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自衛隊ニュース   2013年1月15日号
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海賊対処など協力強化
第9回「日露スタッフ・トークス」

 統幕とロシア連邦軍参謀本部の幕僚による率直な対話を通じ、相互理解と信頼関係の強化を目的とした会合、第9回「日露スタッフ・トークス」が12月17日から19日まで防衛省などで行われた。
 統幕防衛計画部長・尾上定正空将補が日本側代表、露側は連邦軍参謀本部作戦総局長代理ルツコイ地上軍中将が代表で、主として北東アジア情勢について意見交換。協議は「国際社会の平和と安定のために、日露が取り組むべき課題」と、それらに関する具体的方策に焦点をあてた。
 日露双方は北朝鮮の「人工衛星」と称するミサイル発射は「地域の平和と安定に大きな影響を及ぼす許容しがたい行為」との認識を共有した。
 また、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動に関し、露連邦軍は現在活動している艦艇に加えて哨戒機を派遣する予定で、今後この活動について日露間での協力をより一層強化すること、さらに捜索救難共同訓練や災害救援、人道支援といった分野での実務的な交流や協力を進めることで一致した。
 今年度内の露連邦軍ゲラシモフ参謀総長の訪日を実現するためにお互いが努力すること、次回は2014年にモスクワで開催することを約し協議は終了した。


軽やかに舞い踊り「絆」深める
「すずめ踊り」で日米交流
東北補処の隊員17名が参加

 東北補給処(処長・保坂收陸将補)は12月12日、日米共同方面隊指揮所演習(YS—63)に伴う交流イベント「YS63フレンドシップホール」のアトラクションの部「仙台すずめ踊り」に参加した。補給処仙台すずめ踊りクラブの隊員17名が、手に持った2本の扇子を軽やかなテンポに合わせながら、ダイナミックな踊りを披露した。
 今回の日米交流イベントに向け、踊りの演出と構成を手掛けたのはクラブリーダー、補給部の後藤悦子2陸曹。今年入った新人6名も加わり、補給処クラブの隊員は約3週間におよぶ猛特訓を重ね本番に臨んだ。
 「フレンドシップホール」には士官約300名、下士官約200名が参加、それぞれのステージでクラブの隊員は躍動感あふれる演技を力いっぱい舞い踊った。演技終盤には扇子を手にした米軍隊員らも加わり、すずめ踊りを一緒に舞うなど、会場は大いに盛り上がり「日米の絆」を深めた。


まるで忍者!!
俺らに任せろ城壁の清掃
大村16普連1中隊基幹130名の隊員ら

 第16普通科連隊(連隊長・濱本博文1陸佐=大村)の第1中隊(中隊長・松本義孝3陸佐)基幹130名は12月17日から19日の3日間、長崎県島原市のランドマーク、島原城の城壁清掃を支援した。
 昭和52年から36年間続く行事であり、当時の長崎地方連絡部島原出張所長(今の地域事務所)が連隊長の着任あいさつ同行時にお願いして始まった。
 天候にも恵まれ、隊員たちは駐屯地での準備訓練の成果を十分に発揮し石垣の草刈り、切り株への除草剤の注入をテキパキと行った。城壁に張り付いている姿はまるで忍者のよう。協力者からの激励や差し入れなどもあり、作業は当初の予定より半日早く、また1件の事故もなく終了した。
 雑草が取り除かれた島原城はクリスマスイベントや新年を迎えるにふさわしい美しい城に生まれ変わった。隊員たちは市民の感謝の言葉を受けながら「また来年」と島原を後にした。


海外からの便り
ゴラン高原 ジブチ 南スーダン
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素晴らしさを実感する
第2施設大隊(旭川)3陸曹 伊藤篤史

 ゴラン高原に派遣されてから3ヵ月が経過しました。当初は日本との気候、環境の変化に多少の不安を感じていましたが、今は自分の1つの目標であった海外派遣における任務を日々、充実感とやりがいを感じながら勤務しています。
 私の所属する分遣班の主な任務は宿営地内における建物解体、警備道の整備および故障車の回収などがあります。なかでも故障車の回収は要請があったならば、すぐにでも現場へ行かなければなりません。また交通事情があまり良くないため、現場に駆け付ける際も割り込みや飛び出しなどに細心の注意を払わなくてはなりません。そんな緊張感のある任務でも、それを終えて帰って来た時、他国の軍人から「Very nice, Thank you ! J-con」と感謝されると「またいつでも呼んでくれ!」と言いたくなります。こんな時に「他国の軍人とお互い助け合い、一丸となり任務を遂行していく」というこの海外派遣の素晴らしさを実感します。
 最後に、この派遣の要員に指定されてから今日まで多くの方々のご支援をいただきました。本当に感謝しています。今ここにおいて活動できるのも皆さんのご協力と家族の理解があってこそだと思います。残り約3ヵ月の任務となりますが、我々の活動が自衛隊、ひいては日本の評価となることを自覚し、任務完遂・無事帰国を果たすべく頑張ります。

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帰国後も活躍できるよう
東部方面警務隊(朝霞) 1陸曹 金子正人

 私は平均気温が世界で一番高い国として知られているジブチ共和国において派遣海賊対処行動航空隊の一員として任務に就いております。
 航空隊の任務はソマリア沖・アデン湾を航行する船舶の安全な航行を確保することであり、私はその中において警務隊の職務に従事しています。
 職務の内容は万が一事件が発生した場合の捜査や要人の警護、拠点内外の巡察、拠点周辺の治安や交通状況に関する情報収集などです。
 拠点外の巡察では現地警察官からの聞き取り、拠点周辺や近傍の飲食店の見回りを行っています。ここジブチ共和国の飲食店ではトラブルはほとんど発生しておらず、隊員が日頃の疲れを癒す憩いの場となっています。
 また、交通状況については実際に車両を運行して確認します。市街地の道路は舗装されていますが陥没箇所が多く、普通に走行することはできませんし、郊外では幹線道路から外れると砂漠や荒れ地となっています。ラクダの集団が道路をふさぎ通行できない、という場面に遭遇することもあります。交通状況などを把握し、要人の警護や保安業務を実施する際に支障が出ないよう努めています。
 ジブチに派遣されている全隊員が職務に真摯に向き合い、互いに連携しながら任務を遂行しています。私も派遣された隊員の一人として、この地における任務はもとより、帰国後も活躍できるように日々努力・精進します。

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先輩たちのおかげで充実
第10普通科連隊(滝川) 陸士長 遠藤裕之

 私は南スーダン派遣施設隊(第2次要員)本部付隊補給班(給水)の一員として国際平和協力活動に参加しています。長く感じたこの活動も早いもので、あと少しとなりました。
 当初、ジュバに到着した時は初めてだらけの環境に不安や緊張で一杯であり「果たしてこの先の半年間どうなるのだろう」と思っていましたが、気が付けばもう5ヵ月が過ぎました。本当にあっという間でした。
 私は所属する給水班の陸士の中でも一番の若手隊員です。そんな私が任務遂行できたのも、周りの諸先輩方のおかげだと思っています。課業中は時には厳しい指導もありましたが、課業外は共に体力練成で汗を流し、陸曹を目指す私のために勉強会を開いてくれたり、プライベートでは優しく相談に乗ってくれたりしました。今回の派遣活動では、そんな先輩たちに囲まれたおかげで充実した日々を送ることができました。このような環境で過ごせたからこそ、任務に全力で取組むことができたと思います。
 最後に、私のような若年隊員の立場でこのような貴重な経験をできたのも、原隊の皆様のおかげだと思っています。帰国後はこの派遣で修得した事を最大限に活かして中隊に貢献しようと思います。


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