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   2006年10月1日号
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日本のスペシャリストが活発に意見交換
「テロリズムと危機管理」シンポジウム開催
21世紀におけるグローバルな安全保障
「9・11以降の世界」を問う
ジュリアーニ元ニューヨーク市長も特別講演
 「21世紀におけるグローバルな安全保障・テロリズムと危機管理 9・11以降の世界」と題するシンポジウムが9月15日、東京のホテルニューオータニで開催された。佐々淳行氏(元内閣安保室長)や志方俊之氏(帝京大教授・元北方総監)、大野元裕氏(中東調査会上席研究員)、大久保秀夫氏(株・フォーバル社長)らが作る「総合危機管理講座創設委員会 9・11日本を守る有志の会」が主催し防衛庁や警察庁、東京都などが後援、読売新聞社、日本テレビも特別後援となっていた。
 プログラムは、郷原信郎氏(桐蔭横浜大学法科大学院教授・元検事)がまず、「企業のコンプライアンスと危機管理〜いま、そこにある危機〜」と題して講演を行った。会場には企業のトップクラスも多く来ており、パロマの実例などを身近な問題として熱心にメモをとりながら聞いていた。
 2部は、石原慎太郎都知事と手嶋龍一氏(外交ジャーナリスト・作家)、佐々淳行氏の鼎談。そのほかに江畑謙介氏、杉田和博氏、宮家邦彦氏、上田愛彦氏、佐瀬昌盛氏ら13人のスペシャリストも参加して、それぞれが専門の分野で発言していた。9・11のとき3氏はたまたまニューヨークにいて、テロを目の当たりにしたことが披露されたあと、佐々氏「A B C D Eが頭文字になる危機が次からつぎに起きているが国家の対応が出来ていない」、石原氏「テロは文明の衝突だ。何か起きても既存の法律に拘束されてしまう。危機に対応するために関東8都県市でネットワークを作った」、手嶋氏「神戸の大震災の時、クラーク中将は日本から要請があればいつでも米軍が出動できるよう指示していた、それを私は国防省にいて目の前で見た」などと危機管理のあり方や現状を語り、会場の1300人は生の話に聞き入っていた。
 3部では、9・11の時ニューヨーク市長だったルドルフ・W・ジュリアーニ氏が登壇した。−テロと天災はまったく同じだ、後始末は特にそうだ。違うのはハリケーンなど天災は科学的に予測できるがテロはそれが出来ないことだ、だからニューヨーク市では約30の事態を想定して対策を講じていたが、飛行機がミサイルのように飛んでくることは想定していなかった。しかし何回も何回も繰り返したシミュレーションが役に立った。−約1時間、日本での危機管理を熱心に訴えた。ジュリアーニ氏のあのときの活躍ぶりがまだ強烈に記憶に残っているだけに説得力は充分のようだった。

インド洋派遣艦「ましゅう」
家族説明会を実施
《舞鶴海曹会》
 舞監援護業務課(課長・米丸祥一3海佐)は舞鶴海曹会(会長・亀井武宏海曹長)支援のもと、9月3日、インド洋派遣艦艇ましゅう乗員家族に対する家族説明会を実施した。
 ましゅうがインド洋に派遣されるのは、今回が2回目で、舞鶴地方総監部大講堂で実施された説明会には、41家族113名(大人84名 子供29名)が参加した。初めに隊員の近況について、自衛艦隊監理主任幕僚から説明があり、現地から送られてきたビデオが放映されると、真っ黒に日焼けをした元気そうな隊員の2ヶ月ぶりの姿を見て、家族たちは安心した様子だった。
 続いて舞鶴音楽隊による演奏会では、子供達にも親しみやすい曲が演奏され、また大講堂内では子供向けのアトラクション(ストラックアウト、輪投げ、スーパーボールすくい)も行われ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。またビデオレター撮影では、ちょっと照れながらも最近の家族の近況を報告したり、無事任務を達成して元気に帰ってきて欲しいなど、それぞれの思いをビデオレターに託した。同時に希望する家族に舞監援護業務課により、家族相談も行われた。そして、舞基業(司令・奥村國弘1海佐)の食堂において、海曹会が用意したカレーライスが振る舞われると、初めて口にする海上自衛隊のカレーに会場のあちこちから“おいしい"という声が聞かれた。最後に希望する家族にYT−64による体験航海が実施され、当日は天気も良く波も穏やかで最高のクルージングとなった。
 全てが終了し、来場した時は不安そうな表情の家族だったが、現状説明や、ましゅう乗員からのビデオレター、また隊員食堂での食事や体験航海などを通じて海上自衛隊の任務に理解を得られたようで、見送りの際には家族の表情は安心しているように感じられた。
 今回の家族説明会が終了し、隊員一人ひとりが、ましゅうが無事任務を達成して帰って来ることを願い、ましゅうに負けないよう日々の職務に精励することを誓い合っていた。

自決海軍士官慰霊碑を清掃
《徳教空群》
 徳島教育航空群(群司令・村上浩一1佐)隷下の第202教育航空隊(司令・安達公夫1佐)修業学生7名(第1703期固定翼計器飛行課程学生(航空学生6名、海上保安庁委託学生1名))は8月23日、自決した海軍士官2名の慰霊碑を清掃した。この慰霊碑清掃は、課程教育の始業時と修業時に訓育の一環として実施しているもので、命日に当たるこの日、慰霊碑周りの草刈りをした後、慰霊碑を水で洗い、花を手向けた。
 慰霊碑は、1977年(昭和52年)に今切川沿いにある燃料庫地区に建立。前面には「壮烈自刃乃碑」と彫り込まれている。自決したのは、中原一雄海軍中尉(当時23歳)と長島良次海軍少尉(当時23歳)で、2名は学徒出陣で海軍に入り、対空機銃小隊長として当時の徳島海軍航空隊で勤務し、白菊特攻隊員として出撃することなく終戦を終え、日本の敗戦に強いショックと責任を感じていた。敗戦で混乱する中、2名は毅然とした態度で残務整理を済ませ、部下をそれぞれの郷里へ復員させた後、8月23日午後1時頃、海軍の正装に着替え祖国の再興を願いながら基地内の防空壕の中で機銃を撃ち合って自決を遂げた。
 学生長の小笠原拓学生(22歳)は、「慰霊碑に参拝すると、私たちと同年代で若くして亡くなった先輩を敬う気持ちが起こります」と神妙に話し、祖国の再興を願い立派に責任をとって死んでいった2名の行動に感銘を受けていた。

全自弓道大会のお知らせ
 第34回全自衛隊弓道大会が開催されます。これは、全自衛隊弓道連合会(会長・北原巖男防衛施設庁長官)が主催するもので、日時、会場、競技種目などは次のとおりです。
〈日時〉12月3日 8時40分〜17時
〈会場〉全日本弓道連盟中央道場=明治神宮至誠館第二弓道場(JR山手線代々木駅、都営地下鉄代々木駅下車徒歩15分または小田急線参宮橋駅下車徒歩5分)
〈参加資格〉自衛隊員及び現在自衛隊の施設で常勤する者並びに元自衛官で、かつ、全日本弓道連盟認許の有段者であること。ただし、元自衛隊員の行う競技は、個人戦のみとする。
〈競技種目〉▽団体戦A=駐屯地または基地を単位とし、1チーム3名による合計24射の的中制▽団体戦B=審判員の評価による射道の採点制。ただし、選考の対象は各駐屯地等のAチームのみとする▽個人戦=各自8射による的中制。ただし、団体戦出場者は、その成績をもって個人競技を兼ねる。
〈表彰〉▽団体戦A=1位から6位まで及び敢闘賞▽団体戦B=最優秀、優秀及び優良▽個人戦=(1)称号受有者の部(1位〜3位)(2)参段以上の部(1位〜6位)(3)初・二段の部(1位〜6位)(4)女子(有段)の部(1位〜6位)(5)隊友の部(1位〜3位)
〈参加申込先及び連絡先〉〒114─8566 東京都北区十条台1の5の10空自十条基地補給本部第3部第3整備課・志村貞氏電話03─3908─5121内線6329 専用線8─68─6329 FAX8─68─6395 eメールamc-3d033@asdf.mail.jda.go.jp
〈詳細についての問い合わせ先〉空自十条基地補給本部総務部総務課・川出久男氏 03─3908─5121内線6053 専用線8─68─6053

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