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自衛隊ニュース   2013年11月15日号
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厳粛に25年度中央追悼式
 10月26日、荒天のため防衛省講堂で平成25年度自衛隊殉職隊員追悼式が行われた。任務遂行中に不幸にして職に殉じた隊員を追悼するため防衛大臣の主催で昭和32年から実施しているもので、今年度新たに顕彰されたのは防衛医大1柱、陸自5柱、海自3柱の計9柱。昭和26年の警察予備隊発足以降の顕彰者の累計は1840柱となった。
 式には新遺族、10年目・20年目の招待遺族、遺族会役員のほか、安倍晋三内閣総理大臣、小野寺五典防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、歴代防衛大臣、衆参国会議員などが参列し、殉職者の冥福を祈った。午前10時に開式後、国家吹奏に続き、陸自中央音楽隊の演奏の中、小野寺大臣が9柱の名簿を供奉した。次いで特別儀仗隊の捧げ銃とともに参列者全員で拝礼・黙とうを行った。
 安倍首相は追悼の辞で「御霊の尊い犠牲を無にすることなく、そのご遺志を受け継ぎ、我が国の平和と独立を守り、そして、世界の平和と安定に貢献し、より良い世界を作るため全力を尽くして参ります」などと述べ、次いで小野寺大臣が「御霊のご功績を自衛隊員の鏡として永く顕彰するとともに、ご遺志を受け継ぎ、国民の生命・財産を守るという防衛省・自衛隊の任務達成に全力で臨むことをここに御誓いするものであります」などと述べた。
 続いて献花に移り、安倍首相、小野寺大臣、遺族、来賓が順次献花台に白菊を手向けたあと遺族代表が挨拶、追悼電文が披露された。最後に再び儀仗隊が入場して、音楽演奏の中、捧げ銃とともに参列者全員で拝礼を行い式典は終了した。

25年度
65個人、69団体が受賞
防衛協力や募集等の功績に大臣感謝状
 平成25年度防衛大臣感謝状贈呈式が10月26日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で行われた。これは、自衛隊記念日行事の一環として防衛協力や自衛官募集、予備自衛官雇用等で功績のあった方々を表彰するもので、今年度は個人65名、69団体が受賞した。式典では、小野寺五典防衛大臣が壇上で代表者に感謝状を授与したのち、受賞者1人ひとりの席を回って感謝の言葉とともに感謝状を手渡した。
 受賞者は次のとおり。(敬称略)
 〈防衛協力功労(一般功労・団体)〉▽一般社団法人中畑愛郷会(静岡県)▽華厳宗大本山東大寺(奈良県)▽高知県高岡郡梼原町(高知県)▽日光二荒山神社(栃木県)
 〈同(一般功労・個人)〉▽阿達勝志(千葉県)▽市川貢(滋賀県)▽井上礼之(大阪府)▽岩井浅二(奈良県)▽上田哲二(福岡県)▽遠藤隆次郎(千葉県)▽大城勝正(沖縄県)▽笠間城治郎(神奈川県)▽基太村壽三郎(東京都)▽國吉眞孝(沖縄県)▽小滝國雄(埼玉県)▽佐々木甲子郎(愛知県)▽佐藤正博(福島県)▽菅原澄(北海道)▽大藤辰雄(滋賀県)▽高橋正(群馬県)▽高村不二義(山梨県)▽玉井晃(長崎県)▽土屋良文(宮崎県)▽永井文子(愛知県)▽中泉松之助(秋田県)▽中川信一(北海道)▽仲座清次郎(沖縄県)▽長塚泰明(神奈川県)▽中村光d(山梨県)▽新津保義(群馬県)▽新納脩爾(鹿児島県)▽西澤義一(福島県)▽橋田和実(宮崎県)▽東和眞(福岡県)▽藤澤博之(大阪府)▽古木哲夫(山口県)▽古屋正義(東京都)▽松浦正人(山口県)▽水谷茂(熊本県)▽宮下義重(島根県)▽向山富夫(北海道)▽村田純一(京都府)▽毛内キワ(青森県)▽森本正治(北海道)▽山口冨美子(山口県)▽渡邊幸治(北海道)▽渡部泰(神奈川県)
 〈同(就職援護・団体)〉▽朝日生命保険相互会社(東京都)▽学校法人都築教育学園(鹿児島県)▽学校法人八戸工業大学(青森県)▽株式会社アサヒ建材(宮崎県)▽株式会社北日本銀行(岩手県)▽株式会社スリーエス長崎営業所(長崎県)▽株式会社セノン千歳支社(北海道)▽株式会社天童グランドホテル舞鶴荘(山形県)▽株式会社東芝(東京都)▽株式会社名寄振興公社(北海道)▽株式会社廣瀬商会(東京都)▽株式会社北洋銀行函館中央支店(北海道)▽株式会社北海道銀行帯広支店(北海道)▽しがぎんキャッシュサービス株式会社(滋賀県)▽新発田ガス株式会社(新潟県)▽ジャストエンジニアリング株式会社(大阪府)▽全日本空輸株式会社(東京都)▽東京海上日動火災保険株式会社東北損害サービス部(宮城県)▽トップツアー株式会社(東京都)▽中日本エクストール横浜株式会社大月営業所(山梨県)▽日本通運株式会社熊本支店(熊本県)▽日本通運株式会社静岡警送支店(静岡県)▽日本通運株式会社福岡海運支店(福岡県)▽日本テクサ株式会社(東京都)▽日本無線株式会社(東京都)▽はましんビジネスサービス株式会社(静岡県)▽富国生命保険相互会社(東京都)▽富士航空整備株式会社(東京都)▽北電興業株式会社(北海道)▽マツダエース株式会社(広島県)▽三八五流通グループ(青森県)▽明治管財株式会社(東京都)
 〈同(就職援護・個人)〉▽坂根勝(島根県)▽多ヶ谷三千雄(埼玉県)
 〈同(予備自衛官雇用・団体)〉▽イーケーエレベータ株式会社(群馬県)▽オリエクス株式会社(東京都)▽株式会社弘和通商(北海道)▽株式会社スリーエス東北事業部(宮城県)▽株式会社セノン南九州支社(鹿児島県)▽株式会社セロン東北(山形県)▽株式会社ななみ(福島県)▽株式会社ファビルス熊本支社(熊本県)▽株式会社丸勝林業(北海道)▽株式会社レボインターナショナル(京都府)▽光東株式会社(山口県)▽セコム山梨株式会社(山梨県)▽セントラル警備保障株式会社多摩支社(東京都)▽大日精化工業株式会社(東京都)▽瀧川産業株式会社(島根県)▽松田建設株式会社(岐阜県)▽有限会社スマイル産業(香川県)▽有限会社大栄工建(熊本県)
 〈自衛官募集功労(地方自治体)〉▽岩手県下閉伊郡岩泉町(岩手県)▽宮城県柴田郡柴田町(宮城県)▽山形県尾花沢市(山形県)▽福島県耶麻郡猪苗代町(福島県)▽福島県石川郡石川町(福島県)▽佐賀県鳥栖市(佐賀県)▽佐賀県東松浦郡玄海町(佐賀県)
 〈同(学校)〉▽北海道札幌工業高等学校(北海道)▽北海道恵庭北高等学校(北海道)▽北海道美幌高等学校(北海道)▽青森県立三沢高等学校(青森県)
 〈同(個人)〉▽青柳忠夫(秋田県)▽大坪福美(福岡県)▽菊池真理子(東京都)▽後藤佑治(東京都)▽塩田善昭(大阪府)▽芝氏亀一(京都府)▽高山竹見(福井県)▽竹下幸一(宮崎県)▽竜田和子(奈良県)▽田中公乃(三重県)▽種村勉(北海道)▽田林則夫(大阪府)▽鳴嶋唯高(東京都)▽原野武廣(福岡県)▽平井基裕(大阪府)▽前田弥三松(石川県)▽松本光史(東京都)▽山口郷一(愛知県))▽山本賢一(北海道)

再び大島へ
状況確認、隊員を激励
伊豆大島JTF指揮官 磯部陸将
 10月19日に引き続き、10月28日、伊豆大島JTF指揮官である東部方面総監・磯部晃一陸将は、伊豆大島を訪れ現地の視察を行った。派遣部隊や現地調整所の状況を確認するとともに慰問品を手渡し、隊員を激励した。また、派遣部隊の宿泊施設なども視察し、活動の環境を確認するとともに休息中の隊員を労った。【11月7日現在派遣規模】述べ人数約20320名、車両約4950両、航空機79機、艦船17隻

協同訓練など交流・協力推進に合意
10年ぶりの日露防衛相会談、初の日露2+2で
 11月2日、小野寺五典防衛大臣、岸田文雄外務大臣、ラヴロフ露外務大臣、ショイグ露国防大臣が出席して日露外務・防衛閣僚協議(2+2)等が開催された。日露2+2は今春の安倍晋三内閣総理大臣—プーチン露大統領の首脳会談における合意に基づくもので、初開催。また、2+2に先立ち1日には、10年ぶりとなる日露防衛相会談が防衛省で、会談に引き続きワーキングディナーが都内ホテルで行われた。同時に外務相会談も都内で個別に行われた。
 両日の各協議では、アジア太平洋地域の安全保障情勢についての認識を双方が示し、日露両国が安全保障・防衛政策を説明した。
 防衛相会談では、日本からロシアへの説明として、一層厳しさを増す日本を取り巻く安全保障環境を踏まえ、NSSの策定・防衛大綱の見直し・集団的自衛権に関する最近の検討状況等が伝えられた。大綱の見直しの中で、警戒監視能力、水陸両用機能、統合輸送力、弾道ミサイル対処能力の総合的な向上等について検討している状況も説明された。また、日米共同訓練の実施状況についても説明された。
 ロシア側からは、テロ対処を目的とした中国の共同訓練等、ロシア軍が各国と行った共同訓練やロシア軍の訓練について詳細な説明があり、訓練に多くのマスコミや他国の武官を招いたり、計画通りの訓練か抜き打ちチェックを行う等、透明性の確保に努めている状況が伝えられた。装備の刷新等ロシア軍の改革について言及があったほか、日本のミサイル防衛システム(MD)に関心がある旨の発言等があった。ショイグ国防相は翌日の2+2共同会見でも、「米国が進めるグローバルなMDが地域の戦略バランスを崩す恐れがあり得る」との懸念を示した。小野寺大臣は防衛相会談で、MDはあくまで専守防衛の防御的な兵器という説明を行い、2+2でも、MDは「あくまで日本の防衛のため」と説明した。
 また、両日の各協議では2国間及び多国間での安全保障・防衛分野での日露の協力について意見交換を行った。2日には、2+2協議の結果報告として4大臣が以下の協力を進めることで一致したと発表された。
(1)テロ・海賊対処
・海上自衛隊とロシア海軍の間でのテロ・海賊対処共同訓練
・アデン湾における両国の海賊対処部隊の共同訓練
・ドモジェドヴォ内務省訓練センターにおけるアフガニスタン麻薬対策のための人材育成共同プロジェクト
(2)防衛交流
・防衛・国防大臣の相互訪問の定例化
・日露海上幕僚協議の立上げ
・防衛医学分野における交流(人道支援・災害救援=HA/DRにおける衛生分野の協力)
・陸軍種間の部隊間交流及び演習オブザーバー相互派遣の定例化
・航空自衛隊輸送機の早期派遣のための協議の開始
(3)協議・意見交換
・日露サイバー安全保障協議の立上げ・定例化
・防衛当局間協議等の場でのPKO分野の意見交換・情報共有
・スポーツ交流の実施のための協議の開始
 このほか、ロシア軍機による領空侵犯事案が発生した場合の検証、再発防止についての問題提起が日本側からあり、引き続き協議していくことで一致した。
 また、多国間の枠組みにおける協力としては、ADMMプラスのHA/DR専門家会合の共同議長国に就任している日本が、防衛医学専門家会合の共同議長国であるロシアと知見を共有したいという発言が小野寺大臣から、ロシアの構想する「アジア太平洋地域における安全保障の新しい組織」についての説明がラヴロフ外相からあった。
 また、ショイグ国防相は2+2共同記者会見の中で「ロシアの参謀本部と日本の統合幕僚長との間の協力の活発化についても合意した。今後はロシア海軍、ロシア空軍と海上自衛隊、航空自衛隊との間で指揮官の間の協力の活発化について検討したい」と発言した。
 小野寺大臣は2+2共同記者会見で「防衛省として合意した協力、交流案件について今後も着実に実施し両国の相互理解を更に深め、信頼を一層強めていきたい」と総括した。
 次回の日露2+2は来年モスクワで開催されるよう外交ルートで調整される。

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