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   2006年10月1日号
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総合防災訓練に参加
県民の危機対処意識が高まる
《第9師団》
倒壊間際の家屋から要救助者を救出する自衛隊員たち
 第9師団は9月1日の「防災の日」に合わせ、北東北3県の総合防災訓練に参加した。訓練は青森県むつ市・岩手県一関市・秋田県小鹿市で各駐屯地の所在部隊が各関係機関と連携して行われた。
 青森県では8月30日、県や第9師団、大湊地方隊、北部航空方面隊など46機関から約3600人が参加して行われた。震災訓練では、第5普通科連隊の隊員が警察、消防とともに崩壊した建物に取り残された負傷者を救出した。また、化学テロを想定した緊急対処訓練では、第9化学防護隊の隊員が化学物質の検知や除染作業を行った。岩手県では9月1日、岩手駐屯地、航空自衛隊、防災関係機関など243機関から1万5000人が参加した。負傷者搬送訓練では、第9特科連隊の隊員と消防隊員等の隊員が連携し、東北方面ヘリ隊、第9飛行隊のヘリと防災ヘリにより被災地からの人員輸送を行った。また、救援物資輸送訓練では、空自の大型ヘリが空輸してきた生活物資などを予備自衛官がトラック協会と協力して被災地にトラック輸送した。秋田県では同日、秋田駐屯地、東北方面ヘリ隊、防災関係機関など34機関から約6000人が参加した。震災訓練では第21普通科連隊の隊員が崩壊した建物から負傷者を救出・救急搬送した。また、応急橋梁架設訓練では、第357施設中隊の隊員が大型トラックに搭載した橋梁を整斉と設置した。
 各県の総合防災訓練に参加した各級指揮官の適時適切な指揮と隊員の統制のとれた行動に会場からは感嘆の声が上がった。

高度レスキュー合同訓練
《山口》
災害時の救助技術向上を図る
 8月7日から11日の間、第1回山口県高度レスキュー合同訓練が山口県消防学校で行われ、17連隊から4名の隊員が参加した。
 この訓練は県内の消防、警察、自衛隊及び航空隊の防災関係機関が一同に会して、災害時に円滑な救助活動と関係機関相互の理解と信頼を深めることを目的として行われた。
訓練では、救助資機材取扱応用訓練、各種災害救助指揮訓練、救助救援活動事例講義、災害医療対策及び活動、都市型救助など講義や実技訓練を行い、知識・技術の共有化を図った。
 11日には総合訓練が行われた。防災ヘリ「きらら」から消防隊員とともに自衛隊員が降下、挫屈したビルに残された要救助者の救出する想定、倒壊家屋の瓦礫から関係機関と連携して要救助者を救助する想定、さらに救助した要救助者を治療しながら防災ヘリで救急搬送する想定で実施された。
 それぞれの所属長の見守る中、5日間の訓練成果を十分発揮し、各組織の特性や装備・技術の理解、人的交流を含む大きな礎を得て訓練を終了した。

陸自初、人命救助訓練センターが完成
《大久保》
 第7施設群は8月29日、近傍の長池演習場で米国FEMA訓練施設をモデルとした陸上自衛隊初の人命救助訓練センターを構築し、その柿落とし行事を実施した。この訓練センターは第380施設中隊が担当し、資材は演習場整備用ボックスカルバートなどの転用、不用決定器材の売払いまでの活用により使用経費はゼロ。
 行事はまず、無事故で訓練が遂行できるよう安全祈願として第4施設団長はじめ本訓練センターの使用部隊長である第7施設群長、第102施設器材隊長が御神酒をかけて各中隊を清めた。団長から「陸上自衛隊では初めての施設になるので、ここにくれば人命救助の訓練ができると言われるように広くアピールをしてもらいたい」との訓示があった後、参加者全員で御神酒をかけて安全を祈願した。群長が「基本基礎を訓練するところで、事故を起こさないように訓練をしてもらいたい。また、初動派遣部隊として待機する際に、本訓練センターで人命救助セットの機能点検・使い方を訓練し、中身のある初動態勢を作ってもらいたい。最後に、廃材等もこういう風に使うとダイヤモンドに変身し、立派な訓練施設に変わることを認識されたい」と訓示した。
 その後、第379施設中隊の救助要員等23名が油圧・コンクリートカッターによる鉄屑切断の各個訓練と被災受傷者を高所から搬出する部隊訓練を反復演練して、それぞれの練度の向上を図り一連の柿落とし行事を終了した。

雪月花
 9・11テロの時ニューヨーク市長だったルドルフ・W・ジュリアーニ氏の話を聞いた。2メートルを超す巨体を片時も休むことなく演壇の上を歩きながら話し続ける。5年前に世界貿易センターの現場で精力的に動きまわる市長の姿に市民はどれだけ勇気づけられたかわからないということをよく聞かされた。なるほどと思う。氏はテロはいつどこで起きるかわからない、予測がつかない。自分はターゲットにならないと思っている人がほとんどだが世界中どこにいても対象になることを知っておかなければならない。対抗するには、事件を想定してシミュレーションをしておくしかないという。9・11はあまりにもひどかったがシミュレーションをしていたために回復は早かった、世界一のお金を動かすウォール街が3日後に再開できたのも機関を第2第3と用意していたからだ。このセキュリティプランを作り指揮を執ったのは、陸軍の元将校で25から30の緊急事態を想定していた、しかしミサイルの代わりに旅客機を使うことは想定になかった。これからは、炭疽菌・サリンなどの化学兵器、サイバーテロ、ハッカーなどの警戒を強めなければならない。ブロークン・ウインドウという言葉がある、大きな建物の1枚の窓ガラスが壊されていることに注意することで大きな事件が防がれることになる。等々ジュリアーニ氏は世界の危機管理を熱く訴えつづけた。−同氏は市長退職後、危機管理のオーソリティとして世界を飛び回っているが日本でもこの夏(株)ジュリアーニ・セキュリティ&セーフティ・アジアを立ち上げている。
(所谷)=関連記事5面

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