防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年10月15日号
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「即応態勢の維持に努める」
出雲駐屯地開庁60周年記念式典で市中パレード
還暦を迎えて初心に誓う
 神有月(10月)6日、島根県出雲市にある出雲市駅前「出雲市くにびき通り」で「自衛隊による市中パレード」が500メートルに渡って行われた。これは、陸上自衛隊出雲駐屯地(司令・稲吉正孝2等陸佐)開庁60周年記念行事の一環として行われたもの。地域の防衛・防災の要である出雲駐屯地の装備及び存在を地域に認識してもらうとともに市内外にアピールするために始めた市中パレードは、今年で9回目。
 前日の大雨が嘘のように晴れ渡った当日9時30分、島根県及び出雲大社や自衛隊関係者など来賓多数を招き、第13音楽隊による音楽演奏から記念式典は始まった。国旗の両側には着剣した自衛官が付き式典の厳粛さを高め、沿道は隙間なく観客で埋め尽くされていた。稲吉司令は「東日本大震災等の日本危機大災害、災害対処に特化した訓練をしていない我々自衛隊がなぜ対処できたのか。それは、各部隊の任務に応じた訓練と、階級・職務に応じた業務の遂行、装備品の整備や補給品・施設の管理など日々黙々と、常に不測の事態対処を念頭に行っていた事の成果ではと自負している」などと式辞を述べた。
 パレードは、島根県と出雲市の旗を先頭に、第132地区警務隊、304施設隊、104施設直接支援大隊第1直接支援隊、第13後方支援隊、第13偵察隊、山口駐屯地の第17普通科連隊、日本原駐屯地の第13特科隊と続き、最後に災害派遣車両が通過。災害派遣の炊事車に向かって手を合わせている人もいた。車両パレードの後は、防府の第13飛行隊所属OH—6と航空自衛隊美保基地のYS—11、C—1がかなり低空で通過飛行して行った。大迫力の航空機通過に観客からは「ほぉ〜」と響きが。老若男女入り交じったパレードの観客の手には「日の丸」。手作りの日の丸も多く、地域に密着している「出雲駐屯地」を印象付けた。
 パレードを終了した車両はそのまま市役所脇の装備品展示へ。「バイクと隊員さんと私」などの写真撮影や隊員を質問攻めにする人など大にぎわいだった。
 今年は60年に一度の出雲大社大遷宮の年、出雲駐屯地も開庁60周年。「信頼され、愛され、郷土に根ざす出雲駐屯地」は、これからも地域になくてはならない存在として、即応態勢の維持に努めるため、地道な訓練を続けていくのだろう。

未曽有の大雨
島根県知事より感謝状
出雲駐屯地
 出雲駐屯地(司令・稲吉正孝2等陸佐)は、9月17日島根県庁において、溝口島根県知事から感謝状を贈呈された。
 島根県は、7月28日「経験したことのない大雨」に襲われ、各地で土砂崩れや浸水被害が相次いだ。
 稲吉司令は、島根県知事から要請を受け、7月28日から31日までの間、第13偵察隊及び第304施設隊を現地に派遣し、行方不明者の捜索、道路啓開を行った。
 感謝状贈呈式には、稲吉司令及び島根地方協力本部長・山口芳正1等陸佐が出席、県知事より感謝状が贈呈された。
 その後の懇談で、稲吉司令は、県知事に対して「島根県の防衛警備に全力を尽くす」と述べた。

「最後の砦として」強い使命感を堅持
桂駐屯地創立59周年
 桂駐屯地(司令・田原計1等陸佐)は9月29日、京都桂駐屯地創立59周年記念行事を地元選出国会議員等部内外多数の来賓を迎え盛大に挙行した。
 今年は新庁舎建て換えに伴い、式典会場の面積が昨年と比べ半分となったが、天候にも恵まれ、例年の約1・5倍となる約3400名が駐屯地を訪れた。
 田原駐屯地司令は式辞の中で「誇るべき日本人の一人として日本の主権を守り、国家の緊急事態に対処する自衛隊員として、万が一その時に、最後の砦として国民の生命・財産、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くという、強い使命感を堅持することと、武力集団としての原点に立ち、精鋭無比、かつ高い技術力を持つ部隊をめざし、ともに訓練に励み、ともに修養を怠らず、任務遂行のための実力を更に向上することを強く要望する」と述べた。また、式典に続いて行われた訓練展示においては、駐屯地ラッパ隊によるラッパ演奏、格闘基幹要員による格闘展示及び戦闘状況下における野外整備・不発弾処理の訓練展示を披露し来賓並びに来場者を魅了した。
 各催しにおいては、近傍部隊からの支援を受け、〇三式中距離地対空誘導弾発射装置(中SAM)を含む23品目の装備品展示、高機動車の体験試乗、第3音楽隊による野外コンサート、姫路駐屯地太鼓部「白鷺太鼓」による太鼓演奏、曹友会による子供向け制服試着や大人気のストラックアウトコーナー、桂グルメと呼ばれる野外売店、絵付けを体験できる陶芸教室を催し、家族連れや地域住民等多数の来場者が楽しいひと時を過ごした。

雪月花
 昭和48年に創刊しました「防衛ホーム新聞」は今日の10月15日号で40年を迎えました。これもひとえに読者である自衛官のみなさまとそのご家族の方々の暖かい御支援のたまものと思います。本当にありがとうございます。この40年の間にはわが国を取り巻く世界の情勢は予想だにしなかった大激動を遂げております。後世の歴史家たちも特筆するターニングポイントと見るのではないでしょうか。私たちもこれをしっかりと目撃してきました、歴史の証人と言えば大げさでしょうか。東西の冷戦は終結しましたがその後、地球上のあちこちで新たな紛争が起きております。残念なことにわが国周辺でも波風は極めて高くなっていますが毅然とした対応を取らなければなりません。反面国内での自衛隊に対する評価は高くなっています、40年前とはまさに隔世の感を覚えます。自衛隊創設以来60年、自衛官の皆さんで引き継がれた真摯な行動と国を守る気概が国民からの信頼をもたらされたものです。東日本大震災でのひたむきな活躍も国民の感動を呼びましたが、波の高い地域での自衛隊の存在がどんなにか国民に安心感を覚えられていることでしょうか。自衛隊の皆さまに感謝しながら「防衛ホーム新聞」は次の節目に歩む決意を新たにしています。

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