防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   979号 (2018年5月15日発行)
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沖縄で日米将官級懇談会
3自指揮官と在日米軍指揮官が意見交換
 4月25日、航空自衛隊那覇基地にて今回で3回目となる日米将官級懇談会を開催した。本懇談会は、同日に開催された南西地域の3自衛隊(西部方面隊、佐世保地方隊、西部航空方面隊及び南西航空方面隊)指揮官による西部地区指揮官会議に引き続く形で開催され、自衛隊指揮官のほか同地域の在日米軍(第3海兵遠征軍、第7艦隊水陸両用部隊、第18航空団)指揮官を交えて意見交換を行った。
 南西航空方面隊司令官 上ノ谷寛空将が、主催者挨拶にて沖縄を含む南西地域を守る日米指揮官が日頃から顔を合わせて話しをすることの重要性を強調したように、限られた時間ではあったが、日米指揮官は、周辺情勢及び自衛隊と米軍の連携深化について忌憚なく意見を交わし、最後に次回もまた沖縄で開催することを約束し盛況のうちに閉会した。
 前回の平成28年7月に引き続き、3自衛隊及び在日米軍が所在する沖縄の地で開催をし、自衛隊の統合運用の実効性向上のみならず強固な日米同盟を確認した有意義な懇談会であった。

多くの市民が来場
創立記念行事
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弘前 50周年
 弘前駐屯地(司令・北島一1陸佐)は4月21日、駐屯地創立50周年記念行事を挙行した。
 当日は晴天に恵まれ、絶好の記念日日和となり、約3300人の市民が駐屯地を訪れた。
 今年は弘前市観桜会100周年の節目の年でもあり、弘前市の上空を航空自衛隊松島基地所属のブルーインパルスが祝賀飛行を行うと、駐屯地からも飛行の様子を見ることができ、訪れた観客から大きな歓声が上がった。続いて第9音楽隊による美しい演奏や、第9偵察隊によるアクロバットな演技を披露したオートバイドリル、そして第1中隊を基幹とした増強部隊による迫力満点の訓練展示が行われ、目の前で繰り広げられた戦闘シーンや、火砲の空包射撃に歓声が沸きあがった。
 続いて記念式典に移行し、観閲部隊指揮官・第39普通科連隊副連隊長・井村2陸佐の指揮する約400名の隊員を前に、北島司令は「駐屯地創立の歴史に思いを致し、先輩方の築かれた『伝統』を受け継ぎ、津軽ならではの謹厳実直、辛抱強く、粘り強い部隊の『伝統』を受け継ぎ、そしてその上に新たな良き『伝統』を築いて、次の世代へ申し送れるよう日々精進しよう」と式辞し、桜田宏弘前市長、滝沢求参議院議員、木村次郎衆議院議員が来賓祝辞を述べた。じ後、観閲行進を行い、第9音楽隊の演奏の中、隊員約400名の一糸乱れぬ徒歩行進と、車両44両、ヘリコプター3機の堂々たる行進に大勢の観客から大きな拍手が送られた。
 この他にも長蛇の列が出来た戦車・装甲車試乗の他チビッ子広場、陶芸展、模擬売店などのコーナーも設けられ、多くの市民と信頼と理解を深める記念行事となった。
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信太山 61周年
 信太山駐屯地(司令・伊藤優一郎1陸佐)は、4月22日、約1万人が来場する中、盛大に駐屯地創立61周年記念行事を挙行した。
 午前9時の開門とともに、大波のように人が押し寄せ、通常静かな駐屯地が、一気に賑わいを見せた。行事は観閲式を始め、らっぱドリル、太鼓演奏、訓練展示、体験試乗、レンジャー訓練展示、装備品展示、音楽演奏、子供広場等、来場者に信太山駐屯地の理解を深めてもらい、終了の午後3時までにその賑わいは続いた。

ノーサイド
行こう、ASIA'S NEWEST COUNTRY

 「アジアっていくつの国があるの?」
 外務省のホームページを開き、孫が一つ一つ数えて行きます。全部で21ヶ国。そのほか、今世界が注視する北朝鮮と台湾を加えると23ヶ国。更に地域の香港やマカオも確認。
 「この中で、一番新しい国はどこだと思う?」「…」
 その国は、2002年5月20日にインドネシアから独立を回復。今月16年目を迎え、人口は120万人、全国土面積は岩手県ほど。日本の南5000km、時差はありません。21世紀最初の独立国、アジアで一番新しい国。
 ちなみに、独立回復式典会場を整備したのは、PKOで同国に派遣されていた自衛隊施設部隊の皆さんでした。また、独立回復直前の2002年4月、G7首脳として初めて同国を訪問した小泉純一郎首相(当時)は、現場を直接訪れ式典会場整備に汗をかいている隊員の皆さんを激励しています。小泉首相は、海外に展開している自衛隊員を激励された初めての首相です。
 しかし独立を回復して以降は、この国を訪問した閣僚は1人中谷防衛相のみ。歴代首相はもちろん外相も未だ訪問したことがありません。先行き不透明な激動する国際情勢の中で、この国の重要性や我が国の国益等に鑑みるとき、看過することは出来ません。
 …この国とは、東ティモール民主共和国。
 今同国は、確立された平和の中で、司馬遼太郎さんの著書「坂の上の雲」の書き出し部分の記述、「まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている」が、そのまま当てはまるような、国づくりの真っ只中にあります。
 また本紙が発行される5月15日には、5月12日に実施された国民議会(一院制・65議席・全比例代表制)の選挙結果も判明していることでしょう。選挙は民主的かつ整斉と実施され、6月中旬頃には、真に国民のため汗をかく安定政権の発足が期待されます。
 このような東ティモールですが、私たちには馴染みが薄い国であるばかりか、今なお紛争等のネガティブなイメージを抱いている人も少なくありません。
 1975年にエベレストを、1992年には世界7大陸の全最高峰を、女性として初めて登頂された登山家の田部井淳子さん。2014年9月に夫君の政伸さんや一般参加のツアーの皆さんと東ティモールの最高峰ラメラウ山(2963m)に登られました。
 「東ティモールの山に行くと言ったら、えっ、危なくないの?危険だよね、ゲリラが出るかも。第一、山なんてあるの?という人がかなりいて、政情不安などと、いい話は何もなかった」「実際に行ってみると、実に穏やかで、自然が豊かで、子供たちの声がどんな山奥の村にも響いている平和な所でした」「実際に現地に行くことの大切さを実感した登山でした」「東ティモールのラメラウ山は私の71ヶ国目の最高峰になり、緑も多く、忘れえない国、山となった」。
 田部井淳子さんは、出演されたNHKのラジオ番組でも「行ってみなきゃ分からない。行ってみて」と語り掛けています。
 ちなみに、田部井淳子さんは生涯76ヶ国の最高峰に登頂されましたが、最高峰から日の出をご覧になったのは東ティモールのラメラウ山が初めてとのことです。東ティモールの皆さんは、自分たちの国をTIMOR LOROSA'Eとも呼びます。
 現地の言葉でLOROは太陽、SA'Eは昇るを意味します。東ティモーは、日いづる国、日本と同じサンライズの国なのです。
 「はるか下にたなびく雲海の果てに、金色の光が線のように見え始めた。途中、その光はグイグイと歩を進めるが如く立ち昇り、染めあげると一気に赤い円が雲海の上に立ち上がった。オォーとおもわず歓声が上がる…」田部井淳子さんの感動が伝わって参ります。
 魅力満載の国、ASIA'S NEWEST COUNTRY 東ティモールは、皆さんを待っています。ご自身で、これが東ティモールを発見・体感してみませんか。ふるさと再発見・日本再発見の旅、とりわけ皆さん自身を再発見する旅になるかもしれません。
  
北原 巖男(きたはらいわお)中央大学。70歳。長野県伊那市高遠町出身。元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長


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