隊友会は、(一社)日本戦没者遺骨収集推進協会(以降「推進協会」という)に社員団体として加入しており、硫黄島並びに海外の東部ニューギニア及びビスマーク・ソロモン諸島の戦没者遺骨収集事業に会員を派遣する等して参画している。
「現地調査派遣」
国内外から提供された情報や派遣団が現地で収集した情報に基づき、遺骨が残存していると思われる密林等の旧交戦地や埋葬地を特定して試掘を行う。遺骨を発掘した際は、必要に応じて遺骨鑑定人等による鑑定を行ったうえで日本人の蓋然性が高いと判断される遺骨は収容し、現地に設けた一時仮安置場所に安置する。
調査未了や地権者等から収容の許可が得られない、または全ての遺骨の部位が発掘できていない等の状況によっては、紛失や盗難がないように対策を講じたうえで遺骨を発見場所に埋め戻すか、地権者等に適切な保管を依頼する場合がある。
「遺骨収集派遣」
埋め戻した遺骨の収容、現地に仮安置した遺骨について、遺骨鑑定人等による鑑定を行う。鑑定により日本人の蓋然性が高いと判定された遺骨は、検体を採取後、引き続き現地に仮安置する。採取した検体は、日本に持ち帰りDNA鑑定等を行う。
DNA鑑定等で日本人と判定された遺骨は、現地で荼毘に付して、派遣団が日本に送還する。検体の送還及び遺骨の送還は、原則として遺骨収集派遣で行うが、緊急を要するなど事業の効率上、現地調査派遣で行う場合もある。
7月25日から8月10日の間、「令和5年度第1次硫黄島戦没者遺骨収集事業」に参加した茨城県隊友会稲竜支部の平野誠司さんは、「島内巡拝をした際、道路沿いの至る所に日米両軍の慰霊碑が建立されており、島の北東部では司令部壕跡、硫黄臭のする火山岩隆起地帯で銀明水洞窟なども拝礼し、一日でも早く、一人でも多くのご帰還を誓いました」と述べた。 |