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自衛隊ニュース   1000号 (2019年4月1日発行)
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輸送コンテナを導入
<北部方面輸送隊>
 北部方面輸送隊(隊長・小澤和之1陸佐=真駒内=当時)は、輸送の効率化・近代化を図るため積付資材として20 ftコンテナの導入を図り、3月4日に入魂式を実施した。今回納入された20 ftコンテナは、一般のコンテナに比べ背丈の低い仕様となっていて、輸送隊の装備する特大型トラックに積載しても一般道を制限なく通行することができるため、コンテナによる迅速・円滑な補給品等の輸送が可能となる。
 輸送のコンテナ化は、トラックや鉄道や船舶などの複数の輸送手段を乗り継いで補給品を運搬する複合一貫輸送において、積替え時間の短縮や作業の効率化等の効果を発揮する。よって島嶼部に対する兵站の迅速・円滑化に大きな効果を発揮することが期待されている。また、平素においても補給品等の輸送に活用することで、補給品の雨水からの保護、落下防止等の効果を得ることが可能となる。
 3月4日の入魂式では小澤隊長が「コンテナの導入により輸送の効率化が図られ、兵站の実効性を向上させることができる。今後、輸送隊としてコンテナの運用に習熟するとともに、引き続き安全に輸送を実施していこう」と訓示。北部方面輸送隊の全隊員が輸送の安全及び信頼される野戦兵站部隊となることを誓った。

救急搬送した小学生と再会
<第1輸送航空隊・航空機動衛生隊>
 「いつか自衛隊のみなさんに直接会ってお礼が言いたいです」-。平成30年3月に第1輸送航空隊と航空機動衛生隊が災害派遣要請に基づき搬送した、愛知県の小学5年、竹内向日葵(ひまわり)さん(11歳)が、小牧基地オープンベースに併せて来基された。
 向日葵さんは血液の病気の治療による合併症で重篤な肺障害に陥り、治療を受けるためには入院している名古屋大学病院から約300キロ離れた岡山大学病院まで移動しなければならなかった。向日葵さんは自分の肺だけでは血液の酸素の取り込みが不十分であり人工呼吸器に加え人工肺まで装着しており、極めて重症度・緊急度が高く救急車やドクターヘリでは搬送が不可能であったため、第1輸送航空隊のC-130H輸送機に、「空飛ぶ集中治療室」と呼ばれる機動衛生ユニットを搭載して、集中治療を継続しながら搬送することとなった。平成30年3月23日、愛知県知事からの災害派遣要請に基づき、第1輸送航空隊と航空機動衛生隊は小牧基地から岡山空港まで無事に向日葵さんを搬送した。そしてその5日後に治療が行われ、数ヶ月間の入院の末に向日葵さんは無事に退院された。退院後に向日葵さんとご両親から丁重にお手紙を頂戴し、その中で向日葵さんから「会って直接お礼がいいたいです」とあり、小牧基地オープンベースに併せて向日葵さんとご両親を招待したものである。
 船倉慶太空将補(小牧基地司令兼ねて第1輸送航空隊司令)、当日搬送に携わった第1輸送航空隊第401飛行隊の操縦士ら、航空機動衛生隊員らが向日葵さんそしてご家族をお出迎えし懇談した。船倉空将補は、「私たちは常に国民に向き合っていますが、こうしてお元気になられたお姿を見て直接お話ができるのは防衛省・自衛隊としても望外の喜びです」と述べた。
 それに対してお母様からは、「命を救ってくださった自衛隊の方と直接お会いすることができ、娘も改めてこんなに素晴らしい方々のお力添えを頂いていたことを知り、何かを感じているようです。自衛隊の方に助けていただき、命を救ってくださったことは娘にとってかけがえのない最高の財産です。どんな言葉を並べても足りませんが、本当にありがとうございました」とのお言葉を頂戴した。その後、向日葵さんとご両親は、ブルーインパルスの飛行など、オープンベースを心ゆくまで満喫され、帰路につかれた。

平成30年度海上自衛隊先任伍長会報を開催
 海上自衛隊先任伍長(関秀之海曹長)は2月4日から5日にかけ、海上自衛隊先任伍長会報を開催した。これは年1回実施する最大規模の先任伍長会報であり、本年度参会の先任伍長は64名を数えた。
 計画された講習等は8項目に上り、海幕担当者各課担当者の熱心な説明に対し、参会の先任伍長も真剣な面持ちで聞き入っていた。質疑応答の機会が設けられると、白熱した議論が繰り広げられる場面もあり、先任伍長が日々向き合っている任務への熱意を垣間見た。
 海上幕僚長の講話、海上幕僚副長との懇談において直接話が聞け、参会の先任伍長にとって、以降の勤務に取り組むにあたり良い刺激となった。「 "笑った" 瞬間に、人は幸せを感じている」「一日一回、人を笑わせる」という思いを語った海上幕僚長の講話は、時折笑いの起こる "幸せ" な時間を演出するものであった。日々海曹士隊員と向き合う、先任伍長に期待される "部隊士気高揚" 、その雰囲気を体感し、共有し、各先任伍長は再び全国の持ち場へ向かっていった。

災害時にバイク団体から情報収集
初動時の情報の空白を埋める
<東部方面隊>
 東部方面隊(総監・高田克樹陸将=朝霞)は、3月18日、民間団体「災害ボランティアバイクネットワーク関東(VBN)」との災害時応援に関する協定を締結した。
 協定の内容は、関東甲信越の1都9県における大規模災害時に、東部方面隊の要請に応じ、VBNのメンバーがオートバイによる被害状況の情報収集を行うというもの。
 記者会見で東部方面総監部情報部長嶋本学1陸佐は「自衛隊にもバイクはあるが、出来るだけ多くの情報が収集できることを期待している」と述べた。また、赤坂会長は、「現状で約100名の会員から協力の承諾を得ている」ことを明らかにした。
 なお、協定の締結に先立ち、VBNの主要幹部等6名に対し東部方面隊の災害派遣に関する活動状況等を説明し、情報提供を期待する場面等に関する理解を得た。また第7偵察隊斥候小隊を原隊とする情報部長から、偵察隊のオートバイ運用や自身が所有していたオートバイ遍歴等が披露されると、席上はオートバイの話題で盛り上がり、出席者は「このような話がこの場で出来るとは思っていなかった」と笑みを浮かべ、協力機運を更に高めた。
 陸上自衛隊が2輪車業界団体と災害協力協定を締結するのは全国で初めて。
 東部方面隊は、今後、災害発生時におけるVBNとの連絡態勢の構築、情報収集要領の具体化等を進めていくことになる。

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