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自衛隊ニュース   1013号 (2019年10月15日発行)
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61式戦車をヨルダンに無償貸付
ヨルダンは同国開発装甲車を日本に寄付
王立戦車博物館に61式戦車
 10月1日、防衛省において「日本-ヨルダン間の装備品に関する協力に係る式典」が開催された。これに先立ち、河野太郎防衛大臣は、駐日ヨルダン特命全権大使のリーナ・アンナーブ氏と懇談も行った。
 今回の式典は、日本とヨルダンの友好の証として、日本からは退役済みの61式戦車の無償貸付を、ヨルダンからは同国で開発された装甲車の寄付がされたことを記念するもの。61式戦車は、滝ヶ原駐屯地に展示されていたものでエンジン等は取り外されている。昨年4月にヨルダンのアブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王から当時外務大臣だった河野大臣に、ヨルダン王立戦車博物館での展示用として要請があり実現した。ヨルダンで開発された装甲車も、昨年12月に同国王から陸上自衛隊に贈呈したい旨があり実現した。双方とも今年8月に授受が完了し、61式戦車は先月からヨルダン王立戦車博物館で展示されている。
 式典では、高橋事務次官、西田審議官、湯浅陸幕長、武田装備庁長官、高橋外務省中東アフリカ局長等関係者約20名が見守る中、河野大臣とアンナーブ大使との間で目録の署名と交換が行われた。河野大臣は「61式戦車は、開発した当時の技術力を結集してつくられたもの。状態の良いものは少ないので多くの人に見てもらいたい」とスピーチした。

米7艦隊司令官、在日米軍司令官と相次いで会談
エスパー米国防長官・ムハンマド沙皇太子・レイズ豪国防大臣と電話会談
 河野太郎防衛大臣は防衛省で、10月3日に米海軍第7艦隊司令官のウィリアム・R・マーズ海軍中将、7日に在日米軍司令官兼第5空軍司令官のケヴィン・B・シュナイダー空軍中将の表敬訪問を受けた。マーズ中将は9月12日に米海軍横須賀基地における交代式で米海軍第7艦隊司令官に着任したばかり。シュナイダー中将とは北朝鮮の弾道ミサイル発射事案等を踏まえて、日米の連携をより深めて対応していくことをあらためて確認した。また10月3日はエスパー米国防長官、ムハンマド・サウジアラビア王国皇太子兼国防大臣、2日はレイルズ豪国防大臣と電話会談を行い、防衛協力や安全保障環境に関して意見交換を実施した。エスパー米国防長官とは、引続き日米の緊密な連携を確認するとともに、日米韓3カ国の緊密な協力が重要であることも確認した。

UNFMAC(試行訓練)
陸自医官初派遣
湯浅陸幕長に出国報
 国連野外衛生救護補助員コース(UNFMAC・試行訓練)に陸自医官が初めて派遣されることになり、10月1日、湯浅悟郎陸上幕僚長に衛生学校の草薙恭圭3陸佐及び松野直樹1陸尉の2名が出国報告を行った。
 これは、国連三角パートナーシップ・プロジェクト(TPP)の枠組みで実施される国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト(RDEC)として10月7日から10月18日まで、ウガンダ共和国の国連エンテベ地域支援センターで行われるもの。訓練生は、国連南スーダン派遣団(UNMISS)及び国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUSCO)へ派遣中の各国PKO要員から30名が参加する。
 陸上自衛隊はこれまで施設分野からRDECに参加し、重機操作訓練を行なっている。これまでの陸上自衛隊の取組みに対する評価はとても高かったことから今回、国連の要請により自衛隊が培ってきた衛生能力を活かすための派遣となった。
 近年、国連PKO現場において年間100名以上の要員が死亡している。これは、基礎的な応急処置が施されてから専門的な医療処置が行われる間の対応要領が普及していないことが原因。そこで国連では今回派遣するUNFMACと国連応急救護課程(UNBFAC)を作り、これからは各国同士で連携を取り、お互いを高めていくこととしている。

ジブチ災害対処能力強化支援
4回目の派遣 初の整備教育も
 10月3日、ジブチ災害対処能力強化支援に係る派遣要員が、陸幕第1応接室で湯浅悟郎陸上幕僚長に出国報告を実施した。派遣団は第1施設団第5施設群(高田)を基幹とする森杉荘司2陸佐(副群長)以下12名。
 湯浅陸幕長は「森杉2陸佐の指揮のもと、一丸となり、日本の高い施設機械操作能力と優れた整備能力を、情熱を持って教え、伝えてほしい」と期待を寄せた。また、初の整備教育について「困難が伴うと思うが、創意工夫をして教育にあたってほしい」と要望した。
 本事業は防衛当局間の関係強化を通じた2国間の相互理解・信頼醸成の促進を目的としたもので、平成29年1月、同年10月、平成30年9月と実施されて今回で4回目となる。派遣団は、ジブチ軍工兵部隊32名に対して重機の操作及び整備教育を実施する。整備教育については今回が初めての試みだ。訓練の一環としてジブチ軍訓練場の整地も予定している。派遣期間は10月3日から12月16日まで。なお、本事業は来年度も実施され、東部方面隊隷下の施設部隊が基幹となって派遣される予定とのことだ。

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