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スペーサー
自衛隊ニュース   1097号 (2023年4月15日発行)
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新指揮官の下、団結して任務に邁進
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中央即応連隊長 堀口1陸佐
 中央即応連隊は3月13日、宇都宮駐屯地において、第8代中央即応連隊長に堀口大助1陸佐を迎え、着任式を実施した。
 立会官である陸上総隊司令官から「陸上自衛隊の戦略部隊である中央即応連隊を思う存分、指揮・統御してもらいたい」と激励を込めた紹介がされた。
 堀口連隊長は、訓示において要望事項を「魂」とし、「我々の存在意義は何か。国民、政治、上級司令部は我々に何を期待し、我々の行動がどのような『効果と結果』をもたらすことを期待しているのか。それができること、それをやること、そこに我々の存在意義がある。常に我々の存在意義に思いを致し、日々の隊務、任務、やるべきことに魂を込めよ」と所信を述べた。
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第5旅団最先任上級曹長 小野准陸尉
 第5旅団は3月25日、帯広駐屯地において、第5旅団最先任上級曹長交代式を実施した。
 旅団隷下各部隊の准陸尉、陸曹、陸士が参列する中、下番する吉村准尉から旅団長に対し最先任上級曹長識別章を返納し、鳥海旅団長自らの手により上番する第7代第5旅団最先任上級曹長小野准尉に対し識別章が授与された。
 吉村准尉は2年間に渡る上番間の思い出と、各部隊の先任上級曹長及び隊員に対する感謝の気持ちを述べるとともに、小野准尉は上番挨拶で、「あらゆる場を活用して皆さんと向き合い、部隊の現況を把握し、指揮官に伝え、効果的な指揮官補佐ができるよう、全身全霊で傾注していきます」と述べた。
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第5旅団 チーフWAC指名式
 第5旅団は、3月14日及び3月27日、帯広駐屯地において、旅団(幹部)チーフWAC指名式を実施した。
 旅団は女性活躍のより一層の推進を図るため、女性自衛官の目線から指揮系統上の指揮官を補佐する第5旅団(幹部)チーフWAC制度を実施している。
 第5旅団司令部の平川3佐が幹部チーフWACに、第5旅団司令部付隊の近藤1曹がチーフWACにそれぞれ旅団長より指名され、2人は「男女共に働きやすい、また相談しやすい環境づくりを推し進めて行きたい」と意気込みを述べた。
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第6師団長着任行事で20普連が一糸乱れぬ儀じょう
 第20普通科連隊(連隊長・荒木貴志1陸佐=神町)は3月31日、神町駐屯地において実施された「楠見師団長着任行事」において儀じょうを実施した。
 儀じょう隊長の第3中隊 加藤敢太3尉以下25名の隊員は、楠見師団長に対して、一糸乱れぬ厳正な儀じょうを実施し、第6師団の旗本連隊としての威容を示した。

ノーサイド
北原巖男
防衛省・自衛隊OBとして

 去る4月6日午後3時56分、坂本雄一第8師団長はじめ10名の隊員搭乗の陸上自衛隊多用途ヘリUH60JA機(熊本県高遊原分屯基地所属)が、沖縄県宮古空港の北西約18キロ・伊良部島の北側の海域で突然消息を絶ちました。
 海上保安庁の巡視船が回収した機体の一部と思われる漂流物や折りたたまれたままの救命ボート・・・テレビ報道で目の当たりにするとき、生起した事態の深刻さに震撼させられます。
 森下泰臣陸上幕僚長は、同日夜の緊急記者会見にて、航空事故と判断したことを明らかにするとともに、1秒でも早く隊員全員を救助するため全力で捜索・救難活動を継続する旨強調しました。陸・海・空3自衛隊・海上保安庁の皆さんは、夜を徹して懸命な捜索・救難活動を続けています。
 3月31日に第8師団長に着任したばかりの坂本雄一師団長。同師団が展開する可能性がある地域について、幕僚等の皆さんと共に、指揮官として自らその地形等を速やかに確認・掌握するための任務遂行途上であったと思います。
 ひたすら御無事を祈っておられる10名の隊員のご家族の皆様のお気持ちはいかばかりでありましょう。僕には、ご心中を拝察申し上げることはとうてい出来ることではありません。仲間の皆さんのお気持ちも同じです。
 一刻も早く、ご家族や仲間の皆さんの元に戻られることを願って止みません。
 ひたすら国民の負託に応えるため、厳しい安全保障環境の下にあって、不退転の決意と矜持そして謙虚さを以て全国各地にて黙々とそれぞれの任務の遂行に努めている現職隊員の皆さん。そして彼らを、いつどんなときも最も身近に在って支え続けておられるご家族の皆さん。
 そんな皆さんが、今回のような辛い現実に突如直面されることに改めて思いを至たすとき、僕たちOBに出来ることは、国防のバトンをしっかり受け継いでいる現職隊員の皆さんやご家族の皆さんを、これからも激励し応援して行くことだと強く感じています。
 反対に、万が一にもOB自身が現職の皆さんの身を危うくさせるようなことがあってはなりません。
 その点で忘れられないのは、昨年末明らかになった海上自衛隊の特定秘密等漏えい事案です。これは、現職の一等海佐が元上司であるOBの求めに応じてブリーフィングを実施した際に、自ら秘密を漏えいしたとして最も重い懲戒免職処分を受けた事案です(横浜地検は、本年3月14日不起訴処分を決定)。ちなみに当該OBは、秘密情報の提供を求めた事実は無かったとして、全くのお咎め無しでした。
 もちろん、一等海佐の秘密保全意識の欠如については断じてあってはならないことであり、秘密漏えいの責任を取らなければなりません。しかし同時に、僕は、元上司のOBを前にしてブリーフィングを行う際の彼の気持ちを勝手に推察するとき、とても心が痛むのです。
 僕たちOBは、微塵たりとも現職隊員を苦しめるような立場に追いやってはなりません。自らの言動が追いやる可能性は無いのか、常に自問しなければなりません。自戒しなければなりません。
 防衛省は3月31日に再発防止措置を取りまとめました。
 同日、浜田靖一防衛大臣は全組織に通達して全ての職員にその徹底を命じました。
 その内容については、現職隊員の皆さんはもちろん、僕たちOB一人ひとりも、まずしっかりと理解しなければなりません。そして徹底した遵守です。そうでなければ、 "のど元過ぎれば" に陥り、実効性を確保して行くことは出来ません。(防衛省HP参照‥「報道・白書・広報イベント」→「報道資料」→「お知らせ」→「3月31日 海上自衛隊における特定秘密等漏えい事案に係る再発防止措置について」→「特定秘密等漏えい事案に係る再発防止措置(概要)」→「防衛省を退職された皆様へ」)
 例えば、情報部署の職員のOBに対するブリーフィングの実施は禁止。それ以外の部署の職員がOBにブリーフィングを実施する場合には事前の許可及び実施結果の報告が必要。OBがブリーフィングを依頼する際は、所要の連絡調整を行う部署に連絡。情報部署の職員がOBと面会する場合は、事前の許可及び面会結果の報告が必要。それ以外の部署の職員がOBと面会する場合は、面会結果の報告が必要。
 OBは、退職後も守秘義務を負う。漏らした場合は刑事上の処罰の対象。OBが過去の職務上の上下関係を利用するなどして職員に秘密情報の提供を求める行為は秘密情報の漏洩の教唆として刑事上の処罰の対象。当該情報提供の依頼により、職員が職務上知り得た秘密を洩らした場合、免職等の重処分を受けることとなり、職員の業務生活に深刻な影響を生じさせる。
 防衛省では、「今回の措置により、防衛省・自衛隊の施策等に対する皆様の理解の妨げにならないよう、対外的に公開可能な資料を用いて、情報発信を積極的に実施して参ります。」としています。
 僕たちOBは、新たに決まった再発防止措置を厳守し、これからも日々頑張っている現職隊員やご家族の皆さんを激励し応援を続けて参りましょう。併せて防衛省・自衛隊に対する国民の理解と支持が得られるよう、それぞれ可能な範囲で積極的に努めて参りましょう。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


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