シンガポール
5月22日、岩屋毅防衛大臣は、シンガポールのウン・エンヘン国防大臣と防衛省で会談を行った。両国による防衛相会談は、昨年10月にシンガポールで開催された拡大ASEAN防衛相会議(ADMMプラス)で行って以来7カ月振り。
岩屋大臣は来日を歓迎するとともにADMMプラスで議長国を担ったシンガポールの功績に敬意を表した。また、両国間で交わした「防衛交流覚書」の署名が今年で10周年を迎えるにあたり両国間の交流が「特に寄港等の分野で着実に深化している」とし、インド太平洋方面派遣訓練中の護衛艦「いずも」「むらさめ」が5月12日にシンガポールチャンギ港に寄港した際の協力に謝辞を述べた。続けて「日本はASEAN諸国との協力を重視しており、新しい防衛大綱のもと両国の防衛協力をさらに深化させたい」と述べた。
これに対し、ウン大臣は「日本がADMMプラスに果たす役割は大きい」、「自衛隊の艦船がより我が国に寄港してくれることを願う」等と述べ、「2人の任期中にもっと2国間および多国間の演習をADMMプラスの枠組みの中で行っていきたい」と期待感を示した。
両大臣は日本の防衛大綱や「自由で開かれたインド太平洋」について認識を共有した他、ADMMプラスの機会を含めて、多国間協力及び日ASEAN協力を進めていくことで一致。北朝鮮問題に関しても「瀬取り」対処を含め引き続き連携していくことで一致した。
カタール
翌23日、岩屋大臣は防衛省でカタールのハーリド・ビン・ムハンマド・アル・アティーヤ副首相兼防衛担当国務大臣と会談を行った。
アティーヤ大臣は叙勲授与式のために来日。岩屋大臣はお祝いの言葉を述べると共に、2011年の「東日本大震災」におけるカタールからの多大な支援に感謝の意を伝えた。両国関係は、2013年に安倍首相がカタール訪問の際に出された共同声明、2015年に署名された「防衛交流覚書」に基づき進展しており、岩屋大臣は「将来を見据えた持続的な防衛協力・交流が続いており、大変嬉しい」と述べた。アティーヤ大臣は「エネルギー・投資・経済分野のみならず、防衛分野・教育・保険といった分野において更なる協力を推進していきたい」と期待を述べ、両大臣はより広い分野での交流を今後も行っていくことで一致した。
地域情勢においては、岩屋大臣から北朝鮮問題が、アティーヤ大臣からは中東情勢について説明があった。両大臣は地域の平和と安定のため、関係国の信頼醸成が重要であるとの認識で一致した。 |