防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年2月15日号
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ハイチPKO撤収支援要員が帰国
重機の譲与に伴う整備教育も成功
 1月25日、ハイチ派遣国際救援隊第8次兼撤収支援要員のうち、隊長の神成健一1陸佐以下約30名が民航機で成田空港に到着。帰国した隊員を関係者、家族が盛大に出迎えた。2010年1月に発生したハイチ地震を受け自衛隊は同年2月からMINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)へ、約3年にわたり陸自施設科部隊を中心にハイチPKO派遣を行ってきた。今回帰国した第8次兼撤収支援要員は、派遣された歴代派遣部隊が使用してきた物品の後送、宿営地の整理等撤収のための一連の作業を実施する第7次要員(隊長・菅野隆1陸佐)のサポート業務を行った。
 第8次兼撤収支援要員は昨年10月20日ハイチに入り、同15日に施設活動を終了した第7次要員と共に撤収作業を行った。撤収作業は、車両・重機等の洗浄・梱包、これらを日本へ発送するための港湾への移送、民間コンテナ船への積み込み等。これらに加え、武器三原則の緩和に伴い、PKO活動で使用した防衛装備品を現地政府に譲与することが可能になったため、使用したドーザ等施設機材4台を含む重機計14台をハイチ政府への譲与するための各種準備も行った。
 重機の譲与に備え第7次隊は、以前から施設機材の操作要領を教えるために継続的に行っていた「絆プロジェクト」(ハイチ政府関係者への重機操作教育)にあわせて、現地の人へ譲与重機の整備要領概要を約4週間にわたり教育した。どの程度まで教育するかに始まり、言葉の壁がある中手探り状態。絵や模型を用いたり、実際に教材となる車両から部品を外して見せる、毎日の小テストを実施する等の工夫を凝らし、教育理解度を深めるよう努めた。
 重機の操作、整備のための教育付与を通じハイチの能力向上に寄与したことは、瓦礫の除去や国道の整備、孤児院の児童寮・倉庫の建築等と並び、同国の復旧・復興及び安定化に大いに貢献したとして、国際社会から高い評価を受けている。

海外からの便り
南スーダン

派遣当初の不安を越えて
第2施設団(船岡) 3陸曹 久保陽平

 平成24年12月14日、南スーダン派遣施設隊は第2次要員から指揮転移を完了し、ここ南スーダン共和国における活動を開始しました。
 私は本部付隊営繕班で勤務しています。任務は、主に宿営地各施設の修繕作業と汚水処理コンテナの維持・管理です。
 汚水処理コンテナは、自衛隊にまだ1つしか導入されていない装備であり、20フィートコンテナ※11個で構成され、各コンテナには、複数の電気配線、制御装置及び排水パイプ等が複雑に組み込まれています。汚水処理コンテナは、宿営地の生活排水等を浄化するための装置で、これが故障すると生活用水やトイレの使用に制限を受ける可能性があります。
 私にとって、この装備は南スーダンに来て初めて目にする装備であり、また私のミスにより故障すれば、隊員の生活に大きな影響を及ぼすというプレッシャーから、派遣当初は、本当に私が維持・管理していけるのか不安でした。
 幸いなことに今のところ大きなトラブルもなく、そのような不安も解消されつつありますが、いつ故障するか予想もつかないため、引き続き維持・管理のための整備を実施していこうと思います。
 これから施設活動が本格化しますが、派遣隊員が南スーダン共和国の為に活躍できるように、私も適切に任務を遂行し隊員・部隊の活動をバックアップしていきたいと思います。
 隊長要望事項の一つにある『一人は部隊の為に、部隊は一人の為に』頑張り、全員で無事に帰国したいと思います。
※20フィートコンテナのサイズ 長さ6・058m×幅2・438m×高さ2・590m
ここにある笑顔のために
第21普通科連隊(秋田) 3陸曹 藤原智陽
 極寒の東北から灼熱のアフリカへ到着して約3週間が経ち、活動も軌道に乗ってきたと心身ともに感じています。
 私は、派遣施設隊の警備小隊に所属しており、その警備小隊の活動について紹介します。
 警備小隊の主たる任務は、施設小隊等が行う各種施設活動の現場における同行警備であり、具体的には、重機等が稼働している地域に現地住民が立ち入らないように注意喚起する等の作業上の安全確保をすることです。ここ南スーダンの治安は、私が本邦で予想していた以上に安定しており、現在まで大きな問題が発生することなく、任務を遂行できております。また、この国の人々は老若男女を問わず友好的であり、先日同行警備した際も、活動地域にいた子供達は、決して満足な生活をしているとは言えない状況でしたが、笑顔で我々を迎えてくれました。子供達の笑顔は、私に活力を与えてくれます。
 誰かのために何かをできる喜びを与えてくれるこの任務と、この派遣に送り出してくれた全ての方々に感謝し、これからも全身全霊をもって任務を遂行していきたいと思います。

ジブチで着任、初任幹部

驚きと嬉しさ
まきなみ機関士 3海尉 廣井将司

 このたび護衛艦「まきなみ」に着任しました、3等海尉・廣井将司です。
 正直なところ、自分が海外派遣中の艦に着任するとは考えていなかったので驚きましたが、実任務に就いている部隊で勤務することができるため、とてもやりがいを感じています。
 着任から約1ヵ月が経ちましたが、まだまだ不慣れなことも多く、諸先輩方のご指導のもと毎日一生懸命頑張っています。今回、護衛任務に就くことができたことは、私の誇りであるとともに、我が国の国益に貢献できると思うと、嬉しさもひとしおです。
まさか自分が
まきなみ通信士 3海尉 佐藤景太
 「まさか自分が…」というのが第一印象でした。人生はじめてのパスポートが緑色で、目的地がジブチ。
 飛行機を乗り継ぐにつれ、日本とかけ離れていく景色。加えて約6年間の学生生活を経てのいきなりの実任務。「覚悟していた」といっても不安のみがふくれあがっていきました。
 しかし、そんな私を「まきなみ」乗員は明るく、楽しく、そして暖かく迎え入れてくれました。「まきなみ」に乗艦し1ヵ月。まだまだ未熟で日々ご指導をいただく毎日ですが、日本の代表として船舶護衛の任務に就けることを誇りに思い、頑張っていきたいと思います。
貴重な経験
ゆうぎり通信士 3海尉 木村 光
 ジブチに着任することを知った時は、嬉しくもありましたが、いきなりの実任務で自分自身が役に立てるかどうか不安でした。
 しかし、着任時の士官室でのあたたかな歓迎が私の不安な気持ちを和らげてくれました。
 それからは先輩方の指導のもと、時には厳しいこともありますが、学ぶことの多い毎日を過ごしております。
 海上自衛隊の実任務である海賊対処行動に初任幹部として勤務し国益に貢献できることは、私にとって大変貴重な経験です。これからも日々邁進していきます。
大切に過ごす
ゆうぎり砲術士 3海尉 碓井和敬
 遠洋練習航海実習においてジブチに2度入港し、しばらくジブチに行くことはないと考えていたため、配属先の「ゆうぎり」が海賊対処行動に従事していることを知った時は驚きました。
 実任務にこんなにも早く就くことができるとは思っていなかったため、とても嬉しく思いました。
 今は不慣れなこともあり周囲に迷惑をかけていますが、帰国までの航海を大切に過ごし、少しでも早く戦力として艦に貢献できるように一生懸命努力していく所存です。

雪月花

 退職金が減額される前に駆け込み退職する人が地方自治体で増えているらしい。国家公務員の給与と退職金減額につづいて地方公務員もその対象になるからだ。教員や警察官が目立っている。中には教頭や幹部も早期退職の意向を示しているそうだ。なにも滅私奉公せよとは言わないが卒業目前の教え子を放り出して平気で辞められるものだろうか、「先生にぼくらは捨てられた」と思うかもしれない、生徒たちへの影響も考えてのことだろうか。愛知県警では署長を含む142人が2月末で退職の意向を示し、兵庫県警でも約90人が1ヶ月早めて退職するが「初動捜査には本部が応援を出すので問題はない」と幹部が言っている(朝日新聞)。常時、人が余っていると言うことなのだろうか。たしかに見込んでいた退職金が大幅に減額となれば自分の子どもの教育資金や住宅ローンなど人生設計も再構築しなければならない、そのことは気の毒だとは思うが長年その実績を重ねてきたのだから最後までつづけて後進に繋げるのが公務員だと考えるのは古い人間なのだろうか、公僕という言葉は死語になったのだろうか。防衛省でも給与の減額が昨年から実施されている、ほぼ10%は大きい。「震災で命がけで働いた結果がこれでは辛いですね」と知人に水を向けてみたが「震災復興予算に回されるのだから仕方ないです」と模範解答がかえってきた。ことし退官した1佐の友人は、退職金でセルシオが1台吹っ飛んだと冗談ぽく話してはいたが…


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