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   2007年9月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
力戦奮闘
琴光喜 頑張れ!
 名古屋場所を終え、休む間もなく東北―北海道巡業を続けた大相撲。約半月ぶりに帰京して、いよいよ9日初日の秋場所に向けけいこを開始したが「今夏の巡業ほど盛り上がったことは近年まれ」と、大島巡業部長(元大関・旭国)が目を細めて話してくれた。「行く先々で大歓迎を受け、こっちが逆に緊張しまくった2週間だった」と。
 横綱・朝青龍(26)=高砂=事件など“暗雲"立ち込める中でのスタートだったのに「全力士が本当に一丸となって土俵を務め、ファンも交流を心から喜んでくれた。この結束力が秋場所をいっそう盛り上げてくれるはず」と大島巡業部長。
 そんな力士たちの中で、特に気になったのが、名古屋場所13勝2敗(敢闘、技能賞受賞)で大関に昇進した琴光喜(31)=佐渡ヶ嶽=だった。昇進して間もない巡業途中の8月14日、先代佐渡ヶ嶽親方(元横綱・琴桜)が逝去。特に終盤の土俵は、悲しみをこらえての土俵だったが、巡業を全うした。
 21日の葬儀、告別式では涙をこらえ、声を振り絞って「けいこに精進して、期待にこたえられるよう頑張ります」と、改めて秋場所への決意を口にした。
 「いろいろな思い出が頭の中でグルグル回りして、まだ収拾がつかない状態なんですけど、とにかくいままで以上にけいこを重ねて先代の霊に報いたい。いつも“トシを考えるな。ケガを恐れず、ただ前進あるのみ"と激励していただいた。秋場所は大関に恥じない相撲を取ることが、先代への最高の供養だと考えています」
 新大関伝達の場で、琴光喜は「いかなるときも力戦奮闘し、相撲道に精進します」と口上を述べた。「力戦奮闘」―先代親方の教えそのままの4文字熟語。亡くなった先代は「猛牛」の異名を取った53代横綱だったが、力士としては「かなり不器用」で、横綱昇進は32才と遅咲き。綱を締めてからの優勝もたった1度だけだった。
 琴光喜も“遅咲き"では先代に引けを取らない。31才3カ月での大関昇進は、年6場所になった57年以降では最年長だ。「故障もあったけど…。先代には“これ(名古屋場所)を逃がしたら、引退した方がいい"とまでいわれた。あれはショックというよりも、最高のしったでした。“(大関になれて)よかったな"といわれた一言が、耳の奥にこびりついていて離れない」と琴光喜。
 佐渡ヶ嶽親方(娘婿の元関脇・琴ノ若)は「“おじさん大関"なんて呼ばれているようだが、相撲も人間もまだ若い。課題は精神面だと思う。持ち味を発揮できるだけの心の安定を保てれば、秋はさらに頑張れるはず。大関で満足することなく、もう一つ上(横綱)を目指してもらわなくては困る」と話している。
 「力戦奮闘」―27連敗中の横綱・朝青龍は幸か不幸か、2場所連続謹慎する。新大関・琴光喜に寄せられる相撲ファンの期待は、日毎に高まってきた。日本人横綱の誕生が待たれる。

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(防衛ホーム英語教室)
THIS JOB WILL PUT A BURDEN ON ME
この仕事は重荷になるだろうね
 Hi! How are you doing? 皆さん、お元気でしょうか。そろそろ秋めいてきました。秋は色々なことができますね。楽しみです。季節もさまざまな事象の変化はあるものの、うっかりしていると鮮明に季節の訪れを感じないまま、冬になっていたりするのかもしれません。秋を楽しみたいですね。

 さて、今回の表現は、“This job will put a burden on me."「この仕事は重荷になるだろうね」です。仕事オンリーだと殺伐としてきます。まずは、自分の仕事の任務分析をしっかりすること、時間や対応が直接的にみえてきます。Burdenは「負担、重荷」のことです。“Put a burden on me"という「自分に負担がかかる」という形でもよく使います。

 まだまだ暑い日がつづいております。新しい職場、新任務に挑戦する端緒でもあります。今まで以上に健康に留意され、秋を楽しんでいきましょう。

 それでは、皆さん。See ya! 〈スワタケル〉

イラク派遣を終えて シリーズ
クウェートの思い出
第4高射群第12高射隊 2空尉 小谷 泰弘
 10期イラク派遣輸空隊後段要員として私はクウェートに派遣されました。派遣への参加は自らの希望であり、中東の砂漠の地に派遣されるので、気合いを入れて挑みました。日本の日常生活に比べ多くの制約を受けましたが、これまでに派遣された先人達が築きあげてくれたおかげで、大きな不自由を感じずに勤務、生活することが出来ました。そこで、この4ヶ月間を振り返り、クウェートの思い出をお話ししたいと思います。
 8月下旬に派遣されましたが、クウェートは、夏真っ盛りでした。日中の気温は50度に達し、湿度は10%以下です。例えるなら、サウナの中で扇風機を回してる感じです。風が熱く、ピリピリと感じました。屋内は冷房が不可欠であり、完備されていました。
 こんな暑さの中ですが、屋外で活動しても汗をかいた感覚がありませんでした。それは湿度が低く、汗が流れる前に蒸発するためです。ある日、全身に強い怠さを感じることがあり病気かと思ったことがありました。しかし、水を飲むと体がすうっと軽くなりました。原因は水分の補給不足でした。定期的な水の摂取に努めていましたが、予想以上に体の水分が失われていたためでした。
 このような環境では日中に屋外で運動することはとてもできません。それで涼しくなった日没後に健康管理のため体育館へと足を運びました。すると、多くの隊員が体育館で運動をしていました。日本に比べ娯楽の限られたここの生活では、自ずと運動するようになるのでしょうか。そのためか尿酸値が適正値に下がる人、体重が減る人など、多くの人がより健康的になって帰国しているようです。
 宗教はご存じのとおりイスラム教です。一日に数回お祈りの時間があり、基地の屋外放送でお経のようなものが流されます。朝5時頃に流れ出すこれには悩まされた隊員が多かったようです。
 我々は運良く(?)ラマダンを体験することが出来ました。これは9月下旬から1ヶ月の間、日の出から日没までは屋外、公衆の面前ではモノを口にしてはいけないというイスラム教徒の風習です。クウェートの文化、習慣を尊重する我々も彼らの邪魔とならないように配慮しました。屋外での水分補給は、隠れるように行いました。煙草も同様ですが、煙が見える恐れがあり、喫煙者は吸える場所を探すのに苦労していました。
 我々が派遣された基地には他国の軍隊も駐留していましたが、米軍には驚かされました。まるで通常の米軍の基地のように整った設備と、物量の多さは、とても一時的な滞在とは思えないほどでした。また、様々なイベントが企画され、多くの自衛隊員も参加させてもらいましたが、米軍にはレクリエーションの企画を専門にする部署があると聞かされました。このような専門部署まであるとは、あらためてアメリカの大きさを感じました。
 4ヶ月の派遣期間中、クウェートの市街地に数回行くことができましたが、市街地は砂漠の国とは思えないほど近代的な街並みでした。クウェートの人口の6割は外国人労働者で、残りの4割がクウェート人です。クウェート人は豊かで、街で見かける車は高級外車がとても多く、日本製の高級4WDも多く目にすることができます。しかし、運転はとても荒く、強引な割り込みが盛んで、見ていてヒヤヒヤするほどです。あまりの強引さに、何やら考えさせられるものがありました。
 クウェートで4ヶ月間の勤務、生活をすることにより、様々な事を日本と比較することができました。「失って、初めて分かる有難さ」ではありませんが、色々な意味で日本のすばらしさを再認識しました。例えば、今まで暇を持て余しダラダラと週末を過ごすことがありましたが、今思えばこれは何もすることが無くて暇なのではなく、何もしないから暇だったのです。また、平凡な生活は退屈に感じるかもしれませんが、それも平和という土台があって初めてその上に成り立つものだということがよく分かりました。帰国後はこうした日本のすばらしさを噛み締め、さらに仕事に遊びに励みたいと思います。

防衛ホーム 俳句コーナー
訥々と生家の跡の昼の虫 小川 淑子
行灯に闇の深まる虫の闇 富岡めぐみ
睡蓮の咲きつぐ命惜むかに 浅野 澄江
その声の綺羅星のごと虫の闇 石田 孝子
窓辺まで小鳥来てゐる誕生日 並木 桂子
灯を消して虫の世界に仲間入り 本田すみ子
大南瓜ごろりと夕日浴びてをり 松野 藤枝
虫の音のはたと止みしは何故ならむ 辰巳 一郎
友揃ひをるふるさとの盆踊り 青木彦一郎
湿原の木道を行く日傘かな 榎 利美
白露てふ日の赫々とのぼりけり 江上 敏子
虫の闇深めて点る常夜灯 和田 渓山
虫すだく闇のしたしきにほひかな 大内 猛
門灯の点りて虫の闇深め 和田 一菜
月さして今宵五勺を寝酒とす 島田 基三
追悼の捧げ銃して菊薫る 坂元 順一
息災に米寿迎へし敬老日 菊地 緑
赤蜻蛉弾けるやうに飛び交へる 滝澤 緋沙
洪鐘へ石百段の秋暑し 棚橋 活明
手花火の輪に外されてゐる記憶 柳葉 繁
惚けずに老いたし風に萩揺れて 榎本 木作
母在さぬわが故郷の月の家森 未知子
太刀を打つ吾が息白し初志不恋 渡辺 刀雲
山門の吊し草鞋に蝉の殻 井戸田盛男
仰ぎ見て世界遺産のぶな(木へんに無)青葉 鈴木和加恵
持久走終りて暮るる秋夕べ 關 由紀夫
蝉の声聞きつ足湯の旅たのし 山崎 藤雄
  選 者 吟
少しづつこころを変へて虫を聴く 保坂 伸秋
(「栃の芽」誌提供)
 
 「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=畠中草史氏 電話042・796・0961〉へご連絡下さい。

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