ことなどに力を入れる方針を語った。

高い士気と誇りを
 浜田前大臣の後継に全力を尽くす決意も表明。「引き継ぐバトンの第一は何といっても防衛力の抜本的強化の一日も早い実現だ。昨年末策定の3文書により、防衛力の抜本的強化の戦略と計画を示した。先月にはこの計画の2年目にあたる令和6年度の概算要求を行った」と述べた。
 さらに「約7兆7千億円という額は過去最高の水準。防衛力強化の迅速化のためには、必要な装備品を速やかに取得するだけでなく、部隊に届いたらすぐ運用できるようにする必要がある。特にスタンドオフミサイルやイージスシステム搭載艦など、新たに取得する装備品を取得後速やかに運用できるよう、必要な準備はしっかりと進めていただきたい」と述べた。
 「引き継ぐべきバトンの第二」として、「全ての隊員が高い士気と誇りを持って働ける環境の整備」も挙げ、「浜田前大臣におかれては、ハラスメントを一切許容しない環境整備に向けた道を切り拓いていただいた。この取り組みをしっかりと引き継いでいくとともに、隊員の処遇改善に全力で取り組んでいく」と語った。
 最後に、4月の陸自ヘリの事故に触れ、創隊以来の殉職隊員の御霊に哀悼の誠を捧げるとともに、「国内外の厳しい現場で働く隊員こそが自衛隊の、そして日本国の宝である。私はいかなるときも隊員と共にある。防衛大臣として、常にそれぞれの現場で働く隊員に思いを馳せ、全身全霊、職務に邁進することをお誓いする」と力強く語った。

熊本、沖縄へ
 木原大臣は着任後の9月23、24の両日、初度視察を行い、地元熊本県の陸自健軍駐屯地、同高遊原分屯地、同北熊本駐屯地、さらに沖縄県の宮古島、石垣両駐屯地を訪れ、隊員たちを激励した。宮古島、石垣両市長も表敬した。


新政務三役が始動
副大臣に宮澤氏
政務官に三宅氏と松本氏が就任

 宮澤博行防衛副大臣兼内閣府副大臣
 昭和50年1月静岡県出身。東大卒。衆議院比例東海ブロック選出、当選4回。磐田市議会議員を経て防衛大臣政務官などを歴任。

 三宅伸吾防衛大臣政務官兼内閣府大臣政務官
 昭和36年11月香川県出身。東大院卒。参議院香川選挙区、当選2回。日本経済新聞編集委員を経て参議院外交防衛委員長など歴任。

 松本尚防衛大臣政務官
 昭和37年6月石川県出身。金沢大卒。衆議院千葉13区選出、当選1回。日本医科大特任教授。日本でのドクターヘリによる病院前救急診療の第一人者。


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