防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1064号 (2021年12月1日発行)
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ゲッキーの突撃レポート
第9回
宇都前外務副大臣に聞く

ゲッキー)
衆議院総選挙、お疲れ様でした。結果含めて感想をどうぞ。

宇都)
ありがとうございました。私も12日間、全国各地の同志の応援に入って、とても忙しい選挙日程をこなしていました。自民党は276議席から15議席減らして261議席に減らしましたが、厳しい選挙戦に関わらず「何とか持ちこたえたな」というのが感想です。

ゲッキー)
実際に総選挙を通して有権者と接する中で、どのような期待や不満を持っているように捉えましたか?

宇都)
やはりコロナと、それに伴う経済を何とかして欲しい、という声がとても大きかったと思います。一つの争点で争う「ワンイシュー型選挙」ではなく、社会全体の諸々の課題に対して、それを解決するための具体性を強く求められていたように感じました。選挙戦を通じて、外交・防衛政策をしっかりと公約に訴えていたのは自民党くらいでしたが、みなさんとても感心が高く、熱心に聞いてくださっていたのがとても印象的でした。恐らく、安全保障環境が非常に厳しいことを、一般国民も肌で感じているのだと思います。また、政治と金の問題や、政治家自身の資質に関しては、自民党には非常に風当たりが厳しく、沢山の批判やご指導を賜りました。これから私たちが自浄作用を発揮して、自民党自体を改革して行かなければなりません。

ゲッキー)
注目の選挙区はありましたか?

宇都)
大阪を中心とした関西圏で「維新の会」の勢いを感じました。この流れは数年前からありましたが、特にコロナにおいて府知事や市長が前面に出て頑張っている姿が、大阪府民には好意的に捉えられたのではないでしょうか?元の11議席から、今回41議席に増加する大躍進を見せました。

ゲッキー)
維新の会の躍進で、国政に変化はありますか?

宇都)
大いにあります。維新の会は野党なのですが、これまでも自民公明の政権与党とは、何でも反対するのではなく「政策ごとに是々非々」で対応してきました。防衛力の強化に関しては非常に前向きな政党ですし、憲法改正に関しても推進派です。連立与党である公明党の32議席(元29議席)を大きく上回ったことにより、要所要所にて政治的キャスティングボートを握る期間も多くなるでしょう。憲法改正に関しても、その実現はより現実味を帯びてきたと言えます。

ゲッキー)
気になる投票率は、どうだったのでしょう?

宇都)
投票率は55・93%で、残念ながら戦後3番目に低い投票率となりました。20代が33・8%、30代が44・7%、40代が53・5%で、やはり若い世代の投票率の向上が課題です。一方で、10代は18歳が51・14%、19歳が35・04%と好成績だったのは未来に希望が持てますね。

ゲッキー)
来年夏は、いよいよ参議院選挙ですね。

宇都)
衆議院総選挙とは違い、参議院選挙は半数改選をします。また、選挙区と比例区の重複立候補ができないので、比例復活という制度がありません。それと、比例区の投票要領が異なります。衆議院総選挙の比例区は「党名」を記入する方式。参議院選挙の比例区は「党名もしくは個人名」を記入する方式なのが特徴です。党による比例名簿はなく、一番名前を書いてもらった人から順に当選するのです。制度の違いをよく理解して政治参画してくださいね。

 宇都隆史(自由民主党参議院議員、前外務副大臣、元航空自衛官)
 昭和49年生まれ、鹿児島県出身。平成10年に防衛大学校卒業(第42期)、航空自衛隊入隊。平成19年に政治の道を志して退官。平成22年自民党比例区で参議院議員に初当選。


3年振り! 並木祭開催!
防衛医科大学校
 令和3年度防衛医科大学校(学校長・四ノ宮成祥)学校祭、通称「並木祭」が、10月30日及び31日に開催された。これは、医学科・看護学科の両学生による文化活動などの発表の場及び学生相互の融和団結の促進、そして募集対象者への広報も担い、防衛医大に対する一層の理解促進を図ることを目的として実施される物で、来場者は約2200名を数えた。
 コロナ禍ということもあり、来場者は学生の親族と募集対象者等の事前申請者(2週間前からの検温等健康観察を実施)に絞り、3密回避、マスク着用、手指消毒、各所の収容人数制限、換気等、徹底した感染対策の元で実施された。
 例年は創立記念日に行われていた観閲式を今回初めて並木祭で実施。また、文化活動の発表の他、医学研究展示・看護展示・健康診断を行なった。海自東京音楽隊や空自入間修武太鼓などが「並木祭」に花を添えた。
 昨年は、新型コロナの影響で中止、一昨年は台風により中止となり3年振りに開催された「並木祭」に参加した学生は「校内全体が久しぶりに活気づいて楽しかった」「練習してきた事を久々に発表することができて嬉しかった」「開催まで苦労も多かったが充実した並木祭だった」等と嬉しそうに語っていた。

66周年記念行事開催
<山口駐屯地>
 山口駐屯地(司令・杵淵賢一1陸佐)は、10月10日、山口県知事代理で副知事の小松一彦氏、山口市長の渡辺純忠氏及び県議会議員、市議会議員、各自治体、協力諸団体、山口県所在の海、空・基地司令、広島、山口各地方協力本部長、部内外から多数の来賓が臨席のもと、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、来場者を山口県内の方に限定する形で、昨年よりも多くの方々と共に、山口駐屯地創設周年記念行事を開催した。
 観閲式において、杵淵駐屯地司令は、「いかなる事態でも任務を完遂出来るよう発展しなければならない。また、地域や郷土へ貢献しつつ、感謝の気持ちを持ち続け、共存し、地域の皆様に信頼される駐屯地であることを目指します」と、挨拶を述べた。続いて、小松一彦副知事、渡辺純忠市長から、駐屯地に対する信頼と強い期待を込めた祝辞がおくられた。
 続く観閲行進においては、威風堂々の徒歩部隊の行進に引き続き高機動車、軽装甲機動車、第13戦車中隊(岡山県)の戦車等の車両及び航空自衛隊第12飛行教育団(防府市)の「T-7」練習機、海上自衛隊小月教育航空群第201教育航空隊(下関市)の「T-5」練習機、第13飛行隊(防府市)の多用途ヘリコプター「UH-1J」が迫力ある行進・観閲飛行をした。
 観閲行進終了後には、山口維新太鼓部が、日頃の訓練で鍛えられた肉体から繰り出される力強い自衛太鼓演奏を披露した。次く、訓練展示においては、陣地攻撃における一連の行動を展示し、迅速な近接戦闘部隊の攻撃前進や、狙撃手等による潜入による狙撃が行われる中、第13特科隊(岡山県)が保有する155mmりゅう弾砲FH70や74式戦車の空砲射撃が行われ、戦闘の一部をリアルさをもって展示した。また今年は第13音楽隊と山口駐屯地音楽部の合同演奏に萩光塩学院吹奏楽部の学生も加わり、ボリュームのある演奏を披露した。
 その他にも、戦車試乗、戦闘車試乗、装備品展示、山口県立大学の協力を得たVR体験コーナー、子供向け催し、作品展、史料館(防長尚武館)開放などのイベントも行われ、市内から訪れた20代の女性は「自衛隊を色々体験できて良かったです。また来年も来ます」と満足の様子だった。来場者に自衛隊への理解を更に深めることができ有意義な1日となった。
 なお、前日の10月9日には、総合予行の場を活用した「家族の日」、「職業紹介ツアー」を実施し、隊員家族や、ツアー参加者に対しても、平素の自衛隊の活動への理解促進を図ることが出来た。

ドローン撮影 災害時に連携
<第15旅団>
 第15旅団(旅団長・佐藤真陸将補=那覇)は、一般社団法人「災害ドローン沖縄ORG(代表理事・仲井間卓)」と協定書を締結した。同法人は、無人機ドローンを取り扱う事業者で構成されており、災害発生時に同法人が撮影した映像や画像を旅団に提供し、自衛隊による現場での対応を迅速化するというもの。同法人の仲井間理事は「日本の平和と安全また災害時の最前線で活躍するトップ集団と協定を結び活動できることを一県民として誇りに思います」と述べている。

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