冬空に花咲く何十もの空挺傘が防衛省・自衛隊の新春を飾る、伝統の第1空挺団(団長・岩村公史陸将補)「降下訓練始め」が1月12日、薄雲が漂う厳しい寒さの中、約300隊員・車両40両・航空機21機が参加して習志野演習場で行われた。
はじめに、高度約340mから昨年12月に着任したばかりの岩村団長以下、最先任上級曹長、空挺教育隊長など指揮官と最年少隊員による降下が行われた。上空から降下視察を終えた小野寺五典防衛大臣、岩崎茂統幕長、岩田清文陸幕長が観閲席に着席した後、第1部の「各種航空機からの降下訓練展示」が始まった。
第1部 各種航空機からの降下訓練展示
東部方面ヘリ隊の多用途ヘリUH—1、第1ヘリ団の輸送ヘリCH—47、空自第2輸送航空隊の固定翼輸送機C—1、空自第1輸送航空隊の同じくC—130が次々に飛来して空挺団員が空挺降下を行った。降下誘導小隊が誘導を行う通信音も場内に流れ、緊張感が高まる中、約1秒間隔で航空機の窓から飛び出していく。約4秒で開傘、状況を確認し操縦と滑空により巧みに降下する。4種計6機の航空機から計55人が降下を完了するまでに要した時間は約8分。危険を伴う空挺降下を迅速かつ安全に行う隊員たちの凄技が約1万2000人の来場者の目の前で繰り広げられた。
第2部 島嶼防衛における空挺作戦
第2部は、昨年末制定された統合機動防衛力構想に基づく島嶼防衛を、陸上・海上・航空自衛隊の統合による作戦により実施し敵を撃破する場面が展示された。
習志野演習場が島嶼"習志野島"、演習場外の市街地は全て海という設定で、習志野島の一部地域を支配している敵部隊を、落下傘降下による空挺作戦とヘリコプターによるヘリボン作戦により左右から拘束し、最終的に戦車を含む重装備の部隊を揚陸し敵を3方向から包囲撃滅するシナリオ(2面に続く)。 |