防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年2月15日号
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全て仏作品! 究極の調べ
吹奏楽の歴史を伝えた陸中音定期演奏会
 陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・武田晃1等陸佐)第138回定期演奏会が、1月26日東京ドーム隣の文京シビック大ホールで行われた。
 全席指定席なのに開場前からホールには沢山の人で埋め尽くされていた。さすが自衛隊最大編成の防衛大臣直轄音楽隊、陸自中音の高レベルな演奏を心待ちにしている気持ちが伝わってくる。
 「君が代」から始まって、全8曲。座席からは曲が終わる度に割れんばかりの大拍手。その中の1曲ドビュッシーの「第一狂詩曲」は日本最高峰のクラリネット奏者武田忠善氏の演奏だった。今回は全てがフランスの作品で、パレスの「リシルド」はフランスの楽譜を取り寄せ、日本での演奏用の楽譜に直した曲。今回の演奏会は航空自衛隊航空中央音楽隊から6名の支援を受けて行われた。
 明治から続くフランスと日本の吹奏楽の歴史を感じながら究極の調べに身を委ね、穏やかな冬の終わりの休日を最高の空間で過ごした人たち。「楽譜にも言語があるなんて考えた事もなかった」「なんて難易度の高い演奏なんだろう」中には「震災の後、慰問演奏を聞いた。あの時は迷彩服だった。思い出して涙が出る。本当に元気が出たんだよ」と言う人も。
 また、中音が演奏協力したファンテック社のCD『ベスト・オブ・マーチ2』(ベルギー落下傘兵行進曲)が2012年度第50回レコード・アカデミー賞を受賞するなど、陸上自衛隊中央音楽隊の躍進はとどまる事を知らない。

米軍と初コラボも実現
平成24年度中部方面隊音楽まつり
 1月27日、兵庫県西宮市の県立芸術文化センターで「平成24年度中部方面隊音楽まつり」が行われた。
 中部方面隊隷下の中部方面音楽隊、第3音楽隊、第10音楽隊、第13音楽隊、第14音楽隊、自衛太鼓に加え、42回目を数える同音楽まつりに在日米陸軍軍楽隊が初参加。中部方面隊の担任地域に含まれる東海地方の"戦国三英傑"信長・秀吉・家康のNHK大河ドラマのオープニングテーマや、昨年、日本武道館の「自衛隊音楽まつり」で披露され好評を博した「Voyager」、7つの自衛太鼓が揃い迫力の演奏で圧倒した「向日葵」、方面隊選抜音楽隊による「遥かなる大地」などバラエティーに富んだプログラムで約1700名の来場者を魅了した。
 閉演後、興奮冷めやらぬ来場者に話を聞くと、「会場が小さい分、武道館と違った感動が生で伝わってきた」という常連の自衛隊音楽ファンや、「座間の米軍とMCのやり取りも楽しかった」という若い女性の声などがあった。開演前には、早くから会場入りした熱心なファンのために、クラリネットアンサンブルによるロビーコンサートが実施されるなど、きめ細やかなサービスも好評だった。

当選倍率は2・7倍
1空団司令部で陸海空合同コン抽選会
2/24浜松開催に向け準備万端
 2月24日に浜松市中区のアクトシティ浜松大ホールで開催される「平成24年度・陸海空自衛隊合同コンサート」の一般公募抽選会が1月24日、第1航空団司令部で行われ1空団司令、同副司令、同監理部長及び同渉外室長が抽選箱から数字の書かれたボールを取り出し当選はがきの束を選んだ。
 公募はホームページ等を通じ往復はがき(一葉につき2名まで)で行われ応募総数約4600通でその内1729通が当選した。当選倍率は2・7倍だった。
 抽選の結果は当選(落選)の返信はがきの発送をもって代えさせていただきます。

応援が励み!
陸幹候校で50km徒歩行進
 1月15日、第93期一般幹部候補生I課程(後段)の50?徒歩行進訓練が行われた。候補生は、夕方幹部候補生学校を出発、耳納山系を経由し、一夜かけて翌朝幹部候補生学校へ戻ってくる距離約50?のコースに挑んだ。約30?の装具を身に付けて、高低差が約500mある厳しいコースを行進するものであったが、沿道の住民からの熱い応援を励みに行進した。
 学校では多くの職員が出迎えるなか、全候補生が元気に帰還し、一カ月後に実施される2夜3日かけて佐賀・長崎両県にまたいで実施される総合訓練時の100?徒歩行進に向け大きな自信となった。
※総合訓練
 候補生教育最終段階の訓練で、佐賀県小城市から約100?の行程を約30?の荷物を背負い徒歩行進した後、大野原演習場で攻撃行動を行う、2夜3日連続した訓練。

新年も各地で音楽隊大活躍
全国地本が支援

『大いなる秋田」で一体に
東北方音楽隊・秋田地本
 秋田地本(本部長・阿部博文1空佐)は、1月27日秋田県との共催のもと「美の国あきた新春自衛隊演奏会2013」を開催、陸自東北方面音楽隊(隊長・高橋充3陸佐)が演奏を実施した。同演奏会は今年で6回目とまだ歴史は浅いものの地域での人気は高く、今年も告知前から多数の問い合わせが寄せられた。
 当日は、荒れ模様が続いた前日までと打って変わって天候にも恵まれ、開場時間前にも関わらず演奏会を待ち侘びる来場者が開場前に列をなしていた。早くから足を運んだ来場者の中には「昨年からこの演奏会を心待ちにしていました。今回も素晴らしいものと期待しています」とスタッフに笑顔で声をかける常連も見られた。早々と入場された方々を前に開演に先駆けミニコンサートも催された。
 来場した約1300名の観客の期待が高まる中、演奏会第1部は高橋隊長作曲による行進曲「前進」で威風堂々と開演、続いて「大いなる秋田」「三つのジャポニスム~T鶴が舞うU雪の川V祭り」が披露された。中でも合唱とブラスのための楽曲「大いなる秋田」では、音楽隊が奏でる重厚な演奏と秋田市民合唱連盟による美しい混声合唱が見事に調和し、聴衆を魅了した。
 また、第2部では「ディズニー・クラシックス・レビュー」や「シング・シング・シング」の他、「涙そうそう」「ヤングマン」といったポップスなども交えた幅広い世代に愛されるナンバーが披露され、「ヤングマン」では西城秀樹に扮した同音楽隊隊員(大塚友晴3陸曹)が熱唱し、はつらつとした振り付けとユーモラスな演出に会場は大いに盛り上がった。全楽曲、アンコール演奏が終了した後も観客から音楽隊へ惜しみない拍手が送られ、同演奏会は大盛況のうちに幕を閉じた。
重厚と軽快、Wの魅力
東方音楽隊・埼玉地本
 埼玉地本(本部長・山本方之1空佐)は1月28日、市民会館おおみやにおいて防衛協会青年部が主催した東部方面音楽隊による『ニューイヤーコンサート』を支援した。このイベントは、音楽とのふれあいを通じて県民に自衛隊に対する理解を深めてもらう目的で行われたものである。
 演奏会は18時に開演、第一部は行進曲「絆」で始まり、テューバ・コンチェルトへと続いた。圧巻の演奏を目の当たりにした来場者は徐々にヒートアップ!聴覚だけでなく視覚も魅了する演奏に会場からは大きな拍手と大歓声が沸き起こった。第2部は第1部とガラリと雰囲気が変わり、パーカッションを多用した軽快なトランパーカッションやAKB48の『GIVE ME FIVE』などが披露された。プログラム予定終了後も会場は拍手が鳴り止まず、音楽隊長田村3佐は『美中の美』で来場者の声援に応えていた。
 演奏を聴き終えたある小学生からは「すごい迫力のある演奏にびっくりしました。とても感動しました」と、息を弾ませ感嘆の声を上げていた。最後はサイポンと一緒に写真に収まり、皆の心に残る演奏会になったものと実感した。
埼玉地本は、「今後も地域の声と要望に耳を傾け、様々な広報イベントを企画、支援していく」としている。 
養護学校に生の演奏を
第9音楽隊・青森地本

 青森地本(本部長・増田友晴1空佐)は、1月17日、青森県立青森第2高等養護学校において、第9音楽隊(隊長・小川浩英1陸尉)による「冬季芸術鑑賞会」を支援した。
 これは、生徒達に生の演奏に触れてもらう事で、音楽に対する親しみと、豊かな情操を培ってもらう事を目的に催されたもので、当日は同校の生徒、教師等併せて約240名が参加した。
 鑑賞会では、音楽隊の演奏で同校校歌を生徒全員で合唱した後、紙やすりを用いて演奏する「サンドペーパー・バレエ」や親しみのある「となりのトトロ」、ディズニー作品のメドレー等、趣向を凝らした演奏により聴衆を楽しませた。特に、東日本大震災で避難所を慰問訪問し、歌で激励を行った臼澤みさきさんの「故郷」を女性隊員が独唱すると、その流麗な歌声に会場全員が聞き入っていた。
 鑑賞会終了後、生徒代表から「親しみのある曲が多く楽しく鑑賞できました。こういった演奏を聴ける機会はあまり無いので、とてもいい時間が過ごせました。本当にありがとうございます」と感謝の言葉と、生徒自作の「木べら」の贈呈があり、会場から大きな拍手が起こった。
 青森地本は、「今後も芸術鑑賞会等の自衛隊の地域活動を積極的に支援し、自衛隊への一層の理解、認識を深めて頂けるように努めていく」としている。


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