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自衛隊ニュース   2013年10月15日号
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9月30日の臨時閣議で人事決定
相次いで離着任行事実施

(1面から)
 武田新副大臣は福田康夫改造内閣~麻生内閣で防衛大臣政務官を務めた(08年8月~09年9月)。木原、若宮両政務官は初の政務三役。翌10月1、2日の両日、副大臣・政務官の離着任行事が防衛省で相次いで行われた。離着任行事では岩楓ホ統合幕僚長・陸海空幕僚長・西事務次官らが列席し特別儀仗隊・陸自中央音楽隊等が参加した栄誉礼・巡閲、海自東京音楽隊、空自航空中央音楽隊等が参加した慰霊碑献花が行われ、離任の江渡聡徳前副大臣、左藤章・佐藤正久両前政務官は隊員多数の盛大な見送りを受け市ヶ谷台を後にした。


ガイドライン14年末に見直し
日米「2+2」、日米防衛省会談

 10月3日午後、東京で小野寺五典防衛大臣、岸田文雄外務大臣、ジョン・ケリー米国務長官、チャック・ヘーゲル米国防長官が出席して日米安全保障協議委員会(「2+2」)等が開催された。日米関係4閣僚が揃って東京で「2+2」が開催されたのは初めて。また、「2+2」に先立ち、同日午前には防衛省で日米防衛相会談が行われた。
▽日米防衛相会談
 日米防衛相会談では、総論として、ケリー長官が来日し4閣僚が揃って東京で「2+2」が開催された事に象徴される日米同盟の重要性について確認。ヘーゲル長官からは「大統領がこの同盟を完全に支持している事は明白」という発言があった。「2+2」を契機に同盟の強化に向けて一層緊密に連携することで一致した。また、北朝鮮情勢を含む地域情勢を議論。訪日前に訪韓したヘーゲル長官は、北朝鮮の核・ミサイルの開発は明白な脅威で、韓国も日本も米国も同様の脅威に直面しているとし、3カ国間の協力が大切であると繰り返し述べた。尖閣諸島を巡る情勢も意見交換を行い、小野寺大臣は改めて「領土・領海・領空を断固として守り抜くとともに、力による現状変更を認めず、法の支配に基づく、自由で開かれた海の秩序を守る覚悟」と発言。ヘーゲル長官からは、尖閣諸島に関して「日本の施政下にあり、安保条約第5条が適用される」という従来の米国の立場を確認する繰り返しの発言があった。
 午後の「2+2」でも議論された日米防衛協力の個別事案についても触れられ、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の見直しについては、防衛当局間で精力的に議論していくことで一致。北朝鮮情勢への対応に関連して極めて重要であるTPY―2レーダーの2基目の配備については、小野寺大臣から地元首長による協力の表明があった旨が述べられ、これに対しヘーゲル長官から感謝の言葉があり、早期配備に向け作業を加速化させることで一致。また、8月の日米防衛相会談における合意に基づき、自衛隊と米軍のサイバー協力を深化させるべく、日米防衛当局間で議論を行う枠組みとして「日米サイバー防衛政策ワーキンググループ(CDPWG)」が設置されたことを歓迎した。CDPWGは年2回程度の開催頻度を予定している。そのほか、在日米軍再編について、今後の日米同盟、沖縄の負担軽減という観点からも重要であると小野寺大臣、ヘーゲル長官から繰り返し述べられ、早期かつ着実に進めていくことで一致。MV―22オスプレイ2個飛行隊の配備を受け、引き続き運用の徹底を求める小野寺大臣の発言があり、ヘーゲル長官から引き続き安全な運用に配慮する旨の発言があった。
▽日米「2+2」共同発表
 日米防衛相会談に引き続き行われた「2+2」終了後には、▽NSC(国家安全保障会議)の設置、集団自衛権の行使に関する事項を含む安全保障の法的基盤の再検討、防衛予算の増額、防衛大綱の見直し等の日本の安全保障政策への取組を米国が歓迎▽北朝鮮の核・ミサイル計画や人道上の懸念、中国へ「国際的な行動規範を遵守し、急速に拡大する軍事面での資源の投入を伴う軍事上の近代化に関する開放性・透明性を向上させるよう引き続き促していく」、等の内容を含む【(1) 概観】、▽能力構築▽人道支援・災害救援▽豪州及び韓国との定期的な3カ国間の対話の成功に留意▽多国間協力の取組の重要性に留意、等の内容を含む【(3) 地域への関与】、▽沖縄・岩国・グアムで行われている土地の返還、部隊移転等のタイムスケジュールの確認や新たな公表▽MV―22、P―8(2013年12月以降)、グローバル・ホーク(2014年春以降)、F―35B(2017年)といった高度な能力を日本国内に配備・展開することの重要性を確認、等の内容を含む【(4) 在日米軍再編】のほか、【(2) 2国間の安全保障及び防衛協力】の計4テーマで構成される4閣僚による共同発表が発出された。【5 2国間の安全保障及び防衛協力】は、▽1997年の「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を2014年末までに見直し(防衛協力小委員会=SDCの作業を2014年末までに完了させるよう指示)▽2基目のTPY―2レーダーの配備先として空自経ヶ崎分屯基地(京都府京丹後市)を選定する意図を確認▽サイバー空間における協力▽宇宙における協力▽防衛当局間の共同ISR(情報収集・警戒監視・偵察)▽南西諸島等における自衛隊の態勢強化等のため共同使用作業部会の取組を歓迎▽2国間の作業の進展を歓迎し、精緻化への取組を再確認▽防衛装備・技術協力。F―35製造への日本企業の参画等の連携を通じ、協力を深化▽拡大抑止協議を定期的に開催▽情報保全の法的枠組みの構築における日本の真剣な取組を歓迎▽共同訓練・演習▽在日米軍駐留経費負担の重要性を確認、等の内容を含む。
 この中で、共同訓練・演習については日本本土を含め沖縄県外における訓練を増加させるために、▽人道支援・災害救援訓練▽航空機移転訓練プログラムといった枠組みを通じた飛行訓練▽沖縄県道104号越え実弾射撃訓練の移転▽2国間又は3カ国及び多国間の訓練▽MV―22の日本本土及び地域における様々な運用への参加、等の機会を活用することが決定している。


企業の支援が届かぬ分野の強化
「体校の役割期待」
東京五輪特別行動委員会で平田内閣官房参与

 五輪競技大会の成功に向けた今後の防衛省・自衛隊としての長期的な取組み(自衛隊体育学校の取組み)を議題とした、第2回防衛省・自衛隊2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会特別行動委員会が10月8日、防衛省第1省議室で行われた。
 出席者は、小野寺五典大臣、武田良太副大臣、木原稔・若宮健嗣両政務官、折木良一大臣補佐官をはじめ、事務次官、大臣官房長、各局長、衛生監、技術監、報道官、各幕僚長、情報本部長、福田築自衛隊体育学校長、ロンドン五輪メダリストの小原日登美1陸尉、米満達弘2陸尉、清水聡2陸尉、平田竹男内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室長(内閣官房参与)。
 平田室長は、五輪招致決定直後に直ちに特別行動委員会を立ち上げた小野寺防衛大臣に感謝の意を述べ、内閣官房のオリ・パラ推進室と防衛省・自衛隊が「東京五輪成功に向け緊密に連携を取る必要がある」とし、「オリ・パラ室が、スポーツと防衛省のかけ橋に」などと意欲を述べた。また、研究者として自衛隊体育学校を研究した経緯から、前回東京五輪でメダル獲得の成果を上げることを目的に設立され、実際にメダリストを輩出した体育学校の2020年大会での再びの活躍について、「マイナースポーツ、企業の支援が行き届かない分野で2020年に向け強化して頂くことが体育学校の役割の一つ」と期待の言葉を寄せた。


国際協力の祭典でPR
防衛省・自衛隊がグローバルフェスタに参加

 防衛省は10月5、6の両日、日比谷公園で行われた国際協力イベント「グローバルフェスタ2013」に参加した。同イベントは関係省庁、国際機関、各国在京大使館、NGOなど200以上の団体が参加し、各ブース内やステージで展示やパネルディスカッション、物販、飲食など様々なイベントが行われ、2日間で計約7万8千人が来場した。
 2011年から毎年参加している防衛省・自衛隊。今回はこれまでの国際協力活動の写真展示、クイズ、国際活動用装備品の展示に加え、防弾チョッキ試着等の体験コーナーや陸自のマスコットであるタクマくん・ユウちゃんの着ぐるみも参加。第1空挺団の支援を受け高機動車も展示した。人波で溢れる会場内で内閣府PKO事務局と隣り合う防衛省・自衛隊ブースはひと際注目を集め記念撮影を希望する来場者等が絶えなかった。来場者には防衛省・自衛隊のパンフレットやグッズを配布した。
 ブース内の展示物を指差したり、配布のパンフレットに目をやり、防衛省・自衛隊について隊員に熱心な質問を投げかける来場者も多数。日比谷公園という土地柄、東京観光や公園散策に訪れた家族連れなども多かったが、イベントの性質上、国際協力に関心の高い層や自ら携わっている老若男女、外国人なども目に付いた。「国際協力の分野で自衛隊が活躍していることを頼もしく、誇らしく思います。」とは、イベントの来場を目的に関西から上京した大学生。「この高機動車の足下で地雷が爆発したらどうなるのでしょう」と、案じる様子で質問する婦人も。そうした感想や質問一つとっても、より深い関心を持つ層にも、防衛省・自衛隊の国際協力をPR出来る絶好の機会であることが窺えた。


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