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800号 (2014年4月1日発行) |
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雪月花 |
毒をもって毒を制するとはこのことを言うのだろうか。昨年12月に南米のウルグアイで大麻の栽培や売買を合法化する法律が上院で可決した、ことしの下期から施行される。国内居住者はひと月に40グラムの大麻を薬局から購入でき、年間480グラム分の栽培を認めるという内容だ。われわれには麻薬とか覚せい剤の概念がはっきりわからないが大麻とかコカインとかヘロインなど近寄るだけで犯罪のように聞かされている。ウルグアイ政府の言い分は、今まで力による麻薬撲滅を試みてきたが悪化するばかりだ、過去の対策で成果を上げたことがない。だったら自由にしようじゃないかという事のようだ。19世紀のシカゴを舞台にしたギャング映画で知られるアル・カポネ。酒の密造・密売で闇の帝王といわれ、アメリカの禁酒法時代でおなじみだ。彼を破滅に追い込んだのは脱税だといわれるが、禁酒法の解禁が決定打だった。これをヒントにウルグアイ政府は大麻の合法化に進んだわけでもあるまいが中南米各国のこの問題に頭を悩ます状況が伝わってくる。最近拘束されたメキシコの麻薬王の資産は10億ドルとか、建材や墓石にする名目でメキシコから横浜港と博多港に輸入された石材から末端価格10億円分の覚せい剤が摘発されたとか、有名人が薬害にあったとか非合法ドラッグのニュースは毎日のように聞かされる。身体強化薬を含めてこの種のものには近寄らないのが1番、肉体も社会的地位も全てを失うことになる。(所谷) |
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