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「安而不忘危」の書寄贈 |
盛大にお披露目セレモニー開く |
吉澤秀香さん(青森県)揮ごう |
<厚生棟> |
防衛庁に相応しい額 |
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5月23日午後、厚生棟1階で寄贈を受けた書「安而不忘危」のお披露目セレモニーが開かれた。
この書は、青森県を中心に活躍している吉澤秀香さんの手によるもので、同郷の木村太郎副長官が防衛庁のためにと揮ごうを依頼した。書は、安くして危うきを忘れず(太平の世にも武事を怠らず、常に戦乱の時の用意を忘れない)との意で、国防の任に当たる防衛庁に相応しい言葉である。
セレモニーには、吉澤さん、木村副長官、先崎一統合幕僚長が出席、木村副長官の挨拶に続き吉澤さんの挨拶、目録の贈呈後、作品のお披露目に移った。カバーが取り払われると集まった人たちから思わず感嘆のため息が漏れるほど立派な書であった。
最後に先崎統幕長より挨拶がありセレモニーを終了、書の前で記念撮影が行われた。自衛隊員に限らず人として常に心掛けておく言葉であり、厚生棟に立ち寄った際は是非ご覧下さい。 |
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<彰古館 往来> |
陸自三宿駐屯地・衛生学校 <シリーズ 52> |
捕虜生活の日常 |
日露戦争の記録 (8) |
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習志野捕虜収容所の特徴は、松山の将校を中心とした収監と異なり、14、950人の捕虜が下士官だったということが挙げられます。
彼等は食事から散髪、闇市にいたるまでを自主運営していました。
彰古館で確認された「習志野捕虜収容所の写真集」は、まさにこの捕虜の日常生活が多く撮影されていることが貴重な情報なのです。
例えば、洗面も「彼等は、口を濯いだ水を手に戻し、その水で顔を洗う」と説明文にあります。ちょっと奇異な感じがしますが、寒冷地出身の捕虜達にとっては、口の中で一旦暖めた水で洗わないと、顔が凍ってしまうので、これが正しい洗面方法です、民族・地域が違えば、風俗も異なるのです。
また、彼等は言葉の問題から使役や労働には向かず、散歩や昼寝が日課だったと岡谷軍医は書き残しております。
時間だけはたっぷりある毎日ですので、自ら娯楽用の器具を自作しています。ビリヤード台、スマートボール、風車によって動くカラクリ人形、各種の管楽器が写真に残されています。
写真集では、捕虜達が、これらの娯楽用品やトランプ、花札などに興じる姿が見られます。当然のように、これらの遊戯に付き物の賭博も行なわれていました。
「負けたものは日用品を売り払い、勝った者は、好きなものが購入できる」と説明文にありますが、収容所内には闇市が不定期に開かれ、日本人から購入した煙草、りんごやミカンなどが売買され、貴重な収入源であるとともに娯楽的な要素もあったようです。日本側ではこれを黙認していたようです。
ビリヤードの写真説明には「捕虜が自分で製作した玉突き器で、彼等はこの遊戯をはなはだしく好み、天候に係らず、室の内外に於いて、この遊戯を以って、無上の楽しみとしている。故にこの技のごときも、概ね熟練し、拙なきものは、はなはだ少し」と書かれています。
捕虜生活という「非日常」の中での「日常生活」が、写真と詳細な説明文によって100年後の今日、我々が目にすることが出来るのです。現在、八千代市立郷土博物館に陸上自衛隊習志野駐屯地空挺館が協力する企画展「習志野原」〜明治天皇から終戦まで〜に一部が特別展示されております。 |
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自衛官のヨーロッパ一人旅 (中) |
朝霞駐屯地業務隊 2陸佐 上 田 正 文 |
ユウレイパス購入 |
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〈イタリア列車車掌の不誠実〉私は1ヶ月有効なユウレイパス(ヨーロッパの鉄道に乗れる共通乗車券)を日本で購入していました。フランスのTGV、イタリアのユーロスター以外は指定席の予約は必要ないと旅行ガイドブックに書いてありました。ジェノバでトリノまでの指定席を予約しようと駅の窓口へ行くと、駅員から「トリノまでのEC(特急列車)の予約は必要ない」と言われました。実際にトリノに行くときの車掌には、「ユウレイパス」をみせればOKでした。ところが帰路の車掌は「リザベーションが必要だ。9・5ユーロ払え」と言われました。私は事情を説明しましたがとりつく島はありませんでした。きっとこの車掌(中年女性)はネコババしたのだと確信しています。この事件及びインフォメーションでの対応の悪さなどから、「イタリア人は信用出来ない」と結論づけざるを得ませんでした。
〈ミラノの「大阪屋」で舌鼓〉「どこの国の食事が一番おいしかったか?」とよく聞かれるのですが、その際は自信をもって「ミラノの大阪屋」と答えます。25日ぶりに食べた本格的日本食のおいしかったこと。大阪屋はランチで150名以上、ディナーでは200名以上を超えるお客さんで行列ができるお店だそうです。イタリアには麺がないので自分たちで作ったラーメンも食べさせてくれました。私は日本食がなくても我慢出来るのですが、日本人の中には数日外国料理を食べていると日本食が恋しくて我慢できない人がいるそうです。そんな方にはお勧めのお店です。ヨーロッパではディナーは夜7時頃からです。業務隊長として4時半から検食をしていた私にはとても待ち遠しくて大変でした。
〈イタリアのフィレンツェ・シエナの鐘楼登り〉緊要地形を探すために自衛官は高いところに登りたがるんですが、観光するにもまず鐘楼(鐘を鳴らす高い塔)に登り都市の全般地形を把握することをお勧めします。フィレンツェのジョットの鐘楼は448段の段階、シエナの塔は498段の段階で頂上まで登ることができます。頂上からは東西南北全周囲のすばらしい眺望が得られ、都市の概要がすぐ把握でき主要な観光地の写真が撮れました。また外国の観光客にも声を掛け合って励まし合うという交流ができましたが、かなり足腰に負担がかかりました。
〈お釣りを投げる駅員、店員〉ヨーロッパではお釣りを手渡したりお盆などに入れて渡したりしません。お釣りをテーブルなどに投げます。これには日本文化に親しんでいる私はびっくりしました。ホテルマンに列車の時刻を尋ねても「駅員に聞け」と答え、自分の仕事以外はやってくれません。私は業務隊長をやっている時「サービス向上」のために努力しなさいと隊員を指導していましたし、日本のホテルマンだったらすぐ調べてくれます。よく言えば「住み分けがはっきりしている」と思います。
〈トイレを探すのに一苦労〉ヨーロッパでは一般的に食事が高価です。まず「飲みものは?」と注文を確認され、「やむを得ず好きだから、ビール又はワイン」と昼間から注文しました。それから食べ物を注文します。よってレストランで食事すればランチで2千円前後、ディナーだと4、5千円かかりました。当然量が多いことも理由なのですが(日本食の2倍近い)。また、途中からランチの飲み物は水に変えましたが、ミネラルウォーターを出され、ビールより少し安い金額を取られました。水・空気・平和はただで手に入ると誤解している日本人には驚きでしょう。食べるのにお金を払い、出すのにもお金がかかりました。それに駅、デパートなどではトイレが少なく探すのに一苦労でした。
失敗談
〈列車にキャップを置き忘れ〉ドイツのハンブルクに列車で行く途中、ビジネスマンらしいドイツ紳士と会話を楽しんでいたら、車内放送がありました。英語に訳してもらうと「ハノーバーで次の列車に乗り換えるとハンブルクに早く着く」ということでした。「このままでもいいがあなたの選択です」と教えてもらい、急ぎ乗り換える支度をし乗り換えました。すると列車の帽子かけにキャップを置き忘れてしまいました。やっぱり焦って行動すればいいことはない。(教訓一) |
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〈訂正とお詫び〉5月15日号(第691号)「防衛庁・自衛隊高級幹部等名簿」の中に誤りがありましたので、訂正するとともに関係者の方々にお詫び致します。正しくは次のとおりです。
▽陸自青野原駐業隊長・高橋啓2佐▽陸自第6高射特科群(八重瀬)▽海幕指揮通信課情報保証班▽陸自第1特科団の住所(北海道千歳市北信濃724番地)▽空自航空総隊司令部法務官・今野裕之1佐▽空自北空司令官・菊川忠継空将▽空自6空団の住所(石川県小松市向本折町戊267)▽空自6空団監理部長・布村吉英2佐▽空自6空団基業群司令・加減幸良1佐▽空自7空団飛群司令・添田勘莊▽空自航空医学実験隊総務部長・野中浩事務官▽空自幹部学校情報主任教官・三輪優三1佐▽空自補給本部人事課長・木地谷博人2佐▽空自補給本部会計監査官・佐々木正人2佐 |
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