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自衛隊ニュース   2008年11月15日号
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WPNS次世代士官セミナー
22ヵ国海軍の交流深める
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 西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)次世代士官セミナーが10月28日から11月1日の間、海上自衛隊幹部学校主催で開かれた。これはWPNS構成国の若手海軍軍人を迎え、研究会や部隊・文化研修を通じて防衛交流を図ることを目的に行われ、今回で8回目を迎えた。
 参加国は日本、オーストラリア、バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、カナダ、チリ、中国、フランス、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、トンガ、アメリカの22ヵ国、参加者は総勢58名で、多国間の相互理解・交流を図った。
 セミナー初日は、海自横須賀基地で部隊見学を行い、護衛艦「おおなみ」や記念艦「三笠」などを見学した。
 10月29、30の両日は、海幹学校で研究会を実施された。始講前に松下泰士副校長が挨拶に立ち、複雑化してきた今日の国際情勢について多国間での協力が必要不可欠とした上で、「本セミナーは、単に参加者及び各国海軍間の相互理解に役立つのみならず、地域の安定化にも大きく寄与するものと考えます」とセミナーへの期待と重要性を述べた。研究会では、「海軍におけるリーダーシップの在り方とその研鑽についての方策」「アジア太平洋地域の海洋を巡る各国の安全保障に関する情勢認識」をテーマに意見交換するとともに、活発な討議を行った。

都内研修など文化交流も
セミナーではより相互理解を促進するため文化研修が行われた。
 10月31日に都内研修(皇居、江戸東京博物館、東京タワー)、翌11月1日は熱海、箱根方面を訪れ、日本の歴史及び文化に対する理解を深めた。
 文化研修では両日とも天候に恵まれ、参加者達は特に皇居、江戸東京博物館に対して高い関心を示し、同行した海幹校指揮幕僚課程学生に熱心に質問するなどしていた。
 4日間にわたって行われたセミナーで参加者達は、各種研修を通じて防衛面だけでなく文化的な側面からの関係も深めた。


訓練検閲を実施
《第4師団》
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 第4師団は10月13日から16日の間、日出生台演習場において、平成20年度第2次訓練検閲を実施した。検閲開始前に、宮島師団長は受閲部隊に対し「全ての努力を弾先に集中せよ」「部隊一丸となり、行進任務を完遂せよ」「命令・号令の徹底」及び「基本・基礎の徹底」の4点を要望した。各受閲部隊は2夜3日の状況下で、平素の訓練の成果を存分に発揮し、与えられた任務を完遂した。
 第4特科連隊は約25kmの徒歩行進及び実射の練度を検したが、全隊員が一致団結、平素から鍛えられた訓練成果を遺憾なく発揮した。第4戦車大隊は、約70kmの車両行進及び実射の練度を検し、部隊に与えられた任務を完遂した。車両行進では、各車・各隊員は、それぞれの役割を全うし、全車完走した。第4対舟艇対戦車隊は、2夜3日にわたり徒歩行進及び実射を行い、行進では後半夜の低温降雨の悪天候の中、約40kmにわたる行程を通じ、無声指揮に徹し完歩した。射撃結果は射撃準備、部隊射撃ともに100パーセントだった。

連隊最大規模の演習に即応予備自350名参加
《第48普通科連隊》
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 第48普通科連隊(連隊長・飯盛謙一1佐)は10月10日から13日の間、関山演習場及び同周辺地域において連隊創設以来最大規模の演習を実施した。
 この訓練には即応予備自衛官351名を含む総勢526名が参加、攻撃における基礎となる部隊の行動を連隊が作成した全般作戦計画に基づき実施された。
 協同部隊として第12特科隊・第12対戦車中隊・第4普通科直接支援小隊の即応予備自衛官等も参加した。また仮設敵として第2普通科連隊、出頭先からの隊員輸送に第12後方支援隊輸送隊の支援も受け万全の態勢で臨んだ。あいにくの冷たい雨の中での徒歩行進から始まった本訓練だったが、隊員達は創隊以来経験した事もない人数での訓練に、驚きを隠せないようであった。状況終了後には、古河副旅団長の訓示をうけた後、連隊最先任上級曹長・藤塚准尉による勝ち鬨で本訓練を締めくくった。

雪月花
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 3秒に一人が貧困が原因で死亡していると言われる途上国、年端もいかないこどもが家族のためにゴミ捨て場を漁っている写真には胸を締め付けられる。一方ではデパ地下で残った食品で飼った豚はヘルシーで美味しく人気があるとのニュース、年間2500万人分の食べ物が廃棄処分になる日本、飽食故のメタボが問題になる先進国。ここにきて自分もダイエットしながら発展途上国のこどもにも学校給食を食べさせてあげられるTABLE FOR TWOという運動が世界各国ではじまった(本紙10月15日号)。昨年1月にスイスで開かれた世界経済フォーラムの「ダボス会議」で提唱され日本でも伊藤忠商事や日本航空、大妻女子大など約50の企業・団体が参加している。施設内の食堂でカロリーを通常より低く抑えたり、並ライスを小ライスにして原価を安くしたり上乗せしたりして20円をTFTに贈るシステムで、飢えからの脱出に役立っているそうだ。この運動に防衛省共済組合本省支部も10月1日から参加した。10月の1ヶ月で5709食に自衛官の理解が得られた、全メニューの12・5%にあたる。霞ヶ関の官庁街でも行われているが防衛省の隊員による寄付金額が飛び抜けて多いという。私たちの20円が途上国のこどもの1食分になると聞かされると嬉しい気持ちと同時に申し訳ない気持ちにもなる。二人の食卓に明るい笑い声が聞こえる日は近いのだろうか。 (所谷)

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