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   2006年11月1日号
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FTC訓練に参加
第16普通科連隊第1中隊(大村) 2陸尉 横山良 一
  FTC訓練に参加し、日頃訓練で培った実力をFTCという土俵で発揮することを念頭に参加したが、志半ばで潰えた結果になってしまった。やはり本番と事前にふまえた訓練では、大きく違い予期せぬ事が発生し、また、起こっている事実さえも確認できない状態となり、これが疑似実戦かと痛感した。
 今回、「情報と火力の連携とは?」で終了後のAARが実施されたが、戦闘結果から見てみると、敵は、常に、我を補捉していた。それに反し我は、一部の敵を確認していたが、主力は、見えない敵もしくは砲弾の脅威にさらされ、戦闘力を漸減されていく状態となってしまった。結果、敵の陣地配備等確たる情報のないまま、翌朝の陣地攻撃を実施した。
 本訓練終了後に知ったことであるが、訓練の統制上でFMアナログ系を使用していたため秘匿されず、ろ獲された無線機は情報を垂れ流し与え続けていた。これには、かなりの衝撃をうけた。戦いに「…たら」「…れば」はないけれども、あのとき、ろ獲無線機対策を講じていれば、大きく戦局は変わっていたかもしれない。
 しかしながら、FTCは勝った負けたの一時的な訓練ではない。今後の訓練等に反映させるべき事項を気付かせてくれる大変有意義な土俵であった。如何に通信が重要であるかという事の再認識、情報と火力を迅速かつ正確に一致させ連携させる具体的な訓練が必要であるということなど、多くの教訓を得た。
 部隊として、個人として気付かせてもらえた教訓をこれからの教育訓練等の隊務に反映し、一つ一つクリアしていきたいと思う。今回のFTC訓練の実施にあたって、センター長以下の皆様の真剣なる御支援、御教授に深く感謝申し上げます。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
岩手地所(株)八戸第一ビルディング営業所 豊島 治朗
豊島氏は平成17年、八戸駐業隊を2陸佐で定年退職。55歳
 私は昨年8月に定年退職し、今の会社に再就職して1年になろうとしています。今思えば、「非常にタイミング良く就職が決まった」と実感しています。退職日の1ヶ月前まで体調を崩し援護依頼を休止していた事情もあり、再就職先が決まらないままでの退職も覚悟していた矢先、退職1週間ほど前にボイラー技士の求人情報があり、退職日に採用通知を受けるというラッキーな結果となりました。正に「免許は身を助ける」の就職でした。主な職務は、(1)総務(2)ビル管理(点検・修繕)(3)入居テナント賃貸業務(4)ボイラーの運転(冬季)・維持管理です。
 ボイラー運転は実務経験がなくペーパー技士だったので初め苦労しましたが、ホークミサイル部隊勤務で得たレーダ、発射機等の操作・整備と通じるものがあり、1ヶ月ほどで自信を持つ事ができました。他の業務についても、自衛隊での各種実務経験、或いはそれを応用する事で支障なくやっています。特に地方連絡部(援護)、六ヶ所対空射場管理隊長として部外者を相手にした職務経験は大きなウエイトを占めています。
 再就職を控えている方にあえて申し上げるとしたら(1)何よりも心身の健康管理が第一です。(2)やる気さえあれば「どんな職業でもできる」との考えはすばらしいことですが、自衛隊勤務30数年を総点検し、退職時の階級・職歴、或いは高収入等にあまりとらわれず自分の特質、特に人間性に合った職務を希望する。(3)資格取得については実務経験が無い場合、意見が分かれますが、有ったほうが再就職の選択幅が広がると思います。
 最後に皆さんは、長い自衛隊勤務において、再就職で「即」役立つ知識・技能を確実に身につけていますが、就職して1年くらいは「自衛隊では…」の表立った言動は慎み、会社の方針・ニーズに素直に従い職務を全うし、自分の考えは人間関係を確立してから普及すればよいことだと思います。
 私も自衛隊出身者として、恥ずかしくない仕事をし、「後任者も是非、自衛隊から採用したい」と言われるように後に続く退職者のためにもがんばりたいと思います。
 皆様の再就職までのご健闘を祈念しております。

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