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   2002年11月1日号
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秋冷の大空に『勇姿』舞う
航空観閲式
航空機50機、隊員5300人参加
F15、F4EJ、F2地上公開も
小泉首相「国際テロなど緊急事態への対応策強化」 (百里基地)

 平成14年度自衛隊記念日行事「航空観閲式」が10月20日、自衛隊の最高指揮官である小泉純一郎首相を観閲官に迎え、茨城県の航空自衛隊百里基地で行われた。中央の観閲式が三自衛隊の持回りとなった平成8年以来、空自としては3度目の実施となる。当日は、悪天候のため、ブルーインパルス展示飛行の中止等、大幅な予定変更が余儀なくされたものの、11機の航空機による観閲飛行、F-15戦闘機などによる地上滑走及び離陸が行われ、石破茂防衛庁長官、赤城徳彦副長官、小島敏男、佐藤昭郎両政務官、伊藤康成事務次官、竹河内捷次統幕議長ら高級幹部、衆参国会議員、諸外国からの大公使はじめ多数の来賓、5千人を越える一般来場者が上空の勇姿を見守った。観閲部隊としては、二宮修中部航空方面隊司令官を指揮官に人員1200名、陸海空航空機計27種50機が参加した。会場では、全国各地の警備員1200人を動員して、今年は特に厳重な警備態勢も敷かれた。また、エプロン地区には20種34機の航空機を披露。兵装展示、F-15、F-4EJ、F-2のコックピット公開等の地上展示も訪れる人の注目を浴びていた。

迫力のエンジン音 離陸場面に大歓声
 時折冷たい秋雨と強い風が吹くエプロン地区には陸・海・空自衛隊の航空機などが並び、航空中央音楽隊の演奏が終わった13時40分、いよいよ観閲地上部隊の隊員が入場を開始した。その整然とした行進姿にレインコート姿の観客で埋まった会場前特設スタンドからは大きな拍手が起こった。続いて羽田からU-4で到着した小泉首相も臨場。石破長官とともに陸自302保安中隊の特別儀じょう隊による栄誉礼を受け、会場中央の観閲台に上り航空観閲式が開式した。

 機体説明のアナウンスに合わせてまずは海自のP-3Cから観閲飛行を開始。順にU-125A、C-130H、F-15J/DJ、F-1、RF-4E/EJ、E-767、最後に政府専用機が会場上空を飛行して計11機による観閲飛行が終了した。

 次に小泉首相は整列する地上部隊の前をオーブンカーに乗り巡閲しその後、訓示を行なった。小泉首相は訓示で、自衛隊の「領空侵犯に備えた緊急発進」「周辺海域における警戒監視」「災害派遣」といった任務や、テロ根絶に向けた活動への貢献、国際平和協力業務についてふれ、「国際情勢が激しく動いている今日、自衛隊の役割はいよいよ重要になってきている。国を守るという尊い任務に献身的な活動を続ける自衛官の活動が多くの国民の敬意と感謝に報われることを期待する」と述べた。

 訓示後、地上部隊の隊員が退場し飛行展示視閲が行われた。この日に予定されていたものに代わり、戦闘機の地上滑走と離陸のみとなったが、エンジン音の迫力や離陸時のスピード感に観客からは歓声が上がった。

 見学に訪れた観客からは「ブルーインパルスが見られなかったのは残念だけどピシッとした自衛官の姿は頼もしかった」といった声や、「統率のとれた隊員の姿は素晴らしかった」「戦闘機の音がすごかった」という感想も聞かれた。(小川郷太郎)(塩田愛子)


石破長官が感謝状を贈呈
---60個人、26団体---
防衛協力・自衛官募集で多大な功績
 石破茂防衛庁長官は10月19日、グランドヒル市ヶ谷で自衛隊記念日中央行事として防衛協力者・団体に感謝状を贈り、懇談した。

 今年度の受賞者は防衛協力、自衛官募集で功績のあった60個人・26団体。

 この日午後2時すぎ、防衛庁・自衛隊の高級幹部はじめ関係者多数が列席のもと、石破長官が壇上で受賞者一人ひとりに労いの言葉をかけながら感謝状を贈呈した。

 次いで、石破長官が挨拶に立ち、平素からの防衛庁・自衛隊に対する格別の協力支援に感謝しながら国の内外、特に国際貢献やテロ特措法で活動して自衛隊の現況などについて触れ「このような多様な任務を遂行できるのは皆様方防衛協力者のご尽カの賜。自衛隊の役割がますます重要になっていく昨今、今後とも一層のご支援、ご協力を」と要望した。

 次いで、受賞者を代表して小林喜男氏(83歳、兵庫県)が自身の戦争体験や現在の若者の風潮について触れながら「この感謝状に恥ないよう、寿命の続く限り国家のために尽くしていきます」と力強く挨拶し、式を終えた。

 受賞団体、個人名は次のとおり(=敬称略、順不同)

 <防衛協力功労(一般功労・個人)>▽遠藤清一(北海道)▽大賀正也(兵庫県)▽勝又幸作(静岡県)▽川崎純生(岩手県)▽喜多條昭治(徳島県)▽喜多村禎勇(福岡県)▽木村成文(茨城県)▽後藤光三(岐阜県)▽小林喜男(兵庫県)▽高石泰次(千葉県)▽鶴真佐信(長崎県)▽奈須田敬(東京都)▽西佐古求(北海道)▽服部眞司(神奈川県)▽平塚登美子(神奈川県)▽松形良正(宮崎県)▽宮城慶三(沖縄県)▽見上和由(神奈川県)▽御手洗希(長崎県)▽渡邊皓彦(山梨県)

 <同(一般功労・団体)>▽久里浜自衛隊協力会(神奈川県)▽大本山円覚寺(神奈川県)▽高浜町(福井県)▽むつ市自衛隊協力会(青森県)

 <同(就職援護・個人)>▽岡田哲一(三重県)▽高澤英介(新潟県)▽高野將弘(東京都)▽牧野逸朗(東京都)

 <同(就職援護・団体)>▽(株)アスビック(北海道)▽(株)みちのくサービスセンター(青森県)▽(株)森川組(北海道)▽海洋電子工業?(神奈川県)▽かぎんビジネスサービス(鹿児島県)

▽東京海上火災保険?近畿第二本部(兵庫県)▽日本電気?(東京都)▽日本ハイウエイ・サービス?仙台支店(宮城県)▽富士重工業?(東京都)

 <自衛官募集功労(地力自治体)>▽大隅町(鹿児島県)▽小野町(福島県)▽唐津市(佐賀県)▽久慈市(岩手県)▽藤岡市(群馬県)▽亘理町(宮城県)

 <同(高等学校)>▽足利工業大学附属高校(栃木県)▽帯広工業高校(北海道)▽岩見沢農業高校(北海道)▽小松島高校(徳島県)▽川内高校(鹿児島県)▽鎮西高校(熊本県)▽徳島東工業高校(徳島県)

 <同(募集相談員)>▽阿部坦(北海道)▽荒木國雄(静岡県)▽石井功(福岡県)▽石嶺邦夫(沖縄県)▽入江進(茨城県)▽越前陽悦(青森県)▽大村昇(広島県)▽岡澤精亮(東京都)▽斧靖博(大阪府)▽加藤洋一(宮崎県)▽金子榮四郎(千葉県)▽金子勇二(神奈川県)▽川井八郎(奈良県)▽小林良彦(愛知県)▽相模恵三(福井県)▽佐藤征太郎(山形県)▽四十万谷与之(石川県)▽滝澤好明(長野県)▽田口五郎(秋田県)▽竹内達雄(鳥取県)▽武田丈蔵(兵庫県)▽田中鐵男(北海道)▽田上源(大阪府)▽民岡隆二(兵庫県)▽戸田清重(北海道)▽藤井稔(岡山県)▽藤本久見(大分県)▽光永皓一(愛媛県)▽宮田保夫(埼玉県)▽村松達夫(富山県)▽持田幹雄(島根県)▽安田修司(京都府)▽山崎忠右衛門(滋賀県)▽山田高美(神奈川県)▽山本卓嗣(大阪府)▽吉田久蔵(東京都)

厳粛に中央追悼式
新たに15柱を顕彰
 平成14年度自衛隊殉職隊員追悼式が10月19日、防衛庁A棟2階講堂で厳粛に行われた(=写真)。今年度新たに顕彰されたのは、陸自8柱、海自6柱、空自1柱の計15柱で、顕彰者数累計(警察予備隊以降)は1726柱となった。

 式には、小泉純一郎首相、石破茂防衛庁長官はじめ防衛庁・自衛隊高級幹部、衆参国会議員、遺族会など部外関係団体の長や来賓多数が参列。午前10時、音楽隊の荘厳な演奏の中、石破長官が新殉職隊員15柱の名簿を奉納した。次いで、特別儀仗隊の捧げ銃とともに参列者全員で拝礼、黙祷を行なった。小泉首相は追悼の辞の中で「新たに杷られた御霊は15柱で、訓練中や演習中の事故、あるいはインド洋方面で任務遂行中に殉職された方々です。自衛隊員としての誇りと使命感を自らの行為によって示した隊員を失ったことは、自衛隊全体にとって大きな痛手です。また、御遺族の方々の悲しみに思いをいたすとき、お慰めの言葉もありません。私どもは、このような不幸な事態が再び起こらないよう、今後とも最善の努力を尽くします。そして御霊の尊い犠牲を無にすることなく御遺志を受け継ぎ、国の防衛、さらに国際社会の平和と安定に寄与するという崇高な任務を全うして参ります」と述べた。また、石破長宮は「御霊の御遺志・御偉業を自衛隊員の鑑として永く顕彰するとともに、今後ますますその役割が多様化し重要性が増大する自衛隊の任務達成のため、最善を尽くすことをここにお誓いします」と追悼の辞を述べた。

 小泉首相、石破長官、新遺族をはじめ関係者が順次献花したあと、追悼電文披露、石破長宮挨拶、遺族代表挨拶などが行われ、最後に全員で拝礼し、追悼式を終えた。
防衛弘済会 殉職隊員の肖像画贈呈
陸幕を通じて遺族助成金も

 防衛弘済会(夏目晴雄会長)は10月15日、大臣室で平成14年度殉職隊員の肖像画を石破茂防衛庁長官に贈呈した。この肖像画は例年、防衛庁長官を通じて新遺族に贈呈されるもので、防衛弘済会では平成14年度を含めて、これまでに1644柱の肖像画を遺族に贈呈している。

 また、平成14年度追悼式での遺族助成金として320万円を陸幕を通じて遺族会に贈った。この助成金は、追悼式に出席した遺族の旅費、宿泊費などにあてられている。


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