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   2002年11月1日号
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『道民とともに更なる飛躍』
陸自北部方面隊創隊50周年記念式典を開催
札幌ドームに3万5千人
先崎総監「新しい時代にふさわしい体制づくり目指す」
 陸上自衛隊北部方面隊の創隊五十周年記念式典が十月十三日、札幌市の札幌ドームに堀達也北海道知事、国会議員、地元関係者や歴代の北方総監ら来賓をはじめ約三万五千人が集って賑やかに開催された。

 朝早くから道内各地から仕立てたバスや乗用車はドームの周辺に続々と集まり、開場の十一時前にはドームを多勢の人が長い列で取り囲んだ。

 オープニング前から会場には北方の活動と歴史を紹介するビデオが大型画面に映され、道民とともに歩んで来たことが強調される。道の人口の6.3%が自衛隊関係者(総監あいさつ)だという土地柄だけに観閲部隊が入場してくることに大きな拍手がドームに反響する。

 式は陸将・先崎一北方総監の「新しい時代にふさわしい体制づくりを目指す」との式辞のあと、堀知事の祝辞、来賓紹介などがつづき、執行者(先崎方面総監)に栄誉礼を行った。国旗掲揚、全道市町村旗入場などと約四〇分間これらを見つめる観客は実に熱心、誠実だった。節目、節目には必ず拍手を送りどんなことも見逃さない面持ち。自分たちの自衛隊、北海道の自衛隊の成長を心からよろこんでいた。

 イベントはまず第二師団二〇〇人による銃剣格闘と徒手格闘が行われた。遠く離れた客席にまで床に到される音が聞こえる。迫力がすごい。つづいて第二、第五、第七、第十一各師団各百五十人による師団対抗棒倒しが行われた。戦いは全く格闘技そのもの。床に転がって一対一で戦っているし、守備隊の頭に飛び乗る者もいる。客席からも声援が飛びウェーブも起きる。退場する時には足を引きづっている隊員も何人かみられた。

 休憩の後は、音楽まつり。リンゴの唄、知床旅惰、オリンピックファンファーレ、北の国からなどの演奏は北方50年の軌跡を表現したもの。一時間半の間には、ドリルあり、陸海空の合同演奏、阿波踊り、日本太鼓とギッシリつまったプログラム。観客の手拍子も加わりドームでの北の祭典を盛りあげた。

 北部方面隊は、道民とともに更なる飛躍(50周年標語)を目指す。(所谷尚武)

板妻駐屯地業務隊 創隊40周年を祝う
 板妻駐屯地業務隊(隊長・田中和男1佐)は、10月6日、創隊40周年記念行事を業務隊とOB会との共催で実施した。

 式典に先立ち午前9時より駐屯地会議室において20企業等に対し業務隊に対する長年の協カ・支援等に対し、感謝状を贈呈した。

 午前10時、駐屯地体育館において国会議員、県会議員、近隣市・町長等約70名の来賓を迎え式典が挙行された。田中隊長は、式辞において業務隊の編成組織及ぴ各科の主要な業務について一般来賓に業務隊の役割をわかりやすく説明するとともに過去の業績及び開かれた自衛隊を強調した。

 式典の後、隊長は、従来の記念行事にはなかった記念講演を行った。

 この記念講演は、かねてから「日本人のあり方」をテーマとして勉強してきた田中隊長の講演であったが、中国藩陽の日本領事館で起きた北朝鮮人の亡命事案における副領事以下の領事館員の対応等を例に、日本人の縦社会意識の根深さを説明、領事館員らは国益

よりも直上階層である中国大使あるいは外務省に重きを置いて対処したと結論づけ、中国警察の日本国への主権侵害に対して全く無関心であったと断定した。

 この縦社会意識のルーツは、遠く大宝律令制度が定着した聖徳太子の時代にさかのぼりそこに発生した村長を中心とした村社会制度で、長を中心として物事が進められ、反抗すれば村八分になるという日本独特の社会意識で、このことが国家意識を希薄にしていると分析した。

 これらの論点から、国際人として国家意識を正当に保有する必要性を強調し、約1時間の講演を終了した。この講演を開いた斉藤斗志二自民党国際局長や長田央小山町長らは隊長はよく勉強している、自分のいいたいことをはっきり言っていたと感想を述べていた。

 このあと、場所を部外施設の「大野路」に移し、OB会が企画した参加全員にバーベキュー大大会で和やかな雰囲気の内にすべての行事を終了した。

応募総数6千人上回る
体験飛行(入間基地)抽選会
平成14年度自衛隊記念日行事の一環として、11月10日、空自入間基地で開催される自衛隊体験飛行の抽選会が空幕広報室で10月22日行われた。

 今回、C-1輸送機460名、CH-47型輸送ヘリコプター540名、あわせて1000名の搭乗希望者を公募。ハガキとインターネットによる約2ヵ月間の受付け期間中、合計3068件、6164名の応募があり、C-1は7.5倍の倍率となった。

 抽選は、小川剛義監理部長、飯田雅典広報室長、所谷尚武・防衛ホーム新聞社社長、阿曽源彦・エアワールド社長により、事務官、室員6名の立ち合いのもと、厳正に実施された。

 当日は、C-1機が2機で12回、CH-47機が3機で18回運行し、約15分間のフライトを行なう予定。

航空自衛隊
テロ特措法に基づく米軍物資輸送100回超える
米軍横田基地でセレモニー
 昨年9月に米国で発生した同時多発テロ以降、航空自衛隊が、テロ特措法に基づき、現在も行なっている米軍物資の輸送支援が10月10日の任務で100回目を数えた。

 これを記念し、当日の出発地となった米空軍横田基地、駐機場地区では多勢の空自、米軍関係者が見守る中、セレモニーが行われた。

 午前10時、C-1輸送機に、水や食料、衣類などの補給物資約2500?が米兵数名によって、手際よく積み込まれていく、機中では隊員2名が計3個の荷物を固定させ、約10分間で搭載を完了させた。

 晴天にも恵まれたこの日、引き続いて、機体をバックにセレモニーが行われ、605航空作戦群司令・ドナルド・ウェックホースト空軍大佐が「テロ以降、米軍を支えるミッションとして、困難だったが、これまで続いた事に感謝。空自の卓越した技術とコーディネイトのお陰で順調にこなされている」と謝辞を述べた。また、今回の機長をつとめる高垣康二2佐をはじめ、7名の乗員、支援集団司令部・日暮正博空輸統制室長等9名に、5空群のメダルが贈られた。

 その後のインタビューで高垣機長は「自分にとって1回目のフライトが100回目にあたり、携わることができてうれしい」と心境を語った。また、体制の異なる米軍基地での任務に緊張感を持つ半面、「(贈られた)メダルは、米軍のバーで、持っていないとおごりタイムに、全員におごらなければいけないので米軍では必需品」とユニークなルールを話し、笑顔を見せた。

 同機は、11時に離陸。途中、岩国で燃料を補給し、15時40分に嘉手納基地に到着し、任務を終えた。

 空自では、昨年11月1日の初任務以来、これまで、C-130型輸送機を使用して、グァム島方面等の国外輸送を15回実施。また、今年8月からは、C-1機も加わり週3日の任務のうち、2日を担当している。(塩田愛子)

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