防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   886号 (2014年7月1日発行)
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寄せ書き
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「思いやり通信」を意識して
第46普通科連隊(海田市)陸士長 眞鍋 翔
 私は約3カ月間、旅団部隊通信特技教育に参加しました。中隊でも無線機を扱った事があったので大丈夫だろうと思っていましたが教育は甘くなく、勉強と課題に追われる日々が続き、同期と切磋琢磨し合って勉強し、休日を潰して課題をした経験は、今思えば良き思い出の一つです。
 部隊通信特技教育では、大きく二つの事を学びました。
 一つ目は有線です。有線構成については、徒歩構成・車両構成・架設・埋設・縛着などを学びました。徒歩構成は組長の号令・指示の下で行いますが、地形によっては思うように行動が出来なかったり、架設・埋設などは難しく時間が掛かってしまいました。車両構成でも縛着を迅速にしないと置いていかれます。構成には時間も決まっているので、いかに動作を速く正確にするか、また次に実施する行動を自ら進んで実行できるかが大事だと思いました。
 二つ目は無線です。携帯無線機・車両無線機などの取り扱いや、電報の送受信、高利得空中線の建柱などを学びました。電報の受信では、一言一句間違いなく筆記する事、送信では、相手に分かりやすく喋り伝えなければならないという事で大変苦労しました。
 これについては、筆記速度の向上と相手に分かりやすく喋る「思いやり通信」を意識する事が大事で、情報を正確に速く伝える事がいかに難しいか実感しましたが、自分の無線通話で部隊を動かしているという感覚もあり、やりがいを感じました。
 この教育で一番感じた事は、通信の重要性です。通信がないと我々の任務遂行に大きな影響を及ぼし、電子戦に負けると戦況が著しく悪化します。これらを踏まえ、本教育で学んだ事を生かし、更に練度を向上し、中隊及び連隊の任務完遂に貢献していきたいと思います。
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彼女たちに恥じぬよう
第1後方支援連隊(武山)3陸曹 佐藤夕紀
 私は、3月9日から7月1日の間、女性自衛官教育隊で行われた第4期自衛官候補生課程の班長要員として臨時勤務することになった。
 初めて班員を持つに当たり、次の二つのことを意識して日々過ごそうと心に決めた。
 一つ目は、学生と同じ目線に立つことである。何故出来ないかという指導ではなくどのようにしたら出来るようになるかということを自身の経験を基に指導した。二つ目は自らが模範となることである。ただ指導するだけでなく、全てにおいて自らが見本を見せ学生に実施させた。
 この二つのことを日々心掛けることにより、私自身納得いく教育ができた。3カ月間毎日、表情と体格が変化していく学生の姿をみて「この子達の班長になれて良かった」と心底思った。
 この経験は、私の自衛隊生活で活きる原動力にもなる大きな宝物になった。彼女たちの班長として恥じないように行動していきたいと強く思う。
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手探りから始めて10周年
第10後方支援連隊(久居)3陸曹 一尾 誠
 私達、第10後方支援連隊第2整備大隊第2普通科直接支援中隊は、今春、創隊10周年を迎えました。第33普通科連帯を支援する部隊として10年前に久居駐屯地に新しく創られたのです。
 当初、白紙からのスタートでいかなる運用をせねばならぬか手探りの状態で皆、四苦八苦した覚えがあります。しかしながら私達は各自、今まで培ってきた経験と知恵を出し合い未熟ながらもひとつの部隊が完成したと自負しております。
 この10年間で二つの大きな転機がありました。一つは改編直後に整備工場が完成した事です。増加する器材を整備するにあたり近代化された設備を持った工場は必要不可欠でした。整備工場が完成すると皆で手を取り合って喜んだ記憶があります。そしてもう一つは東日本大震災です。今まで33普連のニーズに応えていた私達ですが、今度は国民のニーズに応えなければなりません。車両や通信器材の故障整備で33普連の活動を円滑にし、重レッカー車によるドーザー車の積み下ろしや民間車の回収等、「できる事はなんでもやろう、国民の負託に応えよう」という心意気で臨んでおりました。この事は一生涯忘れることはないでしょう。
 この10年の間、様々な出来事がありましたがその経験を活かしさらなる技能向上を目指し日々努力していく所存です。
 久居駐屯地の歴史の一ページに第2普通科直接支援中隊の名が刻まれる事は私達にとって大変名誉であるとともに誇りでもあります。これまで本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ 
藤沢市役所 満崎 正則
自衛隊は外でも通用します
でも、真っ白な気持ちが大切
満崎氏は平成25年4月、陸自通信学校を准陸尉で定年退職。54歳

 皆さんお元気ですか!私も自衛隊で35年余の充実した勤務をさせていただき、平成25年4月下旬に退官、同年5月1日から神奈川県藤沢市役所防犯交通安全課交通安全教育専門員として再就職いたしました。
 再就職のきっかけは駐屯地援護室、まさに就職援護のプロにご紹介いただいたことにあります。業務の概要は、市民の皆さんの交通安全に関する知識・意識を高揚させるというものです。具体的には、保育園・幼稚園や小学校に出向き交通安全教室を主宰しています。
 また、各センターでは高齢者に対する交通安全の啓蒙活動を主宰します。いずれも警察・学校・PTAと連携して仕事を行います。勤めはじめて8ヶ月ほどになりますが、まだまだ業務の内容や繋がりの分からないことが多く鋭意勉強中です。それと人前で話すことが多くなり、年齢層に応じた言葉や会話に結構苦労をしています。現に皆さんにいかに理解していただくかをいつも考えています。
 これから退職されるみなさん!自衛隊の勤務は、外の社会で充分通用します。自信を持って飛び出してください!
 1つ助言をするとしたら、長く国防の任という崇高な使命を担ったことはとてもすばらしいことです。ただ、それを笠に着ずに1つの区切りとして、これから再就職先では「白紙の状態」真っ白な気持ちでスタートをきられることが大切だと思います。何事も初めてのことが多いと思いますので、分からないことは周りの人にすぐ聞いて解決して、理解してゆくことが大切です。最初は目の前のことで手一杯でしょうが、少しずつ慣れてきたら業務を先々考えながら前向き・積極的に進めてゆくことも重要です。
 私もまだまだ未熟者ですが、チームの上司に教えていただきながら一歩一歩進んでいます。交通安全は、人の生命を守る・地域を守るとても大切な仕事だと思っています。国を守る防人から地方地域を守る者として、自衛隊出身者としての誇りを持ち、第二の人生も全力投球で頑張ってゆきたいと思っています。


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