防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   1060号 (2021年10月1日発行)
-
1面 2面 3面 4面 5面 6-7面(PDF) 9面 10面 11面 12面

ノーサイド
北原巖男
信頼

 本紙が全国各地の隊員の皆さんや家族の皆さんのお手元に届くころには、10月4日に招集された第205回臨時国会で菅首相の後任となる第100代首相が選出され、新しい内閣が発足。直ちに副大臣、政務官人事も行われ、防衛省を始め各省庁の政務3役の顔ぶれが揃っていることと思います。新たな出発です。
 コロナ禍・経済財政・少子高齢化・エネルギー・地球温暖化、そして中国・北朝鮮・QUAD・AUKUS等をめぐる外交安保など、動きの激しい複雑困難な内外諸情勢の中に在って、これらに私たちのリーダーであり日本のかじ取りを託された新首相が、どう取り組んで行くのか、そしてその方途は。
 国権の最高機関である国会の場で、国民に初めて示すのが「所信表明」です。そしてそれに対する各党の代表質問への答弁です。分かりやすく丁寧な、責任ある説明・答弁等を通じて、国民の新首相に対する信頼構築に向けた一歩を踏み出して行って頂きたいと思います。
 本稿を書いている時点では、臨時国会の会期がいつまでか分かりませんが、10月21日には衆議院議員の任期が満了します。そして11月、現行憲法の下で初めてとなる任期満了後の衆議院議員選挙突入とみられています。
 隊員の皆さんを始め、私たち選挙権を有する一人ひとりは、どこまでも選挙のかけがえのない当事者です。信頼できる政治を託すため、自らの信じるところに従い、貴重な一票を是非とも行使し、国民としての権利と責任を果たして行きましょう。
 コロナ禍のため、国民の皆さんが防衛省・自衛隊に接する機会は格段に少なくなったまま推移しています。そんな中、9月18日〜10月3日まで、若者の街東京秋葉原にて、普段から「自衛隊が出来ないことで自衛隊を応援する!」をモットーに掲げている吉田佳子防衛ホーム社長を指揮官とする「防衛ホーム臨時アキバ派遣隊(仮)」が元気よくオペレーションを展開。本年2月の第1次隊での経験や教訓を踏まえた、満を持しての第2次隊投入です。
 早速、筆者もおっとり刀で駆け付けました。会場に入るや否や、第1次隊に寄せられた全国の部隊等の協力と期待の輪が、今回一段と広がりをみせていることを感じました。吉田隊長の決意と覚悟の行動が以心伝心で自衛隊の皆さんに伝わり、自衛隊の皆さんが意気に感じ、可能な限りの協力をされている、そんな信頼の絆が背景にあるのではないでしょうか。
 北海道から沖縄まで全国各地、数多くの陸海空自衛隊の部隊・駐屯地・基地・学校・地方協力本部等がパンフレットやポスター、装備品等の写真を提供。自衛隊のさまざまな日常生活や活動、隊員の皆さんの紹介なども会場いっぱいに埋め尽くされています。
 「陸自飯グランプリ」(ラーメン、肉料理、丼、ご当地グルメの4部門)発表の写真もワクワクします。ちなみに、総合グランプリに輝いたのは真駒内駐屯地の「日本新三大夜景藻岩山ラーメン」。肉料理部門1位は、守山駐屯地の「三種肉ひつまぶし」。丼部門は三宿駐屯地の「三宿丼」そしてご当地グルメ部門は伊丹駐屯地の「伊丹飯」。是非、食べ歩きしてみたいものです。部外者でもOKですよね。
 自衛隊が実施しているワクチンの「大規模接種センター」での活動を紹介するボードには、こんな記述も。自衛隊に対する国民の皆さんの信頼の根幹の一端に触れた思いがします。
 「大規模接種センターは、医官や看護官だけでは運営できません。センターの運営をマネジメントする本部要員、隊員や物資の管理から食事の準備等もする管理要員、案内誘導や接種者の流れを管理する支援要員、そして多くの民間人の皆様との協力・連携により運営しています。スタッフ一人ひとりがマスク着用はもちろんのこと、手指消毒や衛生管理に気を付け、部署ごとのミーティングや引き継ぎにより、接種者の方々に安心頂けるようOne Team
 で取り組んでいます」
 男女隊員からのメッセージ(一例)は。「信頼できる仲間がいる」、「あたいがこいで国を守っど」、「資格が沢山取れました」、「なりたい自分が見つかります」、「なりで自分さ向がってブレねでまっすぐど!」、「自分も、この自衛隊という風景を楽しみながら、この風景の中で、今後も成長して行きたいと思っています」
 なんと「秋女 "AKIJO" 」と題するパンフレットも。全国の陸海空自衛隊で活躍する秋田出身の女性自衛官の一部の方々ですが、 "AKIJO MAP" 付きで紹介。
 会場は、たまたま秋葉原に来たので立ち寄りましたという若者達やカップル、親子連れ等の皆さんが多く、ある若者は「自衛隊オタクの人が来るとばかり思っていました。違うんですね。隊員の皆さんから親切な説明を受けとても勉強になりました」と語ってくれました。
 「防衛省・自衛隊の活動は、国民一人一人の理解と支持があって初めて成り立つものであり、分かりやすい広報活動を積極的に行い、国民の信頼と協力を得て行くことが重要である」(令和3年度防衛白書)
 コロナ禍の下、秋葉原のど真ん中にあるビルのワンフロア-で、「防衛ホームと防衛省・自衛隊」、「防衛省・自衛隊と国民」、「国民と防衛ホーム」を結んで出来る三角形。
 「信頼のトライアングル」だなぁ・・・フトそんな言葉が浮かんで来るのを感じつつ会場を後にしました。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


座間駐屯地曹友会英会話教室
在日米陸軍を通じて講師を招へい
 座間駐屯地曹友会(会長・江口一武1陸曹)は、7月下旬から在日米陸軍を通じて英会話のボランティア講師を招き、課業後の時間を活用して初心者向けの英会話教室を実施している。
 今回の英会話教室は、曹友会が活動の一環として、自学研鑽のため英語学習の場を模索していたところ、日頃より交流のある在日米陸軍基地管理本部を通じて講師を紹介してもらうことで実現した。
 講師(ロドニー・ホロウェイ氏)は米軍人及び軍属の家族が通う小学校で教師として勤務しており、かねてから奉仕活動及び自身の教育能力のスキルアップを希望していたため、相互のニーズが見事に合致した。
 毎週1回を基準に、コロナ感染症対策に留意し、曹友会の会員に関わらず幹部、陸士、事務官も希望者は参加可能とし、部隊や階級の枠を超えて、英語学習に関心のある隊員が集まり、毎回楽しく英語を学んでいる。
 座間駐屯地は陸上自衛隊で唯一在日米陸軍と同じ敷地内に所在することから、訓練や行事等で米軍と交流する機会が多々あり、英語学習に興味のある隊員が多い。
 参加した狩谷3曹は、「普段から米軍人が周りにいる環境で勤務しているので、英語を話せるようになりたいと思っていましたが、なかなか機会がありませんでした。今回参加してみて、思ったより堅苦しくなく楽しく学ぶことができました。また参加したいです」と述べた。
 座間駐屯地は、引き続き様々な交流を通じて駐屯地一丸となって日米の連携を強化していく。

シンボル「降下塔」がお土産に!
<習志野駐屯地>
 陸上自衛隊習志野駐屯地(司令・堺一夫陸将補)から離れた場所でもすぐに眼に飛び込んでくる紅白の塔が、高さ約84mの「降下塔」だ。これは空挺隊員になるための教育「基本降下課程」において、実際の航空機から降下をする直前に、言わば最終段階で行う訓練に使用され、落下傘を装着した隊員を吊り上げてから切り離し、実際に操縦・着地要領を訓練する。空挺隊員にとっては「東京タワー」や「スカイツリー」よりも遙かに印象深く、そのそびえ立つ姿はまさに習志野駐屯地のシンボルである。吊り上げられた時の景色は絶景で、晴れた日には遠く富士山や筑波山、秩父山系の山々も見られるが、実際は緊張のあまり景色を眺める余裕はあるとかないとか…
 そんな「降下塔」をモチーフにしたお土産が登場した。その名も「陸上自衛隊習志野駐屯地玉子せんべい」。
 丸い玉子せんべいに「降下塔」をはじめ「落下傘降下の様子」「空挺徽章」「習志野駐屯地のロゴ」の4種類がプリントされたもので、お土産に手ごろな20枚入りと10枚入りがある。今後は人気商品の「第1空挺団どら焼き」と並ぶ習志野駐屯地の名物となりそうだ。

東京地本企画の職場体験「オフィスツアー」を空幕募集班が支援
 航空幕僚監部募集・援護課募集班(以下「空幕募集班」)は、去る9月11日に東京地方協力本部(以下「東京地本」)の依頼により、市ヶ谷基地内において60名を対象とした研修支援を行った。本研修は、東京地本が「オフィスツアー」と銘打ち企画したもので、一般大学出身の陸海空幹部自衛官との懇談、海上自衛隊艦艇の見学に併せ、陸上、海上及び航空幕僚監部から参加者に対して、入隊10年後のキャリアをイメージしてもらうよう各自衛隊の概要を説明し、自衛隊の「魅力」や「やりがい」を伝えることが計画された。
 空幕募集班からは、同班員でF-15パイロットの吉沖3佐及び人事の専門家である東3空佐が説明を担当し、「空」のことから「人」のことまで航空自衛隊の魅力等を披露した。
 航空自衛隊及び航空幕僚監部の概要説明の後、参加者からは、「入隊後の訓練は厳しいのか?」、「女性の活躍の場や、職種の制限はあるのか?」、「飛行要員受験時の身体検査基準は?」等、将来を見据えた活発な質問があった。それに対し両名は、自らの勤務経験を踏まえて親身に分かりやすく回答するとともに、時折、笑い話を交え会場内は、終始、和やかな雰囲気であった。
 今後も空幕募集班は、厳しい環境で募集にあたる全国各地方協力本部を支援し、防衛省自衛隊の人材確保に邁進する所存である。

NEXT →
(ヘルプ)
-
shop
-
マスク
-
日本の機甲100年
通販部
10
Copyright (C) 2001-2021 Boueihome Shinbun Inc