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1061号 (2021年10月15日発行) |
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機略縦横(26)
兵站プライド
補給統制本部最先任上級曹長准陸尉 平井正路 |
私が、陸上自衛隊の兵站中枢である補給統制本部の最先任上級曹長に上番して3年が経ちます。
この間、陸上自衛隊は、強靭な陸上自衛隊の創造に向け、厳しい任務を完遂しうる強靭な部隊等を創造し、各種事態等への実効的な対応に万全を期すべく、「運用の実効性向上」に邁進してきたところであり、作戦に基盤を付与する兵站の中枢を担い、これを牽引する補給統制本部は、「陸上自衛隊の兵站の実効性向上」に向けた取組を推進してまいりました。
兵站に従事する全国の部隊等の准曹士は、作戦に基盤を付与する兵站の重責を肝に銘じ、第一線部隊に必要な支援を必ず行き渡らせるとの「兵站プライド」をかけ、調達、保管、補給および整備等の業務を、平素から作戦の終始を通じて、ひたむきに且つ整斉と遂行しています。
「振り向くといつもそこに(支援する兵站の隊員が)います。」
今後も、「兵站プライド」を保持し、部隊等の信頼に応え続ける准曹士隊員と気持ちを同じくし、与えられた任務の達成に向け精進していく覚悟です。 |
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雪月花 |
最近、自衛官OBによる著書刊行やメディアへの露出が目立ってきている。以前にも新刊紹介で書いたが元陸幕長の岩田清文さんと武居智久元海幕長、尾上定正元空将、元国家安全保障局次長兼原信克さん共著の「令和の国防」は4月発刊以来版を重ね好評のようだ。同じメンバーが参加した「台湾海峡危機シミュレーション」は8月14、15日に「日本戦略フォーラム」の主催で行われ、雑誌「正論」10月号に掲載されている。有識者15人が総理大臣の役、防衛大臣の役、外相等々の配役になり、すぐそこにある台湾海峡危機に対応する内容である。また岩田清文さんは同じ「正論」で安倍晋三元総理や外務省OBの兼原信克さん(前出)との鼎談が9月号10月号の2回にわたり掲載され目立っている。西部方面幕僚長で退官した福山隆さんも「続・空砲戦記」を発表した、前号が好評の第2弾である。地下鉄サリン事件の指揮官として記憶されているが五島列島で生まれてからの自伝的な面も多く自衛官の喜びと悲哀が伝わってくる。元東部方面総監の渡部悦和さんは夕刊フジのコラムに登場、今度で何回目かのシリーズで登場の「安全保障最前線」は数回連載でファンを増やしているようだ、筆者も毎回読ませていただいている。航空自衛隊OBでも元空自補給本部長の吉岡秀之さんは退官と同時に何本か論文を発表、「日経ビジネス」をはじめ専門誌などを通して防衛産業の維持向上を持論にしている。皆さん現役の時には控えていた主張を今発表できる喜びを味わっているのではないだろうか。そして現役自衛官の代弁者として後輩のバックアップと国民の国防への認識を高めてもらう心づもりがあるのだろう。これからもたくさんの発信を待ちたい。 |
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