西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)次世代士官セミナーが10月28日から11月1日の間、海上自衛隊幹部学校主催で開かれた。これはWPNS構成国の若手海軍軍人を迎え、研究会や部隊・文化研修を通じて防衛交流を図ることを目的に行われ、今回で8回目を迎えた。
参加国は日本、オーストラリア、バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、カナダ、チリ、中国、フランス、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、トンガ、アメリカの22ヵ国、参加者は総勢58名で、多国間の相互理解・交流を図った。
セミナー初日は、海自横須賀基地で部隊見学を行い、護衛艦「おおなみ」や記念艦「三笠」などを見学した。
10月29、30の両日は、海幹学校で研究会を実施された。始講前に松下泰士副校長が挨拶に立ち、複雑化してきた今日の国際情勢について多国間での協力が必要不可欠とした上で、「本セミナーは、単に参加者及び各国海軍間の相互理解に役立つのみならず、地域の安定化にも大きく寄与するものと考えます」とセミナーへの期待と重要性を述べた。研究会では、「海軍におけるリーダーシップの在り方とその研鑽についての方策」「アジア太平洋地域の海洋を巡る各国の安全保障に関する情勢認識」をテーマに意見交換するとともに、活発な討議を行った。
都内研修など文化交流も
セミナーではより相互理解を促進するため文化研修が行われた。
10月31日に都内研修(皇居、江戸東京博物館、東京タワー)、翌11月1日は熱海、箱根方面を訪れ、日本の歴史及び文化に対する理解を深めた。
文化研修では両日とも天候に恵まれ、参加者達は特に皇居、江戸東京博物館に対して高い関心を示し、同行した海幹校指揮幕僚課程学生に熱心に質問するなどしていた。
4日間にわたって行われたセミナーで参加者達は、各種研修を通じて防衛面だけでなく文化的な側面からの関係も深めた。 |