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   2007年1月15日号
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あけましておめでとうございます
年頭の辞
防衛大臣 久間章生
防衛省・自衛隊の飛躍の年に
 明けましておめでとうございます。平成19年の新春に当たり、全国各地で任務に従事している隊員諸君、また、イラク、クウェート、インド洋、ゴラン高原を始め、砕氷艦「しらせ」の乗組員や、防衛駐在官等、世界各地で活躍中の隊員諸君に、敬意を表し、一言ご挨拶申し上げる次第であります。
 本年1月9日、防衛庁は省に移行します。
 防衛庁・自衛隊は、昭和25年の警察予備隊、昭和27年の保安庁・保安隊を経て、昭和29年7月、総数約16万5千人、装備品の殆どは米国からの供与又は貸与という状況から発足しました。
 当時、防衛庁・自衛隊に対する国民の理解は必ずしも十分ではなく、黎明期の隊員各位及び関係者にとっては大変困難な船出であったことと思います。
 発足当初の防衛庁・自衛隊の任務・役割は、専ら侵略に対する抑止力としての防衛力の維持と管理に限定されていたかのように思われます。しかし、現在に至る52年余りの間に、国際安全保障環境は大きく変化し、自衛隊の任務・役割も、我が国の防衛にとどまらず、国内外での災害対応や、国際平和のための取り組みなど、大きく変化してきました。
 国外ではペルシア湾への機雷掃海隊派遣からテロ特措法に基づく活動、イラク人道復興支援活動まで、自衛隊は国際平和のための様々な活動に従事してきました。国内では、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、能登半島沖不審船事案など数多くの災害や事件に対応してきました。これらの活動における隊員諸君の活躍は、我が国国民のみならず、世界からも高い評価を受けております。私は、黎明期からの厳しい状況の中で活躍された諸先輩方、それから諸君を誇りに思います。
 今回の防衛庁の省への移行は、防衛庁・自衛隊に求められる任務・役割が拡大していく中、現役・先輩隊員諸君が立派にこれらを果たしてきたことに対する国民の信頼・評価と、今後の活動に対する期待の表れであり、先の国会における省移行関連法案の審議では、9割以上もの国会議員の賛成が得られました。我々は、これらの期待に応えていかなければなりません。
 国民の期待と信頼に応えていくために、防衛庁は、省移行とともに政策官庁として脱皮していく必要があります。そうした上で、国民の安全・安心を確保し得るよう、テロや大量破壊兵器等の新たな脅威や多様な事態に迅速かつ的確に対処できる態勢を構築するとともに、国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組んで参りたいと思います。
 隊員諸君においても、一層気を引き締めて、防衛省の名に恥じぬよう、中央において、現場において、あるいは世界各地において、更に一丸となって職務に邁進し、努力していただきたいと思います。
 さて、今日の安全保障環境においては、米国同時多発テロに見られるとおり、従来のような国家間における軍事的対立を中心とした問題のみならず、国際テロ組織などの非国家主体も国際社会にとって重大な脅威となっております。更には、北朝鮮による昨年7月の弾道ミサイル発射と10月の核実験実施発表は、大量破壊兵器等の開発・拡散が我が国にとっても現実的な脅威であることを改めて認識させました。これらの新たな脅威や多様な事態に対処するため、重点的に取り組むべき課題を、三点挙げたいと思います。
 第一に、日米安全保障体制とそれを基調とする米国との緊密な関係を一層強化いたします。日米安全保障体制は、我が国の安全のみならずアジア太平洋地域の安定のために極めて重要な意義を有しており、私は、早期にゲーツ米国防長官と会談を行って日米同盟の更なる発展を進める所存です。また、在日米軍の再編は、我が国の安全の確保とアジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠な基礎であり、昨年5月に合意されたロードマップに従い、引き続き、沖縄など地元の切実な声によく耳を傾け、着実に再編を進めて参ります。
 第二に、国際平和協力活動に主体的・積極的に取り組んで参ります。国際テロや大量破壊兵器の拡散等のグローバルな脅威は、一国のみで対処できるものではなく、国際社会が一致協力して対処していくことが必要です。
 イラクにおいては、困難な状況で新たな国づくりの取り組みが行われており、引き続きイラク自身の努力を国際社会が力強く支援していく必要があります。我が国としても、航空自衛隊による空輸支援活動を通じて、今後もイラクの国家再建に寄与していくこととしております。
 また、我が国は、海上自衛隊のインド洋での洋上給油活動等を継続し、国際社会の一員として、国際テロの防止及び根絶に引き続き積極的かつ主体的に取り組んで参ります。
 さらに、国際平和協力活動等の本来任務化を踏まえ、今後とも、教育訓練体制や輸送能力の向上等の必要な体制整備を進めて参りたいと思います。
 第三に、防衛省の政策官庁としての機能を更に充実して参ります。組織面では、内部部局に「企画評価課」や「戦略企画室」を新設するなど、本年も政策立案機能の強化を進めて参ります。また、米軍再編や基地対策に防衛省としてしっかりと取り組んでいくため、「米軍再編調整官」を新設し、防衛施設庁の機能を本省に統合して新たに地方担当局を設けて参ります。さらに、大臣直轄の独立性の高い監査・監察組織を新設致します。
 運用面では、北朝鮮の弾道ミサイル発射、核実験実施宣言等の問題に的確に対処するために、防衛計画の大綱にある「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」を引き続き整備して参ります。各種統合訓練の実施等を通じ、統合運用態勢の更なる強化を進め、弾道ミサイル防衛につきましては、ペトリオットPAC―3やSM―3搭載イージス艦の前倒し配備を進めて参ります。
 最後に、多くの隊員が日々職務に精励している中、防衛施設庁談合事案や情報流出事案等、国民の信頼を損ね、期待を裏切るような不祥事が発生したことは、誠に遺憾であります。国の防衛という任務は、国民の信頼なくして成り立ち得ないものであります。隊員諸君には、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つという任務の重要性と責任の重さを自覚し、規律の保持に努めながら、職務にあたるよう、改めて綱紀粛正の徹底を求めたいと思います。
 全国及び世界各地の隊員の諸君並びに御家族の皆様の益々の御発展、ご健勝を祈るとともに、防衛省の門出となる記念すべきこの一年が、防衛省・自衛隊の更なる飛躍の年となることを祈念し、年頭の辞と致します。
防衛副大臣 木村隆秀
変革の時期、今一度原点に
 「防衛省」として記念すべき第一歩を踏み出す新年を、国民の皆さん、そして国内外で任務に励んでおられる隊員諸官におかれては、健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
 また、日本の防衛の新たな歴史の始まりを、隊員諸官と共に迎える事ができた事を光栄に思います。
 昨年は、米軍再編の最終取りまとめ、新世紀の日米同盟宣言、北朝鮮による弾道ミサイル発射及び核実験、更にイラクでの陸上自衛隊の活動の終結、ゴラン高原の停戦監視任務10周年、そして省移行・国際協力活動本来任務化法案の成立等、日本の安全保障にとって歴史的な転換点となる年でありました。
 本年は、防衛庁五十有余年の良き伝統を継承し、改革すべきはこれを厭わず、防衛省・自衛隊一丸となって、国民の皆様のご期待に応え得る態勢を確立する大切な年であります。組織が変わっても、国家防衛の本質は変わることはありません。隊員諸官にあっては、変革期にあってこそ「国民の生命と財産を守る」という原点に立ち返り、使命を自覚するとともに、規律を厳守し、団結を強固にして、「事に臨んでは危険を顧みず身をもって責務の完遂に努める」との決意を新たに、歴史的なスタートを踏み出していただきたいと思います。私も、防衛副大臣として、その崇高な使命を全うしていく所存であります。
 本年が、皆々様にとりまして良い年でありますようお祈り申し上げると共に、末永い世界の平和と防衛省の輝かしい将来を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。
防衛大臣政務官 大前 繁雄
自らの任務に誇りと気概もて
 新年あけましておめでとうございます。防衛大臣政務官として、国内そして世界各地で国際社会及び日本のために任務に邁進している隊員諸官、そしてご家族の皆様とともに、新年及び防衛省としての新たな門出を迎えられたことを大変光栄に存じます。
 北朝鮮のミサイル発射事案や核実験等が、我が国周辺の安全保障環境に大きな影響を及ぼす中、国民の高い支持と期待により、防衛庁設置法等が改正され、本年1月9日をもって防衛の任に当たるにふさわしい組織、防衛省へと移行しました。これは、我が国を含む国際社会の平和と安定に命をかけて真摯に取り組んでこられた多くの自衛隊員の成果の賜であり、諸官の今後の活動に対する内外からの大きな期待が寄せられた結果であります。
 我々防衛省・自衛隊は、省移行に伴う必要な体制整備はもとより、これまで付随的業務とされてきた国際平和協力活動等の本来任務化をも踏まえた多機能で弾力的な実効性のある防衛力整備、及び統合運用体制のさらなる強化が求められます。諸官においては、新たな防衛組織の一員として引き続き国民の負託に応えるべく、厳正に規律を保持して、日々の努力が国際社会の平和と安定、そして我が国の自由と独立を支えているということを十分に自覚し、自らの任務に誇りと高い気概をもってそれぞれの職務に邁進していただきたいと思います。
 私も、防衛大臣政務官として、久間防衛大臣を支えつつ、国政の場において隊員諸官が心置きなく任務に集中できるよう、全力を尽くす決意であります。
 末尾になりましたが、本年が隊員諸官、そしてご家族の皆様にとりまして実り多い一年となりますことを心より祈念し、新年のご挨拶と致します。
防衛大臣政務官 北川 イッセイ
今必要なことは「品格の変革」
 日本国内、世界各地で任務に励んでいる隊員の皆さん、そして御家族の皆様、明けましておめでとうございます。
 清々しい気持ちで迎えた新年は、―危機により強く、世界の平和により役立つ組織―防衛省へ移行する新たな時代の幕開けの年であります。そのような岐路となる年に、皆さんと共に汗を流すことが出来ますことを大変光栄に思いますとともに責任の重さを痛感いたしております。
 さて、防衛庁の省への移行は、行政組織としての位置づけを変更し、危機管理や国際平和協力活動等に取り組む体制を整えるものでありますが、これは国民の大きな期待から生まれたものであります。
 そのため、私といたしましては、大臣政務官として久間大臣の下、防衛省・自衛隊がその実力を遺憾なく発揮し国民の信頼に応えることができるよう、自衛隊だからこそできる、自衛隊にしかできない、そういう困難な仕事に立ち向かう皆さんの姿を国民へ紹介し、理解を得るように全力を尽くしてまいる所存でございます。
 私はかねがね日本にとって重要な課題(テーマ)は、日本人の「品格」を取り戻すことだと考えてまいりました。いわゆる金儲け至上主義・学歴偏重・あらゆる差別や人格蔑視の悪習などから脱皮して自然と他人を愛し、命の大切さ・働く事の尊さを知り、平和のために貢献できる、まさしく必要なことは「品格の変革」ではないかと。
 この変革の年、皆さんにおかれましては、今後とも国を守るという気概を胸に、防衛省・自衛隊において自信を持って職務に精励されますことを望みます。
 最後になりましたが、本年が隊員の皆さん、御家族の皆様にとりまして実り多い一年となりますことを心よりお祈りいたします。

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